紙の本
人を形作るもの
2015/08/28 13:22
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
日月真夜は気がつくと病院のベッドにいた。自分の名前以外は、家族のことも、友達のことも、何も覚えていない。彼女はある事故に巻き込まれ、その影響で健忘になったらしい。怪我自体は大したことがなかったので、直ぐに自分の家だという場所に帰された。しかし、溌剌とした母親が出迎えてくれる一方で、父親とは会話が弾まない。それに、自分の嗜好が変わっているような気がする。
自分の記憶を探るため、自室のPCを調べていると、そこには日記と、一枚の少年の写真があった。その少年の名は一二三慎司。彼女の幼なじみで、彼女は彼のことが好きだったらしい。
その8年前、彼らは小学生だった。幼稚園の頃、英会話の塾で、一二三慎司は日月真夜と日月まひるという双子に出会う。初めて双子という存在に接し、ファーストコンタクトは大失敗だったものの、家が近所ということもあって、同じ小学校に通い、同じ中学校に通い、親交を深めてきた。しかし長じるに従って、その関係は自然と変化していく。
エピローグはガガが文庫っぽい作品なのだが、全体の雰囲気はメディアワークス文庫に近いかもしれない。つまり少し一般文芸よりの、人と人の関係を描いたような作品だ。時系列がバラバラに崩され、彼女たちの関係がよく分からぬままにエピソードを埋め込まれ、彼女たちの人となりを知っていき、ついにはその関係が変化するポイントにたどり着く。そうして一段落したと思った後に、もう一度ひっくり返されるのだ。その落ちの付け方は、野崎まど「[映]アムリタ」などに似ているかもしれない。
正直言ってハッピーエンドとは言えないし、個人的には今後10年間くらいかけて主人公が壊れていく様子を描いた方が面白いのではないかと思ったりもする。そんな感じの作品だ。双子と記憶と人格がキーワードと言えるだろう。その点では、小泉陽一朗「ブレイク君コア」にも似ている気がする。
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男+双子の姉妹という三角関係の話。
優しさはゆっくりと人を傷つける。そんな少しもの悲しい話。ラノベとして出版された本だけど、少し内容は重いかな。
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なんだろ…読みづらかった。あと途中でオチが分かってそっからあぁ…って感じ。数年後に読んだら多分ちゃんと読めるのかもしれない。
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読んでいて真相にはすぐ気付くけれど、その真相が辛くて、でも逃げられなくて。
どう終わるんだろうと思いながら読み進めていたけど、最後の最後は「ひどい」と思った。そうなるか。そっちに転ぶか。もうどこへもいけない。
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恐らくミステリ好きにはこのトリックは最初の50ページくらい読めば分かってしまいます(笑) が!自分はプロローグで一気に惹かれ、トリックにも気付かないままラストまで行った幸せないタイプだったので純粋に語りますが、世界観を破壊する話だと思いました。過去を肯定するか、否定するかではなく、破壊して未来へと進むお話。それが問題作たる所以でしょう。文章の表現もとても綺麗だし、読みやすい。ガガガらしいラノベらしくないラノベらしさが出ていて、読んで損はないラノベだと思いました。
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ひたすら淡々とした、あっさりとした描写で進められる物語世界に待ち受けていたのは、何とも背中が寒くなってしまうようなものでした。異なる3つの時間軸が入り乱れることで、物語世界の全容がつかめぬまま、読み進めていました。勘のいい人なら、途中でオチに気づいてしまいそうですが、それであってもこちらに幸せについて問いかけるようなラストに心が乱されるようでした。彼女はそうであることを選んだけれども。彼はそうであることを選んだけども。せめて、世界の終わりで彼らが逃げないで向かい合うことがあることを祈りたいです。
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http://sgk.me/vIGh5t 双子の姉妹、まひると真夜。幼なじみの少年、慎司。
それぞれに恋心を抱きながら育ち、やがて高校生となったある日、真夜は事故により記憶を失い、日常がゆるやかに崩壊をはじめる。
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何とも言えないラストだったなと思います。
スッキリ終わるお話が好きなので、
消化不良と言いますか。
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展開はかなり早くに読めるが、最後に一捻り待っていて、好みではないが興味深かった。
語りの軽さと物語の低調音の重さのギャップが私には面白かったがダメな人にはダメだろう。
少なくとも著者の他の作品が読みたくなる程度にはじゅうぶんおもしろかった。
余談だが登場人物の名前からすると、この人は金沢市出身なのだろうか? それとも毎回適当な場所から名前を拾う習癖なのかしら?
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キーワードは「記憶喪失」「三角関係」「双子」「不自然」。一般小説でもいける内容だと思う。喪失感のある、この感じは好き。グッドエンドで終わらないところも好みです。読む人は選ぶかもしれないけど、良作の部類に入っていいと思う。
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双子と友達以上恋人未満な関係でモニョモニョしてたら
双子の片割れが事故で記憶喪失に.
そんな感じの恋話.
サブタイトルは日付で統一.
そして話が行ったり来たり.
この手法ってば苦手なんだよなぁ….
本の前から後ろに時間が経過して行ってくれないと.
途中で「あっちがああなってたときこっちではこんなことが」
って流れならそれほどキライじゃないんだけとも.
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ライトノベルを超える!と某所でみかけて期待しすぎたみたい。
軽く読めます。まぁ、オチはわかりやすいというか。それ以外に考えようがないというか。
オバちゃん世代は逆タッチじゃん、と思いました。