目次
霊と現身 日本映画における対立の美学
- ツヴィカ・セルペル(著)
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はじめに………………9
序論 芸術の境界を越える美学───蓄積された伝統概念………………14
1 基本概念としての対極の調和………………14
2 受容を促進する混合主義的宗教観………………28
3 統合された概念と個人の創造力………………34
[Ⅰ]──────内容・構造・美学
第一章 実存的儀式───黒澤明『夢』の構造と美学………………38
1 映画の構造とその意味………………39
2 超人の結婚式と人間の葬式………………46
3 清める者と汚す者としての神………………51
4 幽霊───現実と虚構の化身………………54
5 悪鬼と人間的な鬼の対峙………………61
まとめ───古典の復興………………65
第二章 楓の方をめぐる狐と蛇の結晶化───黒澤明『乱』における聴覚と視覚による性格描写………………70
1 聴覚の局面───狐の女性への変化………………72
2 視覚の局面───女性の蛇への変化………………78
まとめ───聴覚と視覚の分離……………85
第三章 死と血の可視/不可視───黒澤明『蜘蛛巣城』と『乱』における正義観………………87
1 『蜘蛛巣城』───対になった殺人者とその犠牲者の死の場面………………90
2 『乱』───血の可視/不可視による道徳の芸術的な表現………………100
まとめ───死と血の詩的描写………………114
第四章 征服される鬼───新藤兼人『藪の中の黒猫』の累積性と『鬼婆』の統合性………………119
1 『藪の中の黒猫』───複数の伝承物語………………120
2 人と猫と野獣───文脈的特徴付け………………126
3 伝統的空間と動き………………128
4 『鬼婆』───二つの異なる伝承の独創的な統合………………135
5 鬼の人食いと組み合わされた女の鬼的嫉妬………………137
6 象徴的な自然………………143
まとめ───鬼と人間の二面性………………149
第五章 エロティシズムの概念───伊丹十三『お葬式』と『タンポポ』における象徴性……………153
1 構造的内容におけるエロティシズム………………154
2 衣服の象徴と身体の露出/非露出………………160
3 フェティッシュとしての身体部位………………171
4 エロティックな象徴としての物体………………181
まとめ───衣装と物体の象徴………………195
[Ⅱ]──────要因と象徴としての自然
第六章 一つの自然要素の展開……………201
1 人間関係を反映する小石───滝田洋二郎『おくりびと』………………202
2 象徴としての植物───成瀬巳喜男『山の音』と『夫婦』………………208
第七章 自然要素の正反対への移行……………213
1 水から火への必然的移行の後の熱狂───黒澤明『隠し砦の三悪人』………………213
2 水から火への対照的な移行とその後の激情───柳町光男『火まつり』………………219
第八章 多様な自然要素による一つのテーマの展開……………227
1 エロティックな場面における自然要素の織り合わせ───『雨月物語』『羅生門』『砂の女』『楢山節考』………………227
2 死の場面への自然要素の織り込み───『楢山節考』『HANA-BI』………………245
第九章 一つのシークエンスにおける多様な自然要素の織り合わせ……………256
1 物語の始まりで織り合わされた多様な自然要素───黒澤明『乱』………………258
2 物語のクライマックスと結末に織り込まれる自然───黒澤明『八月の狂詩曲』………………263
おわりに───要因と象徴………………268
あとがき………………271
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