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大人失格~子供に生まれてスミマセン~ みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー48件

みんなの評価4.0

評価内訳

48 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

シャーペンの芯を刺す天才

2004/09/11 15:42

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:玉木魔奇 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 面白い本には二種類ある。読み終えた後、「ああよかったなぁ」とすぐに余韻に浸るモードへと切り替えられるものと、「ああ、もう終わってしまったのか?」と終わったことを受け入れたくないあまり、ありもしない続きを熱望してしまうものの二種類である。前者は、満足感・充実感という体によさそうな精神状態になるが、後者の場合は違う。欠乏感・虚無感に苛まれる。寂しくなったりもする。

 『大人失格』という本は、まさにこの後者にあたる。何気に手にとり、ページをめくっているうちに、どんどん夢中になり、本を置くことを忘れ、時間も忘れた。しかし、それは永遠に続くものではない。終りがくる。最後の一文字まで読み終えたとき、軽い失恋に似た感情に陥る。本当にいい恋だった、もとい、いい本だった。

 松尾スズキは、劇団「大人計画」の座長であり、演出家である。しかしそんな肩書き以前に、山本直樹も述べるように、彼は「まぬけハンター、素朴ハンター」である。その才能はエッセイを読む限りでも明らかだ。そして、それを表現することに長けているのである。

 しかし、私の印象としては、ハンターであると同時に、松尾は「まぬけカーペンター」という感じである。松尾がまぬけという獲物を捕獲したあと、まぬけを更なるまぬけへと作りあげてしまうのだ。まぬけ色に塗ってしまう、まぬけに仕立ててしまう、そういう才能があると思う。本文中で松尾は、テーブルの上の消しゴムに、折れたシャーペンの芯を突き刺し、消しゴムのまぬけ度を高める作業をしてみる。このシャーペンの芯を突き刺す作業、これぞ松尾の才能である。彼以外の誰が、消しゴムのまぬけさに気づき、そのまぬけさをさらに高めようと、シャーペンの芯を刺すという行為をするというのか。

 まぬけは笑える。その笑いは、シャーペンの芯一つで作りあげられる。たったそれだけのようで、この発想が素人にはそう浮ばない。さらに、このまぬけの力、侮れない。まぬけはあらゆる戦意を喪失させ、その周辺世界へのものすごい破壊力を持っている。松尾の例では、鼻血が取り上げられている。鼻血を出した武将が「いざ出陣」とは言えない。鼻血が止まるまで待つのであろう。鼻血待ち。まぬけである。せっかくの士気も台無しだ。盛り上がったところに、水を差しその周辺空気を一気に壊す。なんたる破壊力。

 この本は松尾が出会った、まぬけな人たちに、さらに彼がシャーペンの芯一本刺してまわるエッセイである。シャーペンの芯一本の破壊力。その破壊力を見抜き、見事にまぬけ度を高めることに関して、やはり松尾は天才である。

 まぬけを作れるという才能。なんともまぬけな才能だ。

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紙の本

摩訶不思議な人々

2002/08/15 16:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ねんねじ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今、エッセイを書いていちばん面白いのは、演劇関係者なのではないかと思う。文筆業の方だと当たり前すぎるし、お笑いの人だといろいろ語られてもかえって興ざめするところがある。
 まず、お金にもならないのに演劇をやって食べていこうと思うだけで、ちょっと普通の人ではないと思う。演劇をやっている友人は、衣装やら劇場代やらでお金が飛ぶようにかかると言いつつ、毎回チケットをただでくれる。どう考えても、これで食べていけるわけがない。
 それを知ってか知らずか、そんな自明の理をものともしない。そんな集団が劇団なのだろう。そんな、摩訶不思議な人が書いたものはやはりちょっと不思議に面白い。

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2004/09/29 17:13

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2006/07/16 16:23

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2005/03/08 14:29

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2007/05/30 15:30

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2006/05/01 12:33

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2006/06/06 04:00

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2006/06/28 00:31

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2006/08/20 00:22

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2006/10/29 00:00

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2006/12/25 04:30

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2007/01/19 22:11

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2010/04/02 01:04

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