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紙の本
伝説の世界と史実との関係は永遠の謎なのであろうか
2007/03/11 21:32
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
八木荘司の筆になる古事記と日本書紀を史料として、日本の建国の時代を描いた書である。といってもそれ以外のまとまった史料はないのだが。この時代は史料がないせいもあってか、神話の時代という印象が強い。しかし、何の根拠もなくおとぎ話のような書があるとは考えにくいというのが八木の主張である。
卑弥呼の邪馬台国は魏志倭人伝に有名である。国の所在地については論争がいまだに絶えない。この卑弥呼は所謂倭国の連合王国の盟主でもあったが、倭国は小さな国々の集合体であった。ところが日向国に勃興した磐余彦尊(いわれひこのみこと)は、大和に遠征する。その途中では小国を次々に従えて行く。
大和に到着すると、堂々と争いを仕掛け、終には卑弥呼の連合王国を平らげてしまうのである。この磐余彦尊が神武天皇である。神武の東征がそれであった。こうして現在の天皇家の先祖が天下を平定した。
これで卑弥呼の連合王国と大和朝廷のつながりが理解できてくる。卑弥呼の死後、その後継者がどうであったかも八木は本書で示している。なかなか興味深い点である。連合王国にも後継者難による大乱が発生しているようである。
大和を制した朝廷は、全国制覇に乗り出す。吉備と出雲を押さえた後は、いよいよ九州の平定である。熊襲との戦いになるわけであるが、日本書紀には景行天皇自らの討伐が書かれているが、これについては学界は認めていないようだ。
この景行天皇の皇子が日本武尊(ヤマトタケル)ということになる。この日本武尊は景行天皇の命でこの後、蝦夷征伐に赴く途中で海難に遭遇して若くして死したとされている。この辺りになると、読んでいてもベールに包まれているような様子で、イメージが湧かない。まさに伝説の世界に迷い込んだが如くである。
しかし、本書によって倭国の成り立ちがおぼろげながら理解できるが、同時に伝説風の物語が史実なのかどうかは、確かめようがないほど古い時代であることを印象付けられたのである。
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