目次
- 序論 外国人からアプローチする比較人権社会学
- 1 エティック(etic)論vsイーミック(emic)論と外国人−観察者の目とデータ
- 2 二つのエティック論・イーミック論
- 3 歴史学から学ぶデータの扱い方
- 4 「外国人の人権」を社会学から考察する−本書の構成
- 5 在留特別許可は移民選別なのか、それともオルタナティブ・ジャスティスなのか
- 6 「外国人の人権」を認める隠れた論理の解明−増補版での追加の諸章について
- 7 本書が明らかにしようとする「外国人の人権」とはいかなるものか
- 第1章 「偽装」日系人の法社会学
- 1 日本へのデカセギと在留資格取得のための手続き
- 2 訴状から見えてくる「偽装」日系人問題
- 3 いかにして入管はA氏を「偽装」日系人と判断したのか
- 4 A氏代理人弁護士からの争点整理
- 5 「偽装」日系人問題と手続き
- 6 裁判所の判断
- 7 結語にかえて−残され続ける疑問
- 第2章 外国人少年非行の社会学
- 1 少年非行と国籍−少年Bの一〇代の生活状況
- 2 弁護側の主張(1)−家族の崩壊は防がなくてはならない
- 3 弁護側の主張(2)−退去強制処分は二重の処罰に当たる
- 4 弁護側の主張(3)−国内治安と家族の比較衡量
- 5 最後の口頭審理から在留特別許可へ
- 6 結語にかえて−外国人を受け入れるとは
- 第3章 LGBT外国人と退去強制の社会学
- 1 事実の概要
- 2 双方の主張と一審判決
- 3 控訴審における双方の主張と控訴審判決
- 4 国側主張および裁判所の判断への懸念Ⅰ−地方入管局長に在留特別許可の裁決権が委任されていく過程の確認
- 5 国側主張および裁判所の判断への懸念Ⅱ−実務の実態との関連で
- 6 我が国は「家族」に包摂されない人の権利を無視するのか
- 7 結語にかえて
- 第4章 LGBT外国人と退去強制後の危惧の社会学
- 1 ブラジルの法制度と社会の乖離
- 2 ミリシアを産み育む社会的背景と公務員
- 3 根強く残るホモフォビア・トランスジェンダーフォビア
- 4 罪と罰の均衡
- 5 M氏の退去強制令処分の過酷さ
- 6 憲法三一条および三九条との関係から退去強制処分を考える−退去強制処分が実質的に二重の処罰にあたること
- 7 結語にかえて
- 第5章 ヘイトデモ禁止の社会学
- 1 「桜本」へのヘイトスピーチとコミュニティ
- 2 異議申立ての端緒を確認する−横浜地方法務局への人権侵犯申告書とヘイトスピーチ
- 3 人権侵犯被害申告書から垣間見られるヘイトの実態
- 4 ヘイトスピーチへの対抗がなぜ反戦平和デモになるのか
- 5 国籍と家族の交錯が新しい地平を拓く
- 6 結語にかえて−定住外国人が住所地で平穏に生活する人格権は憲法で保障される
- 第6章 外国人労働者から眺める日本的経営
- 1 日本式経営とトヨティズム
- 2 トヨティズムと外国人労働者
- 3 豊田と外国人労働者
- 4 外国人労働者と制度の社会学
- 5 制度の変容から見えてくる地域
- 6 結語にかえて−「顔の見えない定住化」再考
- 第7章 「外国人の人権」の社会学
- 1 なぜ退去強制を迫られるのか
- 2 安念潤司の「外国人の人権」論
- 3 入管行政と「行政裁量論」
- 4 安念「外国人の人権」論vs常岡「行政裁量論」から考える
- 5 帝国「臣民」に入れ替わった外国人
- 6 結語にかえて−新憲法下に残される大日本帝国の残滓(=外国人)の未来
- 第8章 「外国人の人権」再審
- 1 戦前日本の外国人の在留
- 2 占領下における外国人の在留と制度の転換
- 3 在留資格「定住者」とはどのような在留資格か
- 4 在留特別許可と家族
- 5 在留資格「定住者」と家族
- 6 マクリーン判決と現代の在留特別許可
- 7 在留特別許可義務づけ訴訟と本事件における退去強制の忌避
- 8 日本が保護すべきとする家族と在留資格
- 9 結語にかえて−甲と乙の生活は保護すべきものであると考えられる
- 第9章 在留特別許可を正当化する論理の発見
- 1 原審東京地裁判決とマクリーン判決
- 2 在留特別許可と二重の審査基準
- 3 「外国人の人権」と二重の審査基準
- 4 結語にかえて
- 第10章 日本型「外国人の人権」の評価システムを考える
- 1 なぜ見直さなくてはならないのか
- 2 公務員の行為と再審情願
- 3 再審情願と二重の審査基準
- 4 「外国人の人権」と「朝日訴訟」
- 5 「外国人の人権」ではなく「外国人を含む人権」で決まる人権の限界
- 6 日本における「人権の構造」の発見
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