紙の本
参考になりました
2017/01/17 14:43
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ダイ大佐 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分も統合失調症を患っているのですが、分かりやすく病気について書かれていて、とても参考になる本でした。
統合失調症は薬物療法だけでは治らない(治りが悪くなる)、効率のみを求める社会が患者の回復を阻害している等、なるほどと思わされる本です。
シャーマンなどの治療でも西洋医学の最新療法を超える回復者がいるなどの、西洋医学を絶対視しない姿勢はとても良い姿勢だと思います。
本人に病識が有り、適切な治療さえ受ければ寛解は難しくはないとの主張や、家族や社会の理解が無いと症状を悪化させることが多々あるとの指摘は、まさにその通りだと思いました。
家族に統合失調症の患者がおられる方や自身が統合失調症だという方に是非読んでもらいたい本です。
紙の本
統合失調症のバイブルになる本
2017/04/25 20:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Buzzlet - この投稿者のレビュー一覧を見る
客観的でかつ当事者に配慮した形で病気の説明してくださり、凄く良い本でした。
自分自身が「統合失調症」を患った事もあるだけに、これだけわかりやすく、詳しく、そして何より「統合失調症」を患った人にしかわからない病気の中身を大きく代弁してくれている本は他にないです。
また、統合失調症の人が社会復帰するために立ちはだかる認知機能障害についての記述もとても詳しく、この本に出会って初めて認知機能障害を学びました。それまでは、自分の力不足とか病前と同じ事ができない自分を責め続けていました。
私としては、この当時から認知機能障害に大きく焦点を当てた書籍はないと思います。
書籍の中では岡田先生のこの本が一番大きく私の背中を支え、そして優しく前に押してくれました。
ありがとうございます。
紙の本
統合失調症の奥深さを学ぶ事ができる一冊。
2017/05/23 12:22
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投稿者:MasaIma - この投稿者のレビュー一覧を見る
つい最近,僕自身が統合失調症を患っているのかも知れないという疑いを感じ始めていて,その疑念と解決方法を知る為に本書を購入しました。
その仕組み,種類,歴史など様々な視点から統合失調症という精神疾患を学ぶ事ができる一冊となっており大変勉強になりました。
単に薬物療法を勧める内容とはなっておらず,薬物療法の問題点なども客観的に記されており特に”環境面での影響”が精神疾患の寛解(治癒)に大きな影響を与えるという内容が非常に参考になりました。
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
周囲にこの病気になった人がいれば親身になって話を聞いたりできるのでしょうけれど、通常は他人事です。難しいですよね。
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最初は簡単でスラスラ読める本だと思ったが、
なかなかどうして手ごわかった。
しかし、統合失調症について自分の知らない情報もあったので
勉強になった。
(例えば、世界のどこでも統合失調症に罹患する割合は
一緒であるという旧来の知見は間違っていることなど。)
読後感もよかったので、読んでよかったなと思う。
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環境が治療には重要であること、
患者のいる世界を理解することが大切であること、
統合失調症では、感情と思考が調和しない状況であるということ、
など、多くの学びを得られました。
統合失調症の方に対するあたたかい視線が感じられて、
とてもいい印象の本でした。
繰り返し、大切に読む一冊になりそうです。
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「だらしない」で片付けられてしまうようなことが、実は統合失調症の症状だったりする。「おかしい」と感じたら認識を変えることが必要かも。
自分としては、統合失調症に踏み込む第一歩としての位置づけ。
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統合失調症(精神分裂病)の歴史、症状などがすべてわかる本。
文章も読みやすく1%程度の確率で発症する病気について、その特徴やメカニズムを理解することができた。
岡田氏の著作は、どれもわかりやすく、まとめ方がうまいと思う。
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時々無性に読みたくなるメンタル系の本。
医師がこれ系の本を書くと、読む人のニーズを考えればそうならざるを得ないのだが、「症状」「対処」「療法」の話になってしまって、どの本も似たり寄ったりになってしまうのだが、この本は統合失調症の歴史や国ごとの発症率、患者のエピソードなど、ノンフィクショナルな要素も入っていて、そのあたりがとても楽しめた。
むしろ治療という観点をまったく除いた、心脳論的な本があれば是非読みたいのにと思うのだが、そのように扱うにはあまりにもナイーブな話題なのだろうなとも思った。
しかし、「統合失調症患者は綺麗な心の持ち主が多く、接していて安らぎを感じる事が多い」という著者の意見は、職業人としての立場を超えた率直さが感じられて、うーむと唸ってしまった。
そして、例えば「犬は猫です」と「前田敦子は可愛い」という2つの発言を僕がしたとして、この命題の客観的妥当性に本当に差があるのだろうか、などとも考えてしまった。
いずれにしてもなかなか楽しめる良い本だと思いました。
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統合失調症の症状、原因、治療法、社会的要因などについてバランス良く書かれている本。症例も豊富でイメージしやすい。
周囲のかかわり方、とくに初期の介入の重要性をあらためて認識。
もうちょっと社会的に認識が広まれば初期介入もしやすくなると思うところ。
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統合失調症について、基本的なことがすべて書かれている。この病気についての本を読むのは初めてだが、この一冊で網羅されている感あり。良書。
この本で一番伝えたかったことは、この病気に立ち向かっていく上で重要なことは、「環境的要因」であること。つまり、患者の周囲の人が理解し、協力すること、人間としての尊厳を大切にして患者に接することといった、周囲環境が予後を大きく左右する。
本の最後にもあった、ゲーム理論でノーベル経済学賞をとった、ジョン・ナッシュの話は壮絶だけど、希望が持てるものだった。
近年では、うつ病に少しずつスポットライトが当てられてきており、精神病への理解が少しずつ進んでいるけど、この本も、統合失調症を理解していく上で、大きな一冊になると思う。
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統合失調症について分かりやすく解説している。筆者が、患者に対して好意的であり、そのことが全体を通して感じられ、安心して読める。一方、本人や周囲の人間の苦しみについてはあまり語られていない。筆者は精神科医なので自分に分からないことは書いていないのだろう。
入門書としてはお勧めだが、対処の役にはあまり立たないかも。
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医療の真ん中には「共感」があったのだ。そんな当たり前の著者の主張に心が震えた。私は本書で人間の心を少し取り戻すことができた。
・慣れ親しみ、安心を与えてくれた日常世界は崩壊し、得体の知れないものに変質している。
・不安障害や気分障害、強迫性障害、社会不安障害などの診断を受けている場合もある。
・統合失調症の症状は、時期によって見え方が違ってくる。プロセス全体を見渡して考えていく必要がある。
・認知機能障害は75%~85%のケースで生じる。
・ワーキングメモリーの低下が先行する。
・完全雇用型の社会では統合失調症の回復率が優れていた。
・土着的な治療法で、一見、非科学的にみえる対応にも、深い知恵が駆使されている。患者の問題という視点を家族や共同体の問題という視点に変えさせる。
・単調な繰り返しを大切にし、そこに喜びが見出せるようになることが大切。進歩や向上を求める人は、人を追い詰める。
・アドヒアランス
・高EE(Expressed Emotion)家族(1.批判的言動、2.敵意、3.情緒的に巻き込まれている)
・クレペリンで12%がブロイラーは60%。
・決まった日課や役割を持つこと。
・知的な認知機能は社会的な機能の改善にはあまり寄与しない。
・症状があるかどうかよりも、それに左右されないことが大事。
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タイトルズバリな内容でした。
専門家による専門的な内容ですが、読んでいて苦にならないのは書き手の思いと上手さがあるからでしょう。統合失調症の歴史の部分が特に面白かったです。
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人口の100人にひとりが罹患するという統合失調症。
世界的に地域差がないため、遺伝性が疑われていたが、最近の研究では、発展途上国のうちでも、裕福な家庭に罹患率が高いことがわかっている。
それだけではなく、発展途上国のほうが先進国よりも入院率が低く、社会復帰も早い。
抗精神病薬が開発は統合失調症の治療において革命を起こしたが、退院を促進しているとまでは言えない。
統合失調症からの回復には社会的資源が必要不可欠なのだ。
発展途上国では、人のつながりが強く、患者を包括的に支えてくれる。
また、発展途上国で行われている祈祷も、科学的根拠はなくても、病気を本人のせいにしないという面では大きな役割を果たしている。
今後、統合失調症の治療は病院から地域へと移って行くが、社会資源の充実なくしてはありえない。
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沖縄は戦後、統合失調症の発症率が全国平均の2倍と言われたこともあったけど。
「医者半分、ユタ半分」は正しい態度なのかもね。