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孤児という運命に翻弄される少女を描いた名作
2020/12/23 23:06
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投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
孤児として生まれた飛鳥が、引き取り手の本岡家を飛び出し、祐也に拾われ成長してゆく物語。殺人事件の犯人は誰か、という興味は最後まで続くが、ミステリ要素はそれほど多くなかったです。むしろ、孤児という運命に抗おうとして翻弄される飛鳥の生き方と、それを優しく見守るまわりの人々との交流を描いた点が魅力であると思います。祐也や史朗や友人の順子、姉みたいな厚子など良い人々に恵まれ、飛鳥はそういう意味では幸運でした。しかし、自らの「孤児」という運命と本岡家への憎しみの運命からは逃れられず、たびたび不安定になったりします。そういうドラマをしっかり書き上げた名作だと思います。
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20年ぶりにハードカバーで読みました。
作者あとがきや年譜もついていて嬉しいです。やっぱり何十年たっても、読み出したとたんにこの世界に引き込まれます。
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復刊されたんですね。手に入らなくて苦労された方も多いはず。
味戸ケイコさんの表紙が書き下ろしということでほしいなー。
未発表の草稿もあるらしいです。たとえ1頁でも佐々木さんの書いたものが新しく読めるなんてうれしいです。
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シリーズ復刊第一弾です。佐々木丸美さんの本は何度も読み返しているので、すっかりくたびれてしまいました。年季の入ったそれもいいですが、綺麗な単行本が手に入るのはうれしいです。
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---裏切りがあるから信じ、崩れるから積むのでしょう、溶けるから降るように。
心にじんと染みてきた言葉でした。響きの流れが美しい言葉でもあります。
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06年マイベスト7位。
孤児の飛鳥は、青年祐也に助けられ彼の元で育てられる。祐也への愛を密かに募らせていく飛鳥だったが、殺人事件が起こり…。北海道を舞台にしたミステリーとしても恋愛小説としても楽しめる作品。
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孤児の飛鳥の、愛の形。
切ないほどの人を想う心、自分の足で立とうとする飛鳥の願いは痛いほど。
舞台が自分の住んでる街なので、雪の光景などありありと分かるのも素敵でした。
ただ、どうしても会話の不自然さが気になる…。
小説の地の文そのままのような、理路整然とした言葉で話す登場人物には
人間らしさをあまり感じられませんでした。
ストーリーや情景は好きなのだけど。
あと、味戸ケイコさんの絵は大好き。
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思春期に読んでましたシリーズ。
代表で雪の断章を置いておきますが、個人的には館シリーズの方が印象に残ってます。
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所蔵は講談社文庫なのですが、2008年に復刊されたこちらをアップ。
この『雪の断章』から始まり、『わすれな草』『花嫁人形』と
企業のお家騒動に巻き込まれた3人の従姉妹の愛の物語です。
そんな中でこの作品は、3部作の最初の小説としても読める
けれども、ひとつの独立して完結している小説として成立
している気がする。それは企業のお家騒動についてほとんど
触れられていないし、二人の従姉妹については全く触れられて
いないから。
それでも他の2作品を読むと、主人公の飛鳥の愛する滝杷青年
の存在が、全く違った角度でみられるところがおもしろい。
手元にある本はもう18年、繰り返し読んでぼろぼろだけれど
きっとこれからも所蔵しつづけるだろうと思う。
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けなげな主人公の頂点ですね。
小学生低学年あたりから引き取って育ててくれた親代わりの青年(当時。今は何才だろう…30後半?)に恋をした主人公が、隠して押し込め通してきた想いについて「私はあなたに育ててもらいました。だから言えません」と言う場面がものすごく好き。
でも好きなのはその青年の親友だったりするマガリです。
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『雪の断章』は大学時代の友人だったSさんに借りたんだっけ。
このSさんは、その当人がもう『雪の断章』に出てきそうな儚げな雰囲気なのね。抜けるように白い肌を持ち、色素の薄い茶色の瞳をいつも潤ませているという顔面のお人でした。しかも背が145cmぐらいしかないの。どこの萌えキャラだよお前ぇ。うーん、思い返すとキャラとしては萌えるなぁ。
で、そんな彼女のお悩みはその儚げな外見に惹かれて、街灯に群がる虫のように純朴な男どもが寄って来ることで、「友達と思っていた人がみんな告白してくる…」なんてよく潤んだ瞳で相談されたものでしたが、私は心の中では「それは君の顔が悪い!」とか思ってました。ゴメンナサイ。
ちなみに私は彼女に会う前に別の人を好きになっていたので、Sさんにとっては珍しく無害な男だったようです。私の方の浮いた話は早々のうちに木端微塵に砕け散りSさんとの近しい関係だけは残ったのですが(ゼミも一緒だったし)、もうその頃には彼女との友情は恋愛によって失うリスクを背負うには対価の合わないものに育っていたので、私は自分に何の変化ももたらさずに卒業による別れを迎えたのでした。
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孤児である主人公が養女にと出された先でこき使われ
反抗し、自力で保護者を捕まえる話…でしょうか?w
あまりのこき使われ方に、リアリティがないな^と読んでいたのですが
ふと思い当たって発行日を見てみたら55年…。
この時期ならば、この状態は当然かもしれません。
最初に貰われた先の姉の方が殺され、その容疑が主人公に。
それを忘れたかのように日常は進みますが
ふとした時にひょっこりと話が顔を出してきます。
犯人は誰なのか。
周囲の偏見と確執と友情は?
そんな風に進んでいくのですが、文章が説明文のようで
正しい事を言っているけれど、それはちょっと…と思うような所も多々。
淡々とした説明文が苦手な場合、お薦めできない文章です。
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雪降る札幌で青年・祐也と出会った天涯孤独の少女・飛鳥。二人の運命と苦しいほどの愛を描いた珠玉の名作。<Amazonより>
絶版となった作品が多く、伝説となっていた作家のデビュー作。復刊ドットコムでの多くの復刊リクエストを受けて、佐々木丸美コレクション全18巻が復刊。大変喜ばしい。
天涯孤独の飛鳥は、5歳で裕也に出会い7歳から20歳になる今まで育てられた。裕也と飛鳥の2人の運命と愛の物語・・・って、これは桜庭一樹の「私の男」だー。Amazonとかで、あわせて買いたいリストとかに載ってそうな、と思ったら載ってなかった。著者が、幻想的な作風の佐々木丸美なので、「私の男」のように、すえたような臭いはなくあくまでロマンチックに描かれているけど、裕也は淳悟であり、飛鳥は花である。一途に突っ込んではまっていく飛鳥の愛と、飛鳥の愛を知りながら焦らす裕也の愛が繰り広げられ、たまにこれはなんのプレイかと思われるような会話。飛鳥の成長と繊細な心の動きも描かれているので、ただの曲がった愛の物語だけではないのですが。しかしなんだか、少女ロマンス全開な小説でした。
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むかし、学生の頃読んだ本。
その時は行間とか読めなくてなんかもどかしく思った。
今おとなになって読み返してみて
行間を読めるようになったのかといえば…
どうなのかなぁ?
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なんだか難しい文体に、じっとりと心情が描かれてます。
けっこう重いのだけど、勢いで読んでしまう一冊。