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反戦軍事学 みんなのレビュー

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みんなのレビュー12件

みんなの評価3.0

評価内訳

12 件中 1 件~ 12 件を表示

紙の本

現代軍事学の視点から、「日本核武装論」「憲法九条改正」の問題点を鋭く衝く!

2007/01/09 21:17

24人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ブルース - この投稿者のレビュー一覧を見る

年始早々、きな臭い雰囲気が漂っている。安倍首相が年頭のインタビューに答えて、今年夏の参議院の選挙は憲法改正を問う選挙とし、最終的には任期中に第九条を中心とした改正を実現したいというのである。政治的な力量を欠くと思われる安倍氏に、憲法改正という大技が果たして実現できるのかいささか疑問ではあるが、自民党が衆議院の議席の三分の二を占めていることからして予断は許さない状況にある。
評者は、戦後の不戦の誓いが結晶した憲法第九条の理念がなし崩しにされて行く現状を目の当たりにして、このような動きを批判的に見る視座を養っていかなくてはならないと考えるが、本書は、そのような視座を提供し、右傾化している日本に大きな警鐘鳴らすものとして、将に今読むべき書物となっている。
本書がユニークなのは、現代にあって反戦・平和を主張するには軍事上の知識が不可欠という認識に立って、軍隊の構成から自衛隊の装備に至るまで基本的な軍事知識を紹介することから記述を始めていることである。一見すると、平和を願う思いと軍事知識は相容れないように思えるが、本書を読み進んで行くうちに、憲法九条を改正して軍事国家への道へ歩ませようする国防族の主張の虚妄性を衝くには、やはり軍事知識が必要となることが理解できる。
しかしながら、本書の注目すべき点は、基礎的な軍事学の情報を提供すること以上に、こうした知識を踏まえたうえで、最近よく耳にする様になった「日本核武装論」、「日本の歴史認識」、「徴兵制復活を画策する動き」、「憲法改正」などの問題点を批判的に論じていることである。
このうち、「日本核武装論」について言及すれば、北朝鮮の核保有を奇貨とし国防族議員や在野の右翼勢力から盛んに主張されており、北朝鮮が核を保有している以上、日本も対抗上核武装が必要であり、それが敵国の核攻撃を抑止すると同時に国の威信を増すことに繋がるというものである。
著者は、こうした主張に、以下のように真っ向から反論を加え、その虚妄性を鋭く衝いている。
①核兵器がこれまで使用されなかったのは、核保有による抑止効果というよりも、核兵器が余りに非人道的な兵器であるとの認識が共有されるようになったためであり、国際世論の反発を考慮して使用を控えたことによるところが大きい。
②核兵器の保有が国家の威信を高めたり安価な戦争抑止力となっているというのであれば、インド・パキスタン・イラン・北朝鮮といった最近核武装した国々が国際社会で地位が高まったり、より安価な国防を実現したということが言えるのであろうか。事実は、その正反対ではないか。
③軍事史的に言えば、1973年の勃発した第4次中東戦争で、核保有国のイスラエルが非保有国のエジプトに奇襲攻撃され国家存亡の危機に立たされ、緊急避難的に核兵器を使用してもおかしくない状況にあったにもかかわらず、イスラエルは核兵器を使用することは無かった。ここから導き出されることは、核兵器の保有が敵国の攻撃を回避させるという「抑止理論」はもはや有効性を失っているということである。
著者のこのような主張は、誠に理に叶っており、評者としては全面的な賛意を表しておきたい。
なお、著者は、本書の記述を終えるにあたって、憲法改正問題に言及して、憲法第九条が改正されて「集団自衛権」が明文化されれば、自衛隊の若者たちは米国が勝手に定義した「テロとの戦い」に駆り出され、下手をすれば「弾除け」として使い捨てにされる可能性も出てくると警告を発している。何とも、暗澹たる気分にさせられる指摘であるが、これは憲法改正の帰結点かもしれないともなれば、私たちはこの問題にこれまで以上に自覚的に対処していかなくてはならないという思いが募る。

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紙の本

面白くって、読みやすくって、よくわかる。若い人に読んでもらいたいなぁ。

2009/03/03 22:48

11人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:りっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 文句なく面白い。自民党案の憲法改悪が実現したらこうなるという、シミュレーション小説を挟みながら、エセ軍事評論家たちにキツーイお言葉。つい笑ってしまう。でも、ご本人はとても真剣。
「若い人たちに訴えたい。・・・無駄な時間を過ごさないで欲しい。
 無内容に戦闘的ナショナリズムを煽り、反中・嫌韓のムードを煽り、やれ自衛軍だ、核武装だということを書き連ねた、漫画や駄本を相手にしないで欲しい。
 同時に、軍事や戦争という問題から目をそらせないでもらいたい。」
 子どもの頃から、銃器などに詳しかったようだよ。そういう人が言うと、やっぱりかぁと納得してしまう。自衛隊の装備って、役立たずだって。八九式小銃って故障しやすいんだって。一丁が34万7000円もするけど、小銃の国際相場は5万円。機関銃は「自己崩壊」する代物だそうだ。「しかも、おそらくは世界最悪の機関銃であろう六二式は、一丁200万円。世界最高と呼ばれるFN社の物は、およそ80万円である」。
 「自衛隊は間違いなく「戦力なき軍隊」だと皮肉のひとつも言いたくなる」
 「問題の元凶は・・・軍備が一種の公共事業であるからに他ならない」と指摘。税金の無駄遣い。そして、防衛庁のキャリア官僚の天下り。「二言目には「お国のため」などと言いつつ、利権の甘い汁を吸い続ける、こんな連中は、タカ派ではなくハゲタカ派と呼ぶのがふさわしいだろう。」
 これらの装備もアメリカの軍需産業に高い特許料を払っているんだと記憶している。大きな装備ももちろんアメリカのお古。だから、どんなにお金をかけても世界第二位の軍事力。この第二位というのがアメリカにとってとっても都合がいいのだ。「俺の力強い手下」。オバマ政権は日米軍事同盟を強調。酩酊状態のニュースで隠れてしまったけれど、クリントン米国務長官の日本訪問も日米軍事同盟の強化が目的。「嫌なことは嫌」と言わないと、怖いですねぇ。これからの日本。なのに、小泉の「ポチ路線」はいまだ健在と麻生さんの顔に書いてあった。なさけないねぇ。
 『国防』(著者:石破茂)については、  「まずは、貴方がイラクへ行ってください」
 「世襲のエリートにあらざる国民をここまで見下し、国の数だけ正義がある、などという話しかできないのであれば、政治の舞台からは身を引いて、単なる軍事オタクとして生きて行くことをおすすめする」。
 上坂冬子の『戦争を知らない人のための靖国問題』については、
 「この本から「無知と偏向を排し」たならば、あとには何も残らないだろう。」と手厳しい。でもちゃんと答えようとしているところは偉いなぁ。
 「戦争中は誰もがつらく惨めな生活のみに明け暮れていたかのようにいい、『二度と戦争はイヤだ』とあっさり結論づける人がいるが・・・こういう肝心なところで爪の垢ほどのウソが、あってはならない。
 少なくとも私は爽快感や躍動感も含めて戦中と戦後を生きており、戦争の馬鹿馬鹿しさに気づくのに半世紀かかった」
 東京大空襲で父方の親戚を半分なくされ、母方は朝鮮半島からの引き揚げという著者は、「二度と戦争はいやだ」という言葉に爪の垢ほどのウソもないと反論。気付くのに半世紀かかったことにもお気の毒だって。
 私は、この上坂さんの感じ方って、戦争を考える重要なポイントだと思う。間違いなんだけれどね、一体感とか、爽快感・躍動感って。一種の詐欺。そういうふうに思わされて、「好戦国家」に協力をした国民がいたからこそ、戦争ができちゃった。いい人でさえ容易に加害者になってしまう。そして、著者には悪いけれど、うちの近い親戚はだれも死ななかった。今思うとわりと「いいうち」だったんだなあって。「いいうち」はね、死の可能性からも遠ざけられるのさ。焼け出されはしたから「二度とごめん」の口だけれど、上坂さんちはもっと「いいうち」だったんだろうと想像できる。戦後の感想が違うのも当然なのだよ。戦争の時こそ、差別があらわになり、より弱いものが犠牲となる。だから、戦争は怖い。
 核の抑止力なんて嘘っぱち。持ちたがる国があるのは安上がりだからかぁ。安物買いの銭失い。地雷の撤去にどれだけの時間とお金がかかっているやら・・・核の汚染は?? 戦争の後始末はだれがやるのか??
 「具体的には、インド、パキスタン、北朝鮮、イランといったところだが、これらの国々が、核武装することによって、国際社会で地位が高まったり、より安価で現実的な国防を実現したという例が、ひとつでもあるだろうか」。ないね。
 「GNPの一〇パーセント以上を軍備に費やしているような国に対しては、ODAをはじめとする援助を凍結する」
 「NPT(核拡散防止条約)の全面的改正を訴えていくべきである」
 「NPTから脱退したり、未加盟である国に対しては、一切の援助を停止し、各国も同調するよう求めるとよい」
  やれることはいっぱいある。世界が平和になることが一番の国防です。食糧の自給は2番かな。
 「現実の日米の力関係を見た上で、「集団的自衛権」を認めてしまうことは、自衛隊の若者達が、米軍のポチどころか、下手をすれば「弾よけ」として、米軍が勝手に定義した「テロとの戦い」に駆り出されかねない、と言うことだ」
 それがわかっているなら、もう一歩進んで、「PKOによる国際貢献」の危険性もわかって欲しいな。武力に頼らない国際貢献だけをする国、日本があってもいいと思うよ。「刀狩」は、権力者にとって都合のよいものでもあったけれど、おかげで、武士もやたらと刀を抜けなくなった。特に刀を差していないものに対しては・・・日本のいいところを世界に広げられたらなぁ。中村医師も、高遠さんも、武器を持たないことが信頼につながると言っていたよ。

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2007/01/26 01:25

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