紙の本
現代における女性と結婚の問題を徹底的に語ってくれる上野千鶴子氏と信田さよ子氏の対談集です!
2020/06/26 11:15
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、社会学者の上野千鶴子氏と臨床心理士の信田さよ子氏による「女性」と「結婚」について語られた貴重な一冊です。同書で著者は、一つの疑問を呈します。「結婚は、本当に女の岐れ道なの?だろうか?」と。現実問題として、結婚しても、しなくても、家族問題、セックス、家庭内暴力、老いた親の介護といった難問は非情に降りかかってきます。もはや「既婚・非婚」のキーワードだけでは括れない「女」と「結婚」の現実を正直に、しかし鋭く語ってくれる対談集です。同書の内容構成は、「第1章 性規範と性行動のギャップを生きる30代」、「第2章 かけがえのなさの解体と純愛願望」、「第3章 愛はなくてもセックスできるは常識なのに」、「第4章 男の愛とセクシュアリティ」、「第5章 去勢しないかぎり、暴力は続くのか」、「第6章 結婚難民よ、どこへ行く」、「第7章 カウンセラー無用論を俎上にのせる」、「第8章 人は、社会的存在でなければならないのか」、「文庫版のための特別対談(上野千鶴子×信田さよ子)」となっています。女性なら、ぜひ、一度読んでみては如何でしょうか。
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フェミニズムがなんなのかちょっとわからなくなる。
まあ、もう少し年をとったらこの方たちの意見を参考にしよう。
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「結婚」というものとそれにまつわるあれこれの問題について2人の巨頭が対談する本書。カウンセラー(但しかなり型破りな!)の信田先生が、社会学者である上野氏とどのような「化学反応」をするのか、楽しみながら読んだ。…と、言いたいところだが、テーマがテーマだけになかなか単純に「楽しむ」とはいかないのである。お互いに身も蓋もない発言を乱発しつつエスカレートしていく議論はエキサイティングではあるが、やはり術語のすれ違いは否めない気がする。いや十分刺激的なのではあるけれども。DVや性犯罪など、心理臨床とも社会学とも強く関連するテーマにかなりディープに踏み込んでいるので、多少なりとも関心のある向きは必読か。但し男性が本書を開く前には深呼吸してからにしよう。
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フェミニズムというものは、一定程度の問題提起には非常に意味があるし、分かるとおもう部分もあるんだけれども、どうしても平行線的な、結局男性の受け入れがたいところをあげつらって悪口を言う的な。そういう風に若干見えてしまった。なんか、右を見ても救われないし、左を見ても救われないし、出口がない気がしてとても苦しくなる。フェミニズムを受け入れても救われないし、男性を受け入れても救われないしというそういうことです。とはいえ、結婚というものは一体なんなんだろうとよくよく考えてみると、考えれば考えるほどになんでもなくて不思議です。そういえばわたしは高校生の頃は家族破壊論を信奉していたなあとかそんな。制度としての結婚になんの意味があるのだろうか。上野先生は「結婚というものは相手の性的自由を自分のみに束縛する契約のこと」とおっしゃっていましたが、それはうーーん、そういうものじゃない気がすると思いつつも、明確な反論が思いつかないので、じゃあやっぱりそういうことなのか、みたいな。とりあえず制度としての結婚はなんだかそろそろ限界を迎えているのかもしれない。なんかもっといい方法はないのか。
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結婚というのは「ロマンスの果ての天国」ではなく、
単なる「生活基盤構築のための制度」なのだなと。結婚に対する私の実感を、うまく言葉にしてくれた本。結婚生活の中にときめきはほぼないけれど、一人の生活では得られなかった安定感・安心感・家庭としての経済力が確かにある。これでよいのだなと。
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社会学者上野千鶴子とカウンセラー信田さよ子の対談。女性のそれぞれの世代が生きているイデオロギーとその変化について。一方で男性の変わらなさ(男がフェミニン化しているようで、変わらぬDV的行為)が際立つ。
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かなり辛辣、結婚しようともがく女性に対し、基本的には救いの言葉はない。血も涙もないが、だからこそ、あらゆる面から現代の結婚観がクリティカルに分析されている。心臓の強い人にはオススメ
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刺激が強い!ぴりぴりする~。
頭の回転が速すぎて付いていけないところも多いけど、言ってることは超面白い。
夢中で読んでしまった。
精神的に自立しないのは良くないけれど、生活は依存したって構わない。
弱い立場は連携すべし。
信田さよ子さん、気になるなあ。
もっと読みたい。
上野千鶴子は周辺をぐるぐる回っている…いつか近づけるかな。
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読み終わりました。結婚と何ぞや?女とは?男とは?超有名な社会学者とカウンセラーの対談本。信田氏があとがきで散々上野氏を褒めちぎっておきながら、対談の中では意外と上野節に反論したりしているのが面白い。
対談自体は結婚そのものについて語り尽くすというよりは、DVや性、世代の傾向もふんだんに交えて話している感じ。
信田氏の「わたしは、結婚は制度だと思ってますから。制度であるということを知らずに制度に踏み込むのが結構です」という言葉は核心を突いている。また、「男はおびえて女に暴力をふるう」という箇所も核心的。この本からは学ぶことが多い。
ただ一点だけ。個人的に上野千鶴子節は対談よりも文章の方が輝いているように思った。この対談が悪かったわけでは全然ないけれど、全体としては信田氏が一枚上手だったかなという印象を受けた。