紙の本
なぜ彼女は運ぶのか?
2012/02/26 21:52
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
創業50年超の大手商社・大湊商事をとある理由で退社し、バイク便・ユーサービスのハンドキャリー便を担当することにした吉原陶子は、亡くなったユーサービス前社長・如月悠の何らかの不思議な力によって、思いの残った荷物の届け先まで瞬間移動してしまうという能力を得てしまった。
その能力の原因であるはずの、如月悠の想い残りの荷物を届けてその能力もなくなるかと思ったものの、まだなくならない。おかげでいきなり東京から沖縄に飛ばされたりして、甚だ使い勝手が悪い。何せ思う通りにならないのだ。
今回もそういう思いの残された荷物が複数登場する。離婚した妻に引き取られた娘へのクリスマスプレゼント、夢のこもったデモテープ、二年遅れのチケット。そういった荷物を、新たに加わった自転車便の佐古田丈らと届けながら、最後に試練として与えられるのが、彼女が前職を退職する理由となった会社・サーバーローゼズからのヘッドハンティングだ。
職業に貴賎はないといいながら、一流企業の人間がそうでない人間を見下したり憐れんだりするような現実もある。何を以って会社となり、何を以って働くか。吉原陶子は自分に問いかけることになる。
電子書籍
続きが出るんじゃないかと思って
2022/08/21 10:34
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投稿者:ななな - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずっと待ってる一冊。
美奈川護の本は、主人公がとても前向き。本作はテレポートも入って、とても楽しい。
美奈川護は文体が三浦しをんに似ていると思っていて、ブレイクするのを待ってるのに、新作がしばらく止まってる。本業の会社員の仕事が忙しいのかな。新作も待ってます!
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楽しみにしていた続刊!
まず新人(昔飼っていた犬に似ている感じの自称イケメン)が登場して、配送事故について知りました。っで、その配送事故が「ユーサービス」の過去とこれからに深くかかわっていて……。
単純だけど、だからこそ共感しやすいのか(いや、別に共感はしなかったけど)とにかく抵抗なく読めました。ユーサービスのスタッフは社長もライダーもみんな臆病で不器用で時々愛おしくなります。総じて「馬鹿じゃないの?」と思うこともありますが、等身大にがんばっている姿が描かれているのがこのお話の魅力だと思います。
でもまだまだ上を目指すなら、さすがに会社の理念ぐらい明文化しておいた方が良いと思います。
言わなくても分かって欲しいという乙女心を男の人は意味が分からないと言いますが、言った方が良いことまで言わないオトメンな心は多分女には理解できません。分かりあえていることを大声で言えるのが、格好良いと思います!! ←個人的な意見
さっ、この巻で「特急便ガールは」なんとなくまとまったけど終わりになちゃうのかな? すっきり終われたから良いかと思う反面、やっぱり好きだからまだ読みたいとも思ってしまう可嵐なのでした。
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積読していた前作を読んだら予想以上に面白かったのであわてて購入して同日に読了。新キャラクターも愉快だけど、やはり各エピソードのテンポが良くてどんどん読める。まだ続きが出来そうなので、楽しみ。
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続刊が出てくれてとても嬉しい作品。
大手商社勤務のOLから一転、バイク便会社のライダーになったトーコさんが東奔西走したり四苦八苦したりするお話。
今回はお馴染のメンツに加え、自転車便ライダーとして新たに従業員が増えたり、社内のドタバタ(?)がメインです。
創業者の影がちらつく会社の状況が段々顕著に見えてくるようになったり、陶子の意外な弱点も発覚したり――。
そして今回も、最後の最後で繰り広げられる手に汗握る展開。
イベントで道路事情の一変した東京で、最短時間で荷物を届けるために、ユーサービス従業員総出で荷物をリレーします。
普段はおちゃらけたり漫才かましていることの多いメンツが、一分一秒を争って真剣に仕事を果たそうとするそのギャップに感動するやらきゅん(?)とするやら。
そして、一旦はユーサービスと距離を置く陶子も、自然とユーサービスの仕事の姿勢を自分の基準にしていて、なにかのきっかけですぐそっちの仕事の方を考えてしまっているのが良いなぁ、と思いました。本当に心から思っていなければできないことです。
『「ここが自分の居場所!」と言える仕事』などと言うと、「仕事人間」とか悪い方向にも思われがちですが、一緒に本気でなにかを成し遂げられる仕事・職場というのは大切なのではないかと感じました。
そして、くっついてから一旦離れてみなければ、自分にとってなにが本当に大切なのか、共感しているのか、という深層部分までは分からないのでしょう。
仕事について、存外深く考えさせられる結末でした。
そこに持って行くまでの伏線といい、毎度この作家さんの文章は鮮やかで面白い。
今回も綺麗に一冊完結のまとめ方でしたが、これは続刊を期待せざるを得ない。
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キャラクターの個性と、
会話のテンポ感に引き込まれる。
(でも、どちらも図書館戦争の方が上かも)
終わりも良く、良い読後感でした。
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今回もガールが頑張って地方から東京に自腹で帰ってくる話。
ラストのタスキリレーは良かった。熱かった。
そういえばこの著者の前作もご当地めぐりする話だったけど、こういう話が好きなんだろうか。
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まさか続き物だったとは…。
というわけで前作「特急便ガール!!」が面白かったので読んでみた。
想いの強い荷物を持つと本人の意思とは無関係に本当に届けるべき場所に瞬間移動してしまう主人公。片道しか飛べないのも相変わらず。
展開はあまり予想を外れないけど好き。
最後の配送リレーはよかった。
陶子のあの選択は。自分を見誤られると頭にくるよなぁと共感した。
内容とは関係ないけど「半眼」という単語を使いすぎだと思う。
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陶子の生き方、同年代・同じような立場の人間としては憧れる。『理想』、『理念』、『ビジョン』とか”会社人”なら耳タコで言われることだが・・・そういう仕事よりも、最後の方で陶子が言い切ってるような『仕事』をしたいものです。続編ないのでしょうか?個人的には期待します。
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■荷物を持って全国を駆ける!バイク便会社のワーキングコメディ
上司をぶん殴って一流商社を辞めた、吉原陶子24歳。いきなり目覚めた「ある能力」に相変わらず振り回されながらもバイク便会社・ユーザービスの風変わりな同僚たちとともに、手渡しで荷物を運ぶ「ハンドキャリー便」担当として騒がしい日々を送っていた。自転車メッセンジャー便担当の天然新人が加入したり、社長がスリ被害に遭ったり、過去に一件だけ起こった「配送事故」問題が再浮上してきたりと、事件が絶えない中……陶子自身にまさかの引き抜き話が降って湧き、大きな岐路に立たされることに――!?荷物を巡って東奔西走! 異色のワーキングコメディ第2弾。
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何がいけないのか分からないけどいま一つ物足りなかった。
届けられるモノに対しての思い入れとか、そういうのがあんまり伝わってこなかった、ような気がする。そのせいでお話としてボンヤリしてた、のか?
ん~?自分でもどうしてだかわからないけど、いまいちだったなぁ。
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美奈川護「超特急便ガール!!」を読了。今月31冊目。
「特急便ガール!」の続編。だけど、これで完結なのかな? なんの為に仕事をするのかってテーマの話。どちらかというと小説という媒体よりは、テレビドラマの方が映えるシナリオだと思う。全てのバランスが絶妙にテレビドラマ的で、こう目を閉じるだけで絵が浮かんできそう。
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ドタバタ、かつ軽薄なトーンは前作より減っており、小説としてのクオリティは上がっています。
でも語彙が少ないのか、何かあればすぐ「半眼」になるのはやめて欲しい。
星3つとしましたが、ストーリー構成は上手なのでもう少し表現に味わいが出れば4つ付けられます。
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上司を殴って辞めたOL陶子が再就職先に選んだのがバイク便の会社。
そこで新たな能力に目覚めてしまい東奔西走する物語。
今回は新人採用から陶子の退職など盛りだくさん。
心温まるストーリーと魅力的なキャラによりこの物語の素晴らしさは保たれていて相変わらず読んでいてほっこりしましたが、最後のメインでもある物語がどうしてもご都合主義寄りになってしまったのが残念だった。
それとそれぞれのキャラの特性が初巻(特急便ガール)と比べると若干活かされなかった気がする。
期待値が高すぎたかな。
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社員さんを見るお客様の目が厳しい世の中でこんなに上手くハッピーエンドに繋がるわけがないと思いながらも、こんな温かい人たちに囲まれて仕事をすることができたら幸せだと思った。如月さんの、理念なんかなくても(略)みたいな台詞、格好良かったです。自分に合った職場に巡り合えて良かったね、トーコさん!私もこんな温かい職場で働きたい。