紙の本
「そのまんまのあなたでいいんだよ」と言われたい?
2007/01/30 22:15
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nory - この投稿者のレビュー一覧を見る
これを読んで、みんな自己肯定されたいんだな〜と大きくうなずいてしまった。悩んでいても、「そのままのあなたでいいんだよ」という言葉を求めているんだなと。
それを言うのは簡単だけど、先に進まないというか、何も変わらないというか。
そう言ってもらいたい気持ちはよくわかる。しかし、良薬口に苦しであえて破壊されてしまってもいいのではないか。そこから新しい何かが生まれてくるんじゃないかと。
本来、スピリチュアルな世界というのは、「自分の魂を磨き、まわりの人の幸せのために力を尽くす」というようなことではないかと思うのだが、今では「現世利益」のみ。お金儲けや恋愛成就のためのスピリチュアル。
そんな批判の中、意外と江原啓之氏の手法や主張を認めていたのにはちょっと驚いた。ハマらない派の著者もそこは評価するんだ。
ずいぶん忘れかけてきたオウムとの対比も興味深かった。少し前まで、「オウム前、オウム後」とまで言われていたのだが、あのエリート信者たちが自分探しの果てにたどり着いた場所からずいぶんカジュアルな世界になってしまった。日本は何事もきちんと清算することなく前に進んで行く社会だからなあ。
結局、著者はスピリチュアルがどうのこうのよりも、自分の頭で考えなくなった人たちのことを書いているのだと思う。苦しみを自分の力でひとつずつ乗り越えることより、『軽く、早く、マジカルに』問題を解決してもらいたいという気持ちが、ひとっ飛びにそこに飛びついてしまっているのだと。そして、結局最後は自己肯定で終わるのかな?
紙の本
現世利益を求めるのはアジア人の一般的傾向なのでは。
2007/01/07 16:07
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビで一躍有名になった江原啓之氏が教団を設立したらどうなるだろう、と考えることがある。オウム真理教と同じく盲信する信者、それも女性を中心とする信者で溢れかえるのだろうか。
昨夏、河口湖でのコンサートで江原啓之氏がステージに登場したとき、女性を中心に会場全体がどよめいたのを覚えている。
そして、接近する夕立雲に降られるのを覚悟していたのに雲は会場を避け、厚い雲に覆われていた富士山までもが晴れ渡り、幻想的な背景を醸し出していた。
そこにぱらぱらと落ちてきた小粒の雨。江原氏がいうには「浄化の雨」とのこと。
信じない人にはまさに偶然のものでしかなく、江原氏信奉者であるエハラーにとっては偶然ではなくこの世の穢れを落としてくれる必然の、それも私のためだけの特別な雨とでしか捉えないだろう。
江原氏はテレビにレギュラー出演しているが、さらに多くの本も書いている。
その本の内容の根幹は過去に出版されたものと重複するものであり、真新しいものは無い。にもかかわらず、さまざまな方向から語られる内容はその都度、社会の変化に対応したものであり、付録と称してお札までがついてくることがある。
テレビは無料であり、本にしても高額なものではない。会費を徴収されることもなければ、集会への参加を強要されるわけでもなく、さらには友人知人を勧誘しなければならないというものでもない。現代社会における複雑な人間関係のもつれを解説してくれる事柄はエハラー個々人の悩みであり、個々人への解決策である。
しかしながら、著者も本書の最後に書いているが、江原氏が本当に知って欲しいことや靖国問題について言及したことについて、なんら意見や関心をもたないエハラーが多い。エハラーは自己中心的な現世利益を求めるファンクラブと称されてもいたし方はない。
数年前、ドクターコパの風水や細木氏の六星占術が大いにもてはやされたが、移り気な世間の関心がいまだに続いているとは思えない。
いつしか、エハラーも熱から覚めて江原氏に興味を失っていくのだろうか、それとも江原氏の言葉に気付いてなんらかの新しい動きをするのだろうか。
江原氏が新しい境地を切り開くのか、はたまた氏の理想についていけないエハラーは離れていくのか。一歩、距離をおいて江原氏の周辺をみるのもいいかもしれない。
本書は本質の見えない、心理学者の表層分析書という感じであり、だからいったい何を言いたのだというのが正直な感想だったが、客観的に江原氏を見詰めるにはよい冷却材になると思える。
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スピリチュアルを堂々とマスコミで流し、所謂知識人までこれに乗っかってるわけだが、この本を読んで特に何かが判ったような気にはならなかった。結局はただのマスコットでしかないと言うことなのか?
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なぜ既成宗教ではだめなのか?
p172
ここまで、人々がスピリチュアルに求めるものの本質は、「私」という存在に対する全面的肯定であり、「いまの自分の明るい気分」ではないか、という話をしてきた。
では、それは既存の宗教ではだめなのだろうか。
p173
その最大の理由は、宗教は自分だけを救うものではないから、といううことにあるのではないだろうか。
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論点、視点が浅いのは新書だから仕方ないとして、切込口も新鮮なものはなかった。イマイチ。読まなくてOK。お金と時間の無駄だった。
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★納得するが遠慮だらけ★「ハマらない」著者がスピリチュアルブームを分析した。もうかる、もてる、といった徹底的な現世利益が中心。内向きで自己責任論に達するが、反省するのではなく「それでいいんですよ」と肯定を求める。横のつながりはなくトップと自分が直結、世の中など他人への関心は薄い(セカチューと同じか)。科学的な根拠は薄くとも、「脳トレ」ゲームのように、信じて幸せになれるならそれでいい。こうした特徴は納得できるが、現在のブームに遠慮してか、本来は批判したいであろう江原氏などをそこそこ持ち上げているのが屈折している。読者層はだれを想定しているのだろう。信奉派は読まないだろうし、私のような懐疑派には中途半端で、足の置き場が難しい本だ。なお表題にだまされるが「ハマる人、ハマらない人」の違いには触れていない。
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「二者択一思考は世界の流れ」っていうのは、中二病を発祥していますね。
読めば読むほど違和感を感じます。考えてみると、作者は似非科学から抜け出せないのかも知れない。科学的に考えれば、存在否定の証明(いわゆる悪魔の証明)がなされない限り、存在しないことにはなりません。
無理やり否定しようとして、ロジックがおかしくなっているように感じます。
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なぜ、こんなにも、今、スピリチュアルが流行っているのか。江原さんの存在だって、私からすれば、かなり、胡散臭いとは思うのだが、現代人たちは、スピリチュアルに何を求めているのだろうか?本当に、信じているのだろうか?たぶん、心のどこかでは、騙されてもいいかなと思いつつ、だけども、癒されたい、病気や死の恐怖を少しでも和らげたいという気持ちがあるのだろう。
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精神科医である香山リカ氏によるスピリチュアルをめぐる現代の心象風景描写。ハマらない人が読む本です。ハマる人は読む必要はないだろうし、読むと愉快ではいられないでしょう。図書館予約数は10(07/09/05現在)です。
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(2008/3/10読了)スピリチュアルを単に「非科学的」と断じるのではなく、何故これにハマるのかの心理を考察する書。スピリチュアルが既存宗教と違うのは、皆の幸せ、社会全体の幸せには関心がなくひたすらに「私の幸せ」を追求する点とある。そして、「オウムのような反社会的な実害がなく、精神安定剤として機能してそれで幸せになれるなら、別に科学の裏づけなんか無くたって問題ないじゃーん」という風潮があると。
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さっくり読めた香山本。私はスピリチュアルにハマらない人だと思いました!面白かったけれど、所々で??って思うところも多々。こじつけ過ぎなのもねーと感じた。
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私はハマらない人なのでそのような目線で読んでいたが、
著者はそれ以上にハマらない人間のようで、言いすぎかなと思うところもあった。
宗教とスピリチュアルの関係がなんとなくわかるようなわからないような。
確かに10年以上前であれば、スピリチュアルは流行らなかっただろう。
最近の傾向として、自己愛の強化が書かれていたが、確かに!と思うところもあった。
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私は後者です
圧倒的に後者の立場です
だからこの本を手にとって読んだのでしょう
オーラとか
前世とか
来世とか
うんぬんかんぬん
信じません
目に見えるものしかなかなか信じない私は
今この世の中のマイノリティなのかしら
だってよくパワーストーンとか手首につけてる人よく見るもの
この本によると
ハマる人というのは
「大切なのは真偽ではない。
それが自分に望ましい心理的影響を与えるかどうかが大事なのだ」と。
つまり
スピリチュアルな助言は
たとえ真偽はどうであれ自分の心が豊かになり、いい影響を受けるならば
それでいいじゃない
ということ。
ま、
それを言ってしまえばすべて終わりなんですけどね
なんだって
自分の心にいい影響力を与えるものならばいいじゃないと。
だったら麻薬でもたばこでもなんでもいいじゃないかと
そういう結論になりますよ。
ちなみに
筆者の香山氏はもちろん後者の意見寄り
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相変わらず冷静で面白い
専門家なのに、普通の世の女性が
思っていることを
冷静に淡々と語っているように見える。
(女性だけじゃなく男性も思っているかも)
読みやすい。
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【目的】
スピリチュアルにはまる人だと思うので、そうでない人とどこが異なるのかを知りたい
【引用】
【感じたこと】
自分のオーラ、適職にのみ関心があり、社会に目が向いていない時代の背景があるからこそのスピリチュアルに傾倒するという展開は納得。関心が内向きか外向きかでだいぶ人生は異なるのだろう。
【学んだこと】
スピリチュアルはほどほどにしないと、現実的な生き方ができなくなる。