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電子書籍
長編小説
2022/04/13 23:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐野洋さんは短編の名手、といわれているだけあって長編は少ない。そのうちの長編の一冊。出だしから、ドキドキするし、隠ぺい工作から、何から何まですごくリアリティーがあった。かなりの古い小説なのに、読者を惹き付けるのは作者の力
紙の本
30年以上前のミステリーだが、新鮮さは失われず
2005/09/26 08:34
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐野洋の小説は随分読んだが、この轢き逃げは記憶にない。おそらく読んでいるのだろう。車による轢き逃げがそのテーマである。この小説は昭和44年に発表されたもので、巻頭にも当時と現在では種々の社会的な違いがあると断り書きがある。
現在でもテレビのドキュメンタリーでは警察の轢き逃げ捜査班の活躍が特集されたりしている。この当時でも轢き逃げが増加しつつある時代であったようだ。轢き逃げ事件の特徴は、加害者と被害者の間に何の関係もなく、殺人であろうが、傷害であろうが、動機もないところに特徴がある。その分、当然捜査には困難が伴うわけである。
とくに本書では加害者側は不倫関係にある男女が乗っていたために、まず隠蔽が頭に浮かぶのであろう。加害者側、被害者側ともにそれぞれの事情を抱えており、おいそれとは解決しない。
しかし、車の特徴や車種などから加害者が絞られて、その絞った人物を虱潰しに探していくというのが捜査の常道のようだ。そこは今も過去も変わっていない。この小説はそこを丹念に描いていったものだが、時間の経過とともに両者の事情、環境も変わっていく。隠蔽や私情のもつれから新たな殺人事件に至るところは小説的である。
しかし、この小説が35年前に書かれたとは思えないほど新鮮である。台詞のやりとりが、昭和30、40年代の映画を見ているように、いやにそっけなく聞こえる。小津映画を見ていても、台詞が短く、情感のこもらない乾いたものになっている。これが唯一時代を反映している点であろうか。小説を読んでみて往時の映画を想起させるというのも、面白いものだと思う。
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