投稿元:
レビューを見る
主に文学の面を中心に大正時代の日本を考えている。明治天皇という象徴的な存在、また維新を支えた元勲などが歴史舞台から退いたその時代を文学による精神のありかたで探ってみている。
投稿元:
レビューを見る
本書は、「大正」という日本の歴史のなかでもあまり目立たない時代を取り上げて、どういう時代であったのかを目に見える形で読者に語りかけている書だと思った。
乃木大将の殉死を時代を象徴する出来事として舞台回しに使って、当時の若者たちの様子と時代の雰囲気を表す表現はそれなりにりに理解できたが、あまり興味をひかない。
「時代というものは、独特の空気を持っており、一つの時代が過ぎ去ってしまうとその空気もなくなってしまってわからなくなる」と語っていたのは、司馬遼太郎だっただろうか。
本書は「大正時代」の若者文化やデモクラシー、文芸等を駆使して時代の空気を本書のなかにつくりあげようとしているのはわかるが、あまり成功してはいないと感じた。
著者は、とくに「文芸」についての知識と考察は詳細で深いところもあるとは思ったが、それでも「大正」という時代の地味さは覆い隠すことはできずに、いまひとつ興味を引かないとも感じた。時代の切り口を間違えた残念な本であると思う。
投稿元:
レビューを見る
平成は大正時代と似ている。ということを、当時の世相や若者の性質から説いている。主に夏目漱石を初めとした明治から大正にかけての文壇や登場人物と、乃木希典の自殺に伴う乃木家再興を題材にしている。
本書における視点はほぼ上記2点のみなので、この書をもって、平成と大正が似ていると断ずる(推測する)には材料不足で、あくまでも似ている一面があるというしかない。
平成と大正は調べれば類似点はいくらでもありそうだが、もう少し俯瞰的な書を読むべきと思う。
投稿元:
レビューを見る
今注目されている「大正」という時代がどんな時代で、どんな文化で、どういう精神の在り方であったかを学ぶために図書館で借りたものの難しく、ほとんどの例え話が夏目漱石の『それから』と言う作品で成り立っていたため、『それから』を知らない自分にとってはよく分からなかったです