紙の本
とても面白かった。
2018/10/22 22:11
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
モンゴル人による、日本とモンゴルの関係について取り扱った一冊。とても面白かった。
戦前の日本における五族協和政策と中国共産党の少数民族政策に共通点があるという指摘は、とても面白かった。
紙の本
日本とモンゴルの知られざる歴史関係が分かります!
2017/09/08 09:13
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本とモンゴルの間にある歴史的な出来事、特に1930年代の満州における関係を詳細に考察し、解き明かしたものです。当時は、日本軍は中国での支配権を確立するために、満州で躍起になっていった時期です。一方、モンゴルも中国支配から脱したい思いでした。そんな要求の一致が日本軍とモンゴルとをつなぐ一つの契機になったようです。本書は、興安軍官学校などの歴史的出来事を中心に二つの国の関係を探っていく良書です。
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日中戦争前後におけるモンゴル民族を取り巻く状況。私も含めて知らない日本人も多いのではないだろうか。
著者もモンゴル出身者であってモンゴルの民族自決に対する強い思いが随所に感じられる。満州国に組み込まれたモンゴル人、戦争後の運命等列強に左右されるモンゴル民族の悲哀を感じる。
今でこそ相撲等でなじみがあるモンゴルだが、本書記載の民族としての背景を知ることが出来る貴重な一冊と思う。
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モンゴルの独立をめざし倒れて行った者たちに対しモンゴル人が書いた鎮魂の書である。モンゴルは現在内外蒙古に分かれている。いわゆるモンゴル人民共和国はソ連によって共産圏に加わることで独立を果たした。それに対し、内蒙古と言われる地域は、日本と中国、それにソ連の間にあって、苦悩した地域である。本書は本来モンゴル人のための軍人を養成するためにつくられた学校―興安軍官学校のものがたりで、日本の陸軍士官学校で軍人としての教育を受け、そこで教官をしたジョンジョールジャブの生涯を中心に描いたものである。日本人はここで、モンゴルの独立、自決を担う軍人たちを養成しようとしたし、満州国成立後は五族協和の看板を掲げたものの、やがてかれらがうとましくなり、かれらの恨みを醸成していった。言ってみれば、日本はかれらを利用しようとし、かれらも日本を利用して中国からのモンゴル独立を果たそうとしたのである。中国からすれば、かれらは中国を分裂させる分子だというであろうが、モンゴル民族にとって中国はつねに独立を妨害する憎き国家なのである。中国の民族政策を見ていると、とても各民族を尊重しているようには思えない。モンゴル人にとって耐えられないのは、草原を開墾して農地に変えることである。これがよくないのは、草原は一旦開墾すると雨が少ないのですぐにだめになってしまうからだそうだ。だから、かれらは草原を求めて遊牧するのである。一方、日本のやり方で最もまずかったのはノモンハン事件で、日本人はモンゴル人たちを戦わせようとする愚挙に出た。その結果は、多くの離反兵、逃亡兵を生むことになった。ノモンハンの大きな敗因の一つはそこにあるというべきだろう。そして、日本の敗戦に際し、ジョンジョールジャブは日本の軍人幹部たちを殺害するという行動に出た。これはそれまでの恨みが爆発したものと言われるが、ぼくには原因はわからない。モンゴル人の中には、日本人たちを庇い、逃がした者もいたからである。自分を育ててくれた多くの日本人に恩義を感じていたジョンジョールジャブがどうしてそのような行動に出たのだろう。
これを読むと日本人の中にも、モンゴルの独立を支援した軍人もいたが、かれらは変人扱いされた。その中心はやはり日本中心の大東亜共栄圏を打ち立てることにあったのである。
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ノモンハン事件を日本の目でしか見なかった。さらにモンゴルがソ連と共同して戦ったぐらいしか知らなかった。
中国によるモンゴル人へのジェノサイトとモンゴルへの侵略が行われていたことは初めて知った。
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ノモンハン事件のことを知りたくて関係書を探していた中で読んだ本。
民族自決、独立国家の形成を目指した、モンゴルを取り巻く状況、日本、中国、ソ連、といった大国間で翻弄された歴史。