紙の本
人生捨てたもんじゃないと思わせる短編集
2022/04/24 09:37
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投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
元相撲取りの探偵。尾行も張り込みも苦労の連続だがーー「探偵には向かない職業」。
元バンドのボーカルの演歌歌手。どんな営業でもこなすがーー「冬燕ひとり旅」。
漫画のアシスタント。睡眠時間を削り限界を突き抜けた先に見たものとはーー「夜明けはスクリーントーンの彼方」。
元キャビンアテンダントの車内販売員。スチュワーデスに憧れて入った夢の世界。はじき出された先にーー「アテンションプリーズ・ミー」。
ゆるキャラの中身になった市役所職員。なんの取り柄もないはずの俺が着ぐるみを着て見た世界一ーー「タケぴよインサイドストーリー」。
売れないモデル。懸命な努力もなかなか報われないがーー「押入れの国の王女様」。
小説を書き始めた専業主婦。思うようには筆は進まない。出版社の営業の夫もアドバイスをくれるがーー「リリーベル殺人事件」。
お笑い芸人を目指すコンビニ店員。相方すらおらず時だけが過ぎていくーー「ギブ・ミー・ア・チャンス」。
人生捨てたもんじゃないと思わせる短編集。
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人生で、もう1歩の飛躍を求める人たちのお話。
表題作でもある「ギブミーアチャンス」が1番好き。
コンビニ店員をやりながらお笑いを目指すって、
ちょっとステレオタイプすぎる気はするけど。
でも、こういう人、好きだな。
元ACのおねーさんは、痛すぎるけど、ラストに
ちょっとニヤリ。
市役所勤務なのに、着ぐるみの「中の人」になって
しまうお話も、かなり笑える。いいわ~。
ま、どこかのゆるキャラを思わせる設定もありますが、
そこはご愛敬。
どの作品の主人公も、「自分はこんなものじゃない」
という思いを抱えて、ひねくれるのでなく、前向きに
(前向きすぎるのも考え物?(笑))頑張っているから
読後感が爽快。
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んー、荻原浩の得意ジャンルだと思ったけど、ちょっと今回は微妙だったかな。
色々小説としての新しい技法にチャレンジしてる感じあるけど、やっぱそこが災いして少し読みづらかった。
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短編8つ。
探偵には向かない職業/冬燕ひとり旅/夜明けはスクリーントーンの彼方/アテンションプリーズ・ミー/タケぴよインサイドストーリー/押入れの国の王女様/リリーベル殺人事件/ギブ・ミー・ア・チャンス
世の中はたいがいおもいどおりにはいかなくて、つらいことも抱えてるけど、でも、がんばろ、って思えるような、ほろ苦くもあったかい短編ばかり。荻原さんのユーモアセンスはほんと好き。
ちょっと自分と似てるだれかの話がひとつは載ってそうな、すぐお隣の話のような、身近さのある読みやすい短編集でした。私は好き。“悪魔に騎乗位”聴いてみたいわ~。。。
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元相撲取りの探偵、相方がいない芸人…。夢を諦めきれない人々を、ユーモラスに温かく描く短編集。
ほっとするやら、悲しいやら。
でも、みんな何等かの才能を持っているのは羨ましい。
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探偵、演歌歌手、漫画家、CA、ゆるキャラ、モデル(女優!?)、作家、お笑い芸人とそれぞれ目指す職業は異なるけれど、その道でやっていきたいと頑張る人が登場。
あ、ゆるキャラは流れでって感じだったか。
「うまくいったのか」
と聞かれれば
「?」
だけれど、それなりに道が拓けてきている雰囲気に救われる。一人くらい見ていてくれる人はいるもんだ。
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#読了。短編集。探偵、演歌歌手、漫画家、CA、モデル、作家、お笑い芸人など、目指す夢は違えど、人生を輝かせたいという夢を追う人々を、ユーモアたっぷりに描く。
再チャレンジのような人もいれば、まだまだこれからがと悩む人も。作家編は少々シニカルな感じもしたが、テンポよく楽しく読めた。
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個人的に短編の名手と思っている、荻原浩さんの新刊である。今回のテーマは、人生の転機だろうか。夢を追う人、追わない人。どちらも人生。
「探偵には向かない職業」。そりゃ向かないよな。しかし、その経歴が役立つ局面もある。このまま続けるのだろうか。「冬燕ひとり旅」。バンド、女性デュオを経て、演歌歌手にかける女性。全国を巡り、CDを手売りする日々。しかし、自分を見失ってはいなかった。退屈な紅白で、ぶちかましてほしいな。
「夜明けはスクリーントーンの彼方」。漫画家デビューを目指し、元同僚の下でアシスタントをする青年。売れっ子には売れっ子の苦悩があるが、彼にとっては贅沢な悩み。「アテンションプリーズ・ミー」。元航空会社のCA、今はローカル鉄道の乗務員。自らの甘さに気づかされる彼女。すべての人が、肝に銘ずべきだ。
「タケぴよインサイドストーリー」。ゆるキャラは当たればでかいだけに、各自治体が必死になるのもわかる。くまモンだって最初から人気があったわけではない。「押入れの国の王女様」。本作中、最も真剣に夢を追っているだけに、とても切ない話だ…が、おいっ! この結末はまずいだろう…。
「リリーベル殺人事件」。新人賞の応募原稿を書く、作家志望の主婦。自分も書いてみたい願望はあるから、共感できる。しかし、さっぱり実行に移さないから、結局その程度なのだ。「ギブ・ミー・ア・チャンス」。お笑いブームは去ったとされるが、それでも夢見る若者は多い。この後の彼らの物語が気になる。
成功者には必ず転機があったはずである。転機を転機にできるかどうかは、本人次第。かっこ悪くてもダサくても、諦めずに食い下がる愛おしい人間たち。いかにも荻原浩という作品群に、ささくれ立った心が温まった。
転機はきっと、日常に転がっているのだ。
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元相撲取りの探偵、相方に逃げられた芸人…人生の転機を迎えた人々の悲喜こもごもを掬いあげる、笑いと涙の「再チャレンジ」短篇集。
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表題作のほか、「探偵には向かない職業」 「冬燕ひとり旅」 「夜明けはスクリーントーンの彼方」 「アテンションプリーズ・ミー」 「タケぴよインサイドストーリー」 「押し入れの国の王女様」 「リリーベル殺人事件」
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どの物語も、挫折あり、悲哀ありで、虐げられ、存在を認められない鬱屈ありで、暗い話しではあるのだが、沈み込むばかりでなく、それを斜め上から見下ろして笑い飛ばしてしまう客観的な目線で描くことで、コミカルで前向きな印象にしているのは見事である。それにしてもいつも思うのだが、荻原さんって何者?と今回も随所で思わされた。常々荻原浩オバサン説を唱えているわたしだが(生のご本人にお会いしたことがあるので、もちろんおばさんではないことは承知の上であるが)、今作では、売れない演歌歌手だったり、元相撲取りだったり、なにより、旬は過ぎたとはいえ女子だったりして、その誰もの私生活の描写が細かすぎるのである。実際に体験したことがあるに違いないと思わされることばかりで、感心するのを通り越して、恐ろしくさえある。荻原浩、いったい何者?である。なにがあっても生きていけるとなんだか元気になれる一冊であり、文句なく面白い。
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さまざまな職業に就いた人たちの物語。どの人にも夢や目標とする職業があり、だけど現状はその夢に遠かったり、あるいはとても近いようなのに遠かったり。決して満足できる状況ではないのだけれど、それでも夢をあきらめないのか、それとも妥協してしまうのか。現実うまくは行かないな、とは思うものの。ユーモラスで、なんだかちょこっと元気になれるような短編集です。
お気に入りは「冬燕ひとり旅」。彼女が一番頑張っている気がして、とても応援したくなりました。あの曲、どんなのか聴いてみたいぞ(笑)。
「探偵には向かない職業」も好き。……案外向いてるのかもよ?
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本当何というかちょうどいい話を書く人だなあと褒め言葉なんですが、思います。短編集ですが、全てクスッとできて、うまくまとまってて、好きです。
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「探偵には向かない職業」 「冬燕ひとり旅」
「夜明けはスクリーントーンの彼方」
「アテンションプリーズ・ミー」
「タケぴよインサイドストーリー」
「押し入れの国の王女様」
「リリーベル殺人事件」「ギブミーアチャンス」
8篇の短編集。
しょっぱなの元相撲取りの探偵っていうのが
設定は面白いのだけど、無理があるっていうか
残念な感じだったのだけど
その他は概ね楽しめた。
方向が間違ってても、才能がなくても
頑張ってる人って読んでて元気になる。
元スチュワーデスの話が一番切実で
グっと来た。
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探偵に転職した元相撲取り、売れない演歌歌手、デビューにたどり着けないマンガアシスタント・・・いろんな職業でもがいている人たちの「ギブ・ミー・ア・チャンス!」が響く短編集。
どの人も痛々しい独白口調なのでちょっと読んでて辛かった。
こちらも他人事じゃないし^^;
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ええー!ピクスタでいいの、表紙。それにピクスタとしかかかなくていいの、撮った人の名前とかいるやろ。
内容はちょっといま気分じゃなかった。ユーモラスとかどうでもいいっていう気分だったので。
表紙ピクスタなのもだいぶちょっとないわって思ってるし、読み返さないと思う。一話目の探偵のがいちばんおもしろかった。
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人生の再起をかけた物語。
荻原浩のテイストがたっぷり詰まった短編集。笑いあり、でも、ちょっとホロっとしたり。それぞれの短編の主人公の先が気になるような、応援したくなるような、そんなお話。