紙の本
山田詠美の日本語講座
2000/12/07 23:49
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投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
山田詠美が日本語に言及して小説風にした読み物。1992年から1993年にかけて、雑誌「海燕」に発表された8篇が収められている。
著者曰く「この本は、私のビッグミステイクである」とのことだが、私にとって「この本は、ビッグプレゼント」だった。
センス溢れる山田詠美の取り上げる言葉は、まず「快楽の動詞」。
「いく」「死ぬ」に勝る動詞が果たして存在するのだろうか?と。「ベッドの創作」の章ではこれでもか!というほどこの課題に具体的なヒントを与えて読者に示してくれる。
「お花畑で2羽の蝶々がつかず離れずヒラリヒラリ…」などと言っていては金属バットで後ろから殴られそうである。
恋愛小説を読む意味はあるのだろうか?また、なぜ我々は大喜びで恋愛小説を読むのだろうか?何がそんなに嬉しいのか?など考えさせてもらった。
「駄洒落の功罪」の章は大いに共感した。
「駄洒落」とはユーモアでも何でもない。アドリブが混じらない分、相手に笑いを強要するからたまらない。職場でもやたらに駄洒落を連発する下品な人が1人や2人必ずいるものだ。私はこの手の人と相対している時いつも思うのが、「ここで笑え!」とかいう吹き出しが出ると楽だろうな、ということ。だって、「ここで笑うべきなんだろうな」と察知してこわばった笑いをはさむのは結構疲れることだから。
全編が小説仕立てなのがいい。「がががぁ〜」と日頃の思いの丈をブチマケたいところを、手を変え品を変えの小説仕立てにしたところが流石だなと感心してしまうのです。
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技術がすんばらしい。
山田詠美さんは本当に文学を書ける人なのだと思います。たまにしょうもないのもあるけど。
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ほほう、小説家はこういうこと考えて文章作ってるのか・・・。と。前より動詞や文体のことを考えて本読むようになりました。
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言葉についての考察が小説じたてで描かれていて面白かった。日本語を考察することはそのまま日本独自のものの考え方をうきあがらせる。
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言葉あそび?内輪ウケ?自己満足?何のためにこの本が書かれたのか意味が分からない。最初の3編ぐらい読んでギブアップした。
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2009/7/2,3
これも同じく知人の方から譲り受けた本です。
題名で「おおお〜!!」という興奮と期待をあげさせられました。
これは結構おもしろかった。
短編集のようになっているのですが、1つ1つ話がとても独特の世界観を持っており、と同時に誰しも頭のどこかで思っている"人間が使う言語"の不可思議さを改めて実感させられるような物語であってとても面白かった!
駄洒落の話がとっても興味深かったし、興奮しました!
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今まで読んだ山田詠美作品(エッセイ)の中で一番酷かった
「口の増減」と「不治の快楽」だけはまあまあ
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ビジネス上、市場動向や消費者心理を統計数値で語るのと同じように、言葉が持つイメージ、いわゆる概念的なものを活字で表現した本。
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カテゴリ的には随筆なのでしょうか。言葉についての考察を小説風に仕立てた小話という印象。そういう細工をするよりは、素直に読みたかったなあ。この方の言葉づかい大好きだもの。
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私は、行く。イク。ゆく。
表現の仕方って面白いなぁとおもえますよね?
でも動詞の表現より、「私は、」で区切ること自体がなんか珍しい気もする。
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文章が堅く、少々慣れていないと読み辛い感じはしましたが、けっこう面白かったです。
言葉の与える印象、
文体、文学が主体となったお話など。
文学について学んでいる方には、
よいテーマなのではないかと思いました。(私は教育系だったので、あまり詳しくはありませんので、あくまでも主観です)
同じ状況を表現するにも、
擬音を入れると入れないでは、
全然違う印象に。
濡れている文章、
乾いた文章、
それぞれにそれぞれの良さがあり、
文章を書く際の参考になりそうです。
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「私はいく」=「私は恋人と寝床に入り幸福のきわみにまでのぼりつめ涙する」
「いく」という言葉が、快楽の絶頂を表す言葉なのは、この年になればわかるけど、これって不思議だよね。
同じように「死ぬ」という言葉も
ポルノ小説になんかよく使われたりするし、実際使う場合もあるんだろうけど。
日本語の絶頂感は、点であり、刹那的であり、快楽用語に死というイメージを使うのはいかにもであると山田さんは書いています。
日本語は、賢いぞ!
そのほかにも知性とセックスは両立するのか?
ブンタイって一体何なんだろう?
否定形の肯定?
作者独自のものの見方によって、日本語と日本ブンガクの現状について書いたクリティーク小説集。
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基本的に小説がすきなので、こういうのはあまり読まないのですが、軽い感じで読めてよかったです。
山田詠美は日本語のおもしろさを知っているなぁとつくづく思いました。
同じ状態を表現しようとするにも、
どんな言葉を選ぶか、
どんな文体にするのか、
どんな装飾をするのか、
それでまったく別のものになる。
それを知っていていろいろやろうとするから山田詠美が読みたいのかなー。
でもいちばん印象に残ったのは、あとがきの言葉。
私の仲がいい子たちは、男の子や服や映画の趣味はぜんぜん合わないけど、言葉のセンスが似ている。
趣味が合う子なんてひとりもいないけど、
会話の雰囲気が合わない子はいないもんね。
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性と文学が知りたければこの本を読むしかない
特に快楽の動詞,ベッドの創作は考え深い。
そっち知識がついてくると普段使っている会話や言葉の中にもなんとまあ卑猥な別の意味があるのだろうと思うがそれをエッセイとして考察した本なんて他にあるだろうか。
私は前から官能小説と官能的なシーンが多く書かれている純文学の具体的な違いは何なのだろうと思っていたけれどこの本を読んですこし謎が解けたような気がする
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ベッドの上の描写について、真面目に、メタ的に、エッセイ風に、しかも的確に論じていて結構面白かった。
普通に山田さんの小説を読みたい人には合わないかも。