紙の本
最終決戦!そして…
2015/09/14 11:29
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京湾に浮かぶ無人島・猿島を占拠し、東京湾には巡航ミサイルを搭載した改造タンカーを、宇宙に展開した衛星にはアテスミサイルを配備して、独立戦争を起こした大革命部帝国皇帝の春日恒太と、その家臣である羽月莉音、羽月巳継、折原沙織、泉堂柚。
まずは猿島の領有権を主張する日本政府の自衛隊戦力の大部分を、一瞬にして無力化させる。だがその背後に控えるのは、当然のことながら世界最強のアメリカ軍と、彼らが主導する国連多国籍軍の存在があった。
革命部の起こした戦争を好機として、自らの世界戦略の中に取り込もうとする強かさを見せるアメリカ政府の作戦の前に、革命部は絶体絶命のピンチへと追い込まれていくのだが…。果たして彼らの革命の理想は世界に爪痕を残すことが出来るのか?
首都東京の目と鼻の先で巻き起こる戦争は、まさに大衆の好みそうな劇場型の戦争となった。有利不利を問わず戦況がありのまま映像として世界に配信されることで、日本が防衛力を失ったという事実を、これ以上ないくらい明確な形で、弄することなく各国政府は入手することが出来てしまった。シギントやヒューミントに鎬を削る情報機関の存在意義が無くなっちゃう…。これが世界を巻き込んだ戦争だから良かったけれど、そうじゃなければ日本は次の大戦の中心地になっていただろうな。
ビスマルクは「愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ」と言ったそうだが、これを「自分一人が反映するだけなら自分だけで出来るが、あまねく人々を救おうと思えば誰かに引き継がねばならない」と解釈してみればどうだろうか。
資本主義を一言で言えば、富が富を呼ぶ思想と言えよう。富を集める方法を思いつきさえすれば、その中で上位を占めることは誰にでも可能な思想だ。ここで必要なのは、自分の知識と経験だ。しかしこの思想は、それがない大多数から富をかき集める思想でもある。かき集める富がなくなれば破綻するしかない。
この破綻が目前に迫った時、自分だけでなく大多数も助けようとすれば、システムから変革をするしかない。しかし、そのシステムを維持しようとする勢力も当然存在する訳で、そこに引き起こされるのは戦争だ。
変革が間近に迫った時、仮に変革ののちに心の平穏があるのだとしても、つい目の前の仮初の平穏に縋りつきたくなる。そこで、ファーストインパクトに働くのは拒否反応だ。だが、その通過儀礼を過ぎてしまえば、感覚がマヒして受け入れられるようになってしまうのも大衆心理と言えるのかもしれない。
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全15巻予定が全10巻に変更ということでかなり不安だったんですが、思っていたより綺麗に終わりました。
気になったところは、
終盤に秘密結社や世界の富豪達の行動がほぼなかったところでしょうか。
ここらへんはたぶんカットされたんでしょうね。
とはいえ十分楽しく読ませてもらいました。
次は雷撃☆SSガール読んでみようと思います。
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これにてシリーズ完結。
見事に書き上げてくれた作者様に感謝。
うん、良かった、良かった。
細かいところは日が経ってからね。
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全巻読破。
元々の構想だとヨーロッパと中東がらみでもう1~2つぐらいあったらしいんですが、それを削って10巻。
正直、9巻を読んだ時に「あとはどう落とすか」しか興味がなかったので、この一冊を以て「面白いよ」とは薦められない。あと、オチも微妙だったかな?
他の方も書いてらしたけど、あの富豪達が達観視しちゃったってのもマイナスポイントかなぁ。どうせなら離合集散してどことどこが組んでるかわからないぐらいまでやってほしかったなぁと。至道先生としては、「あれだけ世界がぐちゃぐちゃになっても大富豪は達観視できる」ということなのだと思うけど、その割に複線貼りすぎたのではないかと。
じゃあ、なぜ☆5かというと、10巻で完結のご祝儀と言うのもあるけど全体としては評価してるから。市場経済のダイナミズムを感じられる作品だと思います。
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いい加減恒太の中二病キャラがうっとおしく、他のキャラは
完全に食われていた印象。
ラブコメ的な路線における決着がなく、
あくまで革命や帝国、それから世界がどうなったか?というところのみが
描写されていたのはちょっと残念。
そういう意味で、今巻のメインキャラは首相で御座いましょう。
いい役もらったなーと思います。
ところで、作中の描写に「軌道上の核爆発で人工衛星全滅」というのがあるのですが、これどうなんだろう。
EMP攻撃が全世界で発生したらあれどころじゃ済まないだろうし、
そうでなければ広い宇宙空間、どうやったら「衛星全滅」とかできるんけぇ・・?という。 まぁ、やっぱり野暮だな。
話になる。
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面白かった!
ラノベの範疇に収めておくには勿体無い名作だと思う。
いろいろとハチャメチャえではあるが、グローバルな経済の仕組みを概略だけでもわかりやすく理解させてくれつつ物語としても面白いという異色の作品であると思う。
9巻10巻は特にそうかな。
とりあえず3巻程まで読んで気に入ったらすべて買って申し分なしです。
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堂々完結!!
…つーか、
2010年2月に1巻発売で、
2012年2月に10巻完結とか…
しかも薄いわけじゃないし、
内容も時事ネタ絡めつつ濃厚。
さらに言えばこの人他でも書いてんだぜ?w
まじパねえな至道流星…。
そのペンネームに偽り無し。
変化球の王道ながら、見事な完結でした…!!
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最後の最後で肩透かしを食らった気分。このシリーズは革命後の新世界を描いてこそ、その本懐を遂げるのだと思うけど、それが曖昧なままじゃ失敗なんじゃないかと思う。電撃SSガールで見れなかったものを見たかったし、このシリーズを追っかけていたのは未知なる世界を覗きたかったという気持ちが大きかったからこそ残念な気分。
それでも一企業が一大国に経済戦争を仕掛ける等後半からの圧倒的なエンターテイメントがあったのは確か。
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堂々完結.
電撃作戦で日本へのミサイル攻撃.
そしてアメリカとのミサイルの撃ちあい.
連合軍なんか編成されたらどう考えても勝ち目がないから
日本と,ラスボスであるアメリカを倒すことで終わらせようという作戦で.
そして大革命部帝国の終焉.
いやー,このシリーズ面白かったわー.
激安オンボロ一軒家から始まって
実力と仲間と舌先三寸と運と縁と
その他もろもろを使って建国宣言をして
世界に革命を起こしたとか.
ちょっとは「世界の支配構造を変革できた」んじゃないかな.
経済を破壊して構築したり.
革命の魂は永遠に――。