紙の本
先が見えましたね。次は明治維新か日清日露戦争、そして締めくくりは日本が未だに悔い改めようとしない第二次大戦でしょう。完結まであと五年かな・・・
2007/04/21 18:13
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私のお気に入りのシリーズですが、日本史上もっとも好きな男がiいよいよ登場します。そう、織田信長。彼の手で朝廷が消える姿を見たかった、というのは私だけでしょうか。そうすれば、日本は自分の罪を認めようとしない卑劣な国として、アジアの国々から非難されつづけることもなかったかも・・・
装釘・挿絵は、今まで通り高畠純で、デザインのレトロな感じも相変わらず。ま、十年後でも古びないということは間違いありません。カバー折り返しの案内文は
「白駒山の仙人の弟子となり、修行ののち、
人間に化けることができるようにになった狐、
白狐魔丸の人間探求の物語。
南北朝の動乱から、時はくだって戦国時代。
十五代つづいた足利幕府をついに滅ぼし、
天下統一に名のりをあげたのは、
少しまえまで白狐魔丸が名もしらなかった、
織田信長という男だった。」
構成は全30章。1〜3まで出ていた白狐魔記『源平の風』『蒙古の波』『洛中の火』に続く第4巻で、1巻と2巻のあいだに85年、2巻と3巻のあいだに51年の時代を経ていますが、今回はそれから230年以上が経っています。具体的に言えば、1336年に眠りについた白狐が目覚めたのが1573年ですから237年の長い睡眠をとったことになります。
ま、その間、眠りつづけていたかというと偶に眼を覚ましては、天竺に行くといって消えてしまった仙人が帰ってきていないか確かめたり、世の中の様子を見に都に上がるなどしてはいますが、基本的には眠っている。だから世の中の動きについて殆ど知りません。
ただ、時々起きては仙人の言っていた「白駒山が見える範囲での殺生はならぬ」という教えを守るため、人間たちが山の周囲での狩などをすることを邪魔だけはしてきました。今では、この山の近辺で白狐のことを知らないものはない、そういってもいい。ところが、その地で平気でウサギを殺そうと銃を構えるものがいました。
それが不動丸という15歳の少年です。彼はこのシリーズにかつて登場した佐藤忠信、市谷小平太、大和十蔵に似た役割を果たします。そして源義経、北条時輔、楠正成にあたるのが、織田信長になります。ということは、吉野の狐・雅姫も信長の側にいることになります。
ただし、今まで登場した忠信、小平太、十蔵は、己の主人である義経、時輔、正成に最後まで忠誠を誓いますが、不動丸にとっての信長は、師の仇として登場します。彼は、遺体としてしか登場しない師に報いようとします。生きている人間に自分を捧げてきた今までの好漢とは、そこが違いますが、印象的には不動丸と信長は佐藤忠信と源義経を思わせます。
この巻が始る1573年は信長が将軍義昭を追放し室町幕府が滅びた年で、幕を閉じるのは、勿論、本能寺の変の年1582年ですから、9年間で不動丸は24歳になります。視点はいままでと変わりません。そういう意味で、白狐の成長は亀の歩みの如く遅い。でも、一種の諦念はあるものの、少しづつ変わっていきます。多分、この次は第二次大戦を描くことになるんでしょうが、そこで戦争礼賛、自主憲法なんて豹変しないことを祈るのみ。
紙の本
『戦国の雲 白狐魔記4』
2017/06/03 20:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
白駒山の仙人から化身の術をさずかったきつねの白狐魔丸
足利十五代の盛衰を見たのち
「天下布武」に決意をこめた織田信長に出会う
ひとりの人間にかかわると
多くの人間の死を目にすることになってしまうが
信長を仇とねらう鉄砲の名手不動丸の行方も気になる
織田勢がとりかこむ一向宗の拠点にのりこんだ白狐魔丸が見たものは
読んでいるうちに歴史が好きになる1996年からの人気長寿シリーズ
既刊6冊の第4作は2006年初版
投稿元:
レビューを見る
雅姫に連れられ織田信長に出会う白狐魔丸。人が死ぬのが嫌いな白狐魔丸だが、白駒山で出会った鉄砲の達人で信長をかたきとする不動丸を心配して合戦の場に行ったりする。
ずっと待ってた白狐魔記最新刊!!魂憑依をした白狐魔丸ですが、結局その間は狐の体がどうなっているのかわかりませんでした。でも、なんだか成長したようです。雅姫はやはり白狐魔丸より能力的に上だし、白狐魔丸より固くなく楽しんで生きてそうだなぁという感じです。魅力的な人物が特にいなかったせいか、時代のせいかなんだかちょっといまいちな印象です。信長が出てくると残虐な場面はやはり出てくるだろうし。今回はさほど力を使ってないから、睡眠時間は長くなさそうです。次はどの時代なのかなー。
投稿元:
レビューを見る
白狐魔記シリーズの最新作品!
待ってましたの戦国時代です!
大好きなシリーズなので購入して一気に読んでしまいました。
投稿元:
レビューを見る
待ってました…!!首をかしげてしまう白狐魔可愛い…!慌てて気をつけてる仕草が本当に可愛い!仙人さま出てきて欲しかったなぁと残念…(いや、こっそり出てきましたけど(笑))戦国時代、織田信長の本能寺の変までを描いた作品。このシリーズは揃えて手元に欲しいなぁと思いました。歴史の勉強にもなる。
投稿元:
レビューを見る
斉藤洋さんは大好きなのだけれど、やっぱり白狐魔記は格別だぁ・・・・。
他のシリーズもまた読み返したくなってしまいました。
投稿元:
レビューを見る
白狐魔丸が、有り難がられているのがおかしかった。
ここにきて漸く、斉藤さんが、白狐魔丸という素材を通して日本の戦の歴史を書き連ねようとしているのではないかと思い当たる。
投稿元:
レビューを見る
白駒山の仙人の弟子として修行ののち、人間に化けることが可能になった狐、
白狐魔丸の人間探求の物語。時は戦国。15代つづいた足利幕府をついに
滅ぼし、天下統一に名のりをあげた、織田信長という男に出会う。
投稿元:
レビューを見る
このシリーズ大好きなんですが、どうやらこの巻にきて斉藤さん飽きちゃったんじゃないか?と思う。
少しだらだらした感じ。白狐魔丸がなんだか煮え切らない・・・?
続きみたいです。斉藤さんお願いします!!
投稿元:
レビューを見る
斉藤さんの本は、読みやすい。メッセージが理解しやすいですね。
私も全巻読みました。
主人公は、狐。
白駒山の仙人の弟子となり、修行ののち、人間に化けることができるようになります。
仙人から白狐魔丸という名前をもらいます。
そして、戦国の世のなかで、戦い続ける人々と知り合い、人間とは・・ということを知ろうとしていきます。
投稿元:
レビューを見る
ここまでのシリーズでは白狐魔丸が出会うのは誰もが知っている歴史上のヒーロー(それもどちらかというと敗戦の将)のご家来衆で、その友人を通して著名人の知己をも得るというのが定型パターンでした。 でも今回はさすが織田信長様でいらっしゃいます。 ご家来衆な~んていう面倒くさい人達はすっ飛ばしていきなりご本人が白狐魔丸とお知り合いになってしまいます。 まあ、それには蒙古襲来以来姿を消したきりの白駒山の仙人様に代わって白狐魔丸の導き手みたいな役割を担っている雅姫というキーパーソンの存在が無視できなかったりもするわけですが・・・・・(苦笑)
一応、柴田勝家とか羽柴秀吉、明智光秀な~んていう錚々たるご家来衆の面々も登場するんですけど、彼らはすっかり脇役(というより舞台装置)扱い。 逆に本能寺に攻め込んだ明智軍にひょんなことから加勢することになった、信長を「師の仇」と心に定めた「不動丸」という鉄砲名人の少年の方がスポットライトを浴びちゃっています。
歴史というものが勝者の都合によって描かれ気味であることを考えると、敗戦の将側の論理が描かれるという点でも興味深かったこのシリーズでしたが、この巻でその役割を担っているのはこの「不動丸」で、彼は最後には明智軍に顔を連ねているものの、どちらかというと一向一揆の軍勢の中にいる時間の方が長かったりします。 信長がどうして一向宗と対立することになったのか?といったあたりの状況説明がないのはちょっと食い足りなかったけれど、信長 vs. 一向一揆の戦いの凄まじさは描き尽くされていたと感じます。
前編で「火の力」を白狐魔丸が得ていたので、当然のことながら本能寺炎上が意識されているんだろうなぁ・・・・と推測できていたんですけど、そこは案の上でした。 かなり面白く感じたのは織田信長と雅姫がこれまで関わってきた北条時輔や仲時と似ているというくだりで、そこから武士の間の自称来歴とでも呼ぶべき「桓武平氏の末裔」という話をもってきているところです。 KiKi は織田信長さんの肖像画こそ見たことがあるけれど、北条時輔さんや北条仲時さんの肖像画は見たことがないので、本当のところ似ているのか似ていないのかよくわからないけれど、なかなか興味深いプロットだなぁと感じました。
そうそう、どうでもいいことではあるけれど、スケートの織田君は織田信長の肖像画にどこか通じるものがあるなぁ・・・・とは常々感じているんですけどね(笑)
ま、それはさておき、今作ではもう1つこれまでにはなかった出来事が描かれています。 それは白狐魔丸を訪ねて人間が白駒山までやってくるというお話です。 これまでは「人に化けることができる獣」と「仙人様」以外には姿を現さなかった白駒山の洞窟に、普通の人間である不動丸が訪ねてきたっていうのは今後の物語の展開に何等かの変化を及ぼすのかちょっと気になるところです。 もっとも不動丸がいわゆる「普通の人間」かどうかはビミョーなところなんですけどね。 何せ、知らず知らずのうちに白狐魔丸が魂憑依しちゃった相手ですから・・・・・・。
ま、てなわけで白狐魔丸が今作で得た新たな力は「魂憑依」。 ますますパワーアップしていく白狐魔丸が次に出会うのはどうやら「天草四郎」らしい・・・・・。 これは次作も楽しみです。
投稿元:
レビューを見る
今回は織田信長の話でした。
人間にかかわると悲しい結末を見届けなくてはならなくなるので、あまり関わるまいと思いながらも、関わってしまう白狐魔丸。
今回は不動丸という鉄砲撃ちと知り合います。彼を助けるために無意識に魂憑依をしてしまい、また妖狐としての格があがった白狐魔丸。
次回の活躍も楽しみです。
投稿元:
レビューを見る
むなしさの先にあるものにはどうしたらたどり着けるのでしょうね
そろそろ策謀にみちみちて、あまり人が人としてのたのしさを感じられなくなってきました
がんじがらめの武士ばかりで楽しくないのう
白狐魔丸は人間といつまで関わるつもりなのでしょうか
平氏に連なってるのが織田とはなるほどなーと思う
秀吉の泥臭い人心掌握術は、泥臭いけど効果抜群なんだろう
相手が望むことをして気に入られる。部下の鏡だのう
投稿元:
レビューを見る
明知光秀の動機は作者によって本当違って面白い。
へうげものが特に異彩を放っていたが。
前は人と関わる事で学ぶ感じだったけれど
最近は出来事を消化できていないもやもや感を
当狐は抱いている気がする。。
投稿元:
レビューを見る
人間の生きざまに興味をしめした一匹のキツネが、仙人のもとで修行、数かずの術と共に不老不死と人間に化ける術も習得。白狐魔丸という仙人ギツネとして生まれかわる。このキツネが、日本史上の大きな事件や英雄たちと遭遇し、人間がなぜ人間同士殺しあうのかという疑問の答えを探し、時を旅する大河タイムファンタジー。第4弾。