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人生ってままならなく...

人生ってままならなくて、他の人が気にせず歩き過ぎていくような小さな石につまづいて「どうして上手くいかないんだろう？」とため息を吐いたり、何処へも開かず窒息してしまいそうな閉塞感を感じてしまうことも……ありますよね。

この作品に登場するのも、程度は違えどそんな人生のままならなさを抱えた女性たち。
彼女たちが、頭に寿司ネタを乗せた小さな妖精的存在「寿司ガール」に出会うことで訪れる、ささやかな変化を描いた短編集です。

劇的に何かが変わるわけではありません。
ままならなさが無くなるわけでもありません。
回転寿司のお皿に乗る寿司ガールたちのサイズと同じくらいの、小さな変化です。
けれどそのほんの少しで、ずっとあった息苦しさのようなものが無くなり、表情がやわらかくなる。
幸せになるわけではないけれど、不幸せと嘆くのではなく笑うことが出来る。
そういう変化を、ささやかに。

人生にままならなさを、忙しい毎日に息苦しさや生き苦しさを感じている人の、ほんのちょっと肩の力を抜いてくれる作品です。

（卯）