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父と暮せば みんなのレビュー

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みんなのレビュー72件

みんなの評価4.4

評価内訳

72 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

幕はおりたが-追悼・井上ひさし

2010/04/13 08:47

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 劇作家、作家の井上ひさしさんが亡くなった。
 どのような文豪であれ、やがては命がつき、作品だけが永遠の生命をもつのだが、井上さんの場合、まだまだ趣向をこらした新しい作品がでてくるものとばかり思っていただけに、フイであった。
 突然、幕が下りた。

 一時期井上さんの戯曲を何作も読みつづけたことがある。『きらめく星座』、『泣き虫なまいき石川啄木』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『人間合格』・・・。
 本物の舞台を観ないまま戯曲だけで語ることは井上さんも望まなかっただろうが、(この『父と暮らせば』のあとがきに井上さんは「劇場の機知」という短文を掲載している。そのなかで、「舞台でしかつくることのできない空間や時間」にいかに苦心していたかを書いている。この『父と暮らせば』は登場人物たちの広島弁がとても魅力なのだが、井上さんがこの作品で悩んだのはそれよりも主人公の娘の分身としての父親であったという)それでも井上戯曲はおかしく、切なく、それでいて明るい言葉の空間を読む者にさし示してくれた。

 井上ひさしという作家を後世の人たちがどのように評価するのかわからないが、この作品に寄り添って書けば、「人間のかなしいかったこと、たのしいかったこと、それを伝えるんが」仕事だった人だったのではないか。
 本作はヒロシマの原爆がもたらした悲しみを戯曲にしたものだが、「あの地獄を知っていながら、「知らないふり」することは、なににもまして罪深いことだと考えるから書くのである」と書いた井上さんは、小説や戯曲を通して、「伝える」ことをなりわいとした言霊のような人であった。

 井上ひさしという人の幕はおりたが、きっといつかふたたび誰かが「伝える」ために幕をあげる。
 そのことを井上さんは楽しみにしているだろう。

 合掌。

 ◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。

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紙の本

お父さん、次はこれ読んで。

2007/07/08 11:53

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トマト館 - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近父が本を読み始めた。感動するものが好きらしい。「次はどんな本を読もうかな?」と今度聞かれたら、この本をすすめようとおもう。
この本にでてくる父を見ていると、お父さんにすごく会いたくなったから。お父さんにこの主人公のようにありがとうを言いたくなったから。私の父も、じゃんけんでわざと負けようとする父だと思う。こんな別れは、本当に二度とあってはいけない。著者井上ひさしは、昨今の日本語ブーム以前から、「国語元年」などで言葉に対する意識が高かったためか、広島弁もすごくナチュラル。文句なしの悲しさと、父の優しさがあります。

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紙の本

戯曲というジャンルを読んだことがなければ,ぜひ。

2018/11/02 01:17

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

井上ひさしさんのお薦め作品の一つである。
戯曲が初めての人にとっても、取っ掛かりとしたら
最高ランクの面白さだ。

「父と暮らせば」は,氏の晩年の代表的作品。
ヨーロッパでも翻訳され,好評を博したようだ。
まあ,井上さんのファンとしたら,だから箔がついているなんて
思われるのは釈然としないが。

1ページ目から,ガツンと来る。芝居を見ているようだ。
「おとったーん」の声が耳に響く。
舞台は広島。幽霊のお父さんと,娘のやり取りを描く。
娘の恋心,思いを寄せる人との触れ合い,そして原爆。

初期の作品と比べると,目を見張る表現力であるが,
天才にしても題材を持て余している感がぬぐえず,
あらためて原爆の恐ろしさが肌に染みる。
著者も,原爆シリーズの第一作であり,完結はまだまだと
記していた。シリーズ未完のまま逝去されてしまったのが残念だ。

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紙の本

おとったん、ありがとありました

2002/07/10 21:37

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まゆげ - この投稿者のレビュー一覧を見る

終戦後の広島、図書館で働く美津江。一人ぼっちの娘を心配して、死んでしまったおとったんは、今も美津江を助けに出て来てくれます。
原爆で、目の前で死んでいったおとったんを助けられなかったことを悔やみ、親友より自分が死ぬべきだったと思いこんで、息を殺して生きる美津江の前にやってきた恋。おとったんは幸せになれと応援するのですが、美津江には幸せになることに躊躇い素直になることが出来ません。
戯曲です。
戦争による癒えない傷という、こんなにも重いテーマを軽快にさせているのは広島弁のおかげです。悲しいのに可笑しくって救われます。

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紙の本

広島弁

2002/07/28 03:11

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みっつ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ピカを浴びて自分だけ生き延びてしまったことを理由に、自分だけ幸せになってはいけないとおもう美津江とそれを励ます父親の竹造との会話ですすむ戯曲。
 広島の原爆の悲劇を、生々しく伝えるというよりも、そこに取り残された一人の娘の葛藤がえがかれている。父親の暖かさと広島弁がこの広島のあまりにもかなしい出来事を素直に伝えてくれていると思う。
 今年も8月15日がもうすぐやってくる。こういった本によって、伝えていかなければならないとまた思わされた。

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紙の本

地獄を再び再現しないためにするべきことは明らかだ

2006/04/01 17:59

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 昨年11月義父が亡くなった。ガンだった。死ぬまで苦しみ続けた。最後には家族を認知することも出来ずにただ苦しみながら死んでいった。
 私も妻も長崎県生まれ。義父は直接被爆はしていないが、原爆が落とされた数日後、長崎市へ被爆者の死体処理に動員された。義父から聞いた地獄さながらの状況は今も忘れなれない。その原爆をテーマにした本作品が、劇、映画として人々に理解されたことが嬉しい。
 「前口上」に「おそらく私の一生は、ヒロシマとナガサキとを書きおえたときに終わるだろう。この作品はそのシリーズの第一作である」とある。文字通り、引き続く作品に期待したい。
 被爆者の苦しみはいまだに続いている。このことを絶対に忘れてはならない。著者の視点にはこのことが刻まれているし、核兵器廃絶を人類の緊急課題だとの思いがこもっている。
 本作品にも記されているが、アメリカは原爆被害の惨状を公表することさえ禁止した。医者が原爆症の治療のために研究しようとすることさえ許さなかった。苦しみながら死んでいく人は今も続いているし、その原因となった核兵器がいまだに開発されている。とんでもないことだ。
 さて、本作品の主人公は、ヒロシマの被爆者の女性。原爆で父を亡くし、友をなくし、自分だけが生きていることにさえ苦しんでいる。そんな主人公が恋をする。
 地獄の中で「死んだ者」と「生きている者」との葛藤が見事に描かれる。「生きている者」は「死んだ者」に申し訳ないと思う。しかし、「死んだ者」は「生きている者」に生き続けて欲しいと願う。その死をはさんだ葛藤が最初から最後まで語られている。
 生き残った者が、死んだ者の分までも生き続けろというメッセージが込められている。「生」と理不尽な「死」。理不尽な「死」は生残った者の責任ではない。生き続けることが「死んだ者」の願いなんだ。そんな思いが伝わってくる。
 林京子などが被爆者の「生」について小説にしているが、そこに共通する想いが貫かれている。いまなぜ、原爆をテーマにした作品が書き続けられるのか、そこを読み取って欲しい。

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2004/10/06 13:47

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2004/11/20 21:41

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2006/08/02 00:41

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2006/08/31 02:42

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2006/12/16 15:06

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2008/08/14 13:28

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2010/02/14 12:12

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2009/08/12 17:09

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2010/01/14 11:12

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