紙の本
他者を納得させる議論を行うために覚えておきたい5つの型について丁寧に紹介してくれる書です!
2020/04/12 11:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、教育現場における討論・ディスカッションを指導するために著された手引書です。同書によれば、他者を納得させる議論を行うためには、「定義」、「類似」、「譬え」、「比較」、「因果関係」という5つの型をしっかりと押さえることが必要だと主張されています。そこで同書では、こうした5つの議論の型を丁寧に紹介し、どのように議論の中でそうした技術を使っていくのかを解説してくれます。この議論のために技術をしっかりと身に付ければ、他者を十分に納得させることができる、しっかりとした主張ができるようになります。
電子書籍
読み易い
2018/03/03 18:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tosch - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分はしがないサラリーマンであるが、多分に漏れず様々な場面で議論にでくあす。
そんな時、話を聞いていてもどうにも腑に落ちない時が多々あって
なんとかそっち方面の力を養いたいなと思って本書を手にとった。
まあ一言で言うと読みやすくて、
基本的な議論の方法を頭でイメージしながら読むことができた。
他の議論関係の本と違うところは
頻繁に文献を引用しており
議論の方法を述べた後に実際にその方法が使用された例文を解説している。
方法を述べても運用ができない者にとってはありがたい。
これはおすすめ
投稿元:
レビューを見る
『レトリックと詭弁』の著者である香西秀信氏の著書。本書は絶版になっていた『議論の技を学ぶ論法集』(明治図書出版)が文庫化されたものである。主に議論指導に関心のある教師に向けて、議論指導の出発点として選んだ5つの論法について解説している。引用文は難しそうな本からが多いが、どれも聞いたことがある論法である。実際に使われている場面を探してみたり、自分で使ってみたりすると面白いと思う。
第1章 定義
第2章 類似
第3章 譬え
第4章 比較
第5章 因果関係
投稿元:
レビューを見る
あー、これ、復刊したんだねえ。著者のファンとしてはほんとうれしい。絶版になってて、図書館で借りるしかなかったからね。
中身は相変わらず素晴らしい。が、著者の本の中で最高峰とは言えないか。
投稿元:
レビューを見る
議論の定石。理論本ではなく実践的に5つに圧縮。
すなわち、定義、類似、譬え、比較、因果関係なりと。過去の名人級の文章家のシャープな説得、あるいはグダグダの文章の例が面白い。
投稿元:
レビューを見る
「議論」「レトリック」に興味があり、『レトリックと詭弁』も面白かったので購入。
議論すること自体は好きな方ではあるが、議論の過程で言葉による罠を見抜けないと真の解に辿り着くことは難しい。
嵌められがちな罠とその対処法をあらかじめ知っておくことで、より確実に正解に辿り着くことができる。こういった能力も教養によって養われるのだろうと再認識した。
この本自身、十分に体系的な編集とはなっているが、さらに深く知り使いこなすためには、こういったものをきちんと説明・図解する能力が必要であろうとも思う。
投稿元:
レビューを見る
少し難しいが、議論というか、人の文章の読み方、レトリックの見破り方の基礎は身につく。
早速本書に即して論文を読んでみると、レトリックに気づき、それに基づく反論が思いついたりもした。
本書の内容を頭に入れて会話での議論を戦わせることは難しいとは思うが、人の文章を読むことを生業にしている人にはお勧めだ。
ちなみに、本書自体の文章はやや高圧的で突き放したところがあるが、「あとがき」を読んで人間くさい人であることがわかってホッとした。
投稿元:
レビューを見る
難しかったが引用文献の多さ、作者の引き出しの多さが信頼に足る。もっと自分自身ステップアップしてからもう一度読み直したい
投稿元:
レビューを見る
香西秀信著『議論入門 : 負けないための5つの技術 (ちくま学芸文庫 ; コ45-1)』(筑摩書房)
2016.8発行
2023.7.6読了
香西秀信氏は2013年に急逝しているのだが、本書は絶版だった『議論の技を学ぶ論法集』(明治図書出版 1996年)を文庫化したものである。
香西秀信氏の本はどれも大変面白く、本書も漏れなく面白かった。
本書は議論指導に関心のある教師向けに執筆されたものだが、たとえ教師でなくとも実生活においてすぐさま活用できそうな技の数々が取り上げられている。
昨今ではSNS上などでも頻繁に討論(言い争い?)が行われている状況なので、こうした技術を身につける必要性はより一層増しているといえよう。そうしたときに本書は恰好の教科書となってくれるはずだ。もっとも、教科書と呼ぶほどには四角四面な内容ではなく、筆者お得意の皮肉の効いた文体で読者を楽しませながら議論の技を体得することができる。
万人におすすめしたい。
【目次】
序―議論の技を学ぶ
第1章 定義
第1節 最も必要なことだけの定義
第2節 説得的定義―論証的定義
第3説 定義としての名づけ
第4節 反論に関する若干の注意
第2章 類似
第1節 正義原則
第2節 暗示的人格攻撃
第3節 相手の主張を不条理に帰結させる論法
第4節 その他のヴァリエーション
第5節 反論の方法
第3章 譬え
第1節 関係の誇張
第2節 論争の武器としての笑い
第3節 価値の転移による効果
第4節 譬えの脆弱さと反論の方法
第4章 比較
第1節 a fortiori―より強い理由によって
第2節 勿論解釈とその応用
第3節 反論の可能性―誰にとっての「より」なのか
第5章 因果関係
第1節 これは「論法」か?
第2節 原因による正当化
第3節 結果による正当化
第4節 反論の方法
あとがきにかえて―高専柔道と学問
URL:https://id.ndl.go.jp/bib/027511400
投稿元:
レビューを見る
【星:3.0】
学校教育において、ディベートが行われることがあるが、ただディベートさせるだけで、その手法を教えてはいないというのが著者の意見。
そんな現状を踏まえて、ディベートの技法を教える立場となる教育者向けにディベート技法の基礎を書いた本となっている。
内容としては修辞学の本ということになると思う。
ディベート・修辞学技法を「定義」「類似」「譬え」「比較」「因果関係」の5つにまとめて説明している。
この5つのまとめ方自体はスッキリしていて「修辞技法というのはこういうことなんだ」という感じで全体観はつかみやすい。
ただ、この5つの修辞技法を例文を用いて説明していくスタイルなのだが、この例文が古今の著名な哲学者や評論家の崇高な文章で、この例文自体の読解にパワーを要してしまい、肝心要の修辞技法が頭に入ってこなかった・・・
私の力不足のせいも多分にあると思うが、もう少し平易な例文で説明して欲しかった・・・。