電子書籍
前菜ですが、めちゃめちゃうまいです。
2016/02/15 00:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やきとり - この投稿者のレビュー一覧を見る
凄惨な殺人現場を淡々と調べ上げ犯人像を割り出して行くプロローグから「このひとり語りする主人公は何者だ?」と読者が疑問を持ち始める頃には、何故この場に主人公の自分が居るのかを過去へと遡りながら説明する展開となり、どっぷりと作品世界に引き込まれてしまう。不遇な子供時代からアメリカの数ある諜報機関を監視する「機関」にスカウトされ欧州での危険な任務~ここで語られる非情な諜報世界に、逆に「何故そんな人間がNYで刑事事件に係わっているのか?」と新たな疑問が湧きだすのだが、その頃には物語の半分近くが終わっている。しかもそこから冒頭の殺人現場に戻る前に今度はこの物語のもう一人の主要人物である〈サラセン〉という最凶最悪なテロリストがどのように誕生しどの様にテロ計画を準備してきたのかを後に〈サラセン〉を追って調べた事実から語る事になり、一巻目は主人公と〈サラセン〉の人物像とその背景説明でほぼ終わってしまう。
でもね、面白くてすぐに読めてしまう。メインディッシュがまだ始まっていないにも関わず、細かでリアルなエピソードが積み重なってストーリーが組み立てられているので二人の登場人物の行く末が気になってついつい先を読んでしまうのです。翻訳が上手いのか読み易い文章なのでスイスイいけます。この後、主人公は何故〈サラセン〉を追うことになるのか?冒頭の殺人事件はどう関わってくるのか来ないのか?など気になることはすべて2巻へ持ち越しされているので、次巻も読むよなあ、普通。
紙の本
いまいち~
2015/02/04 12:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピルグリムという変わったタイトルの言葉に惹かれて読みましたが、一巻の半分まで読んでも登場人物達の生い立ち描写?が多く、長くて話が進みません。
イギリス生まれの脚本家で、本作が小説デビュー作とのことですが、「わたし」なる諜報員が駆け出しの時の活躍描写は、映画を見ているようなテンポで成程と思わせますが、その後も脚本に少し肉付けした話を読んでるようで、どの登場人物にも引き込まれません。
あと構成も、三人称で書かれれば無理なく読めるのに、一人称の語りで強引に語らせてる書き方に、読んでいて違和感があります。
引退した凄腕の諜報員であるはずなのに、ベン警部補に発見されたりとか、呼び戻されるほど実力あるのか一抹の懸念を思わせたり、中々つっこみ所があります。
「スパイ物」vs新時代のテロリストの物語で、「巨大なスケールと比類なきスピード感で放つ、超大作サスペンス開幕」と紹介されているので、完結まで読んでみようと思うが、投げ出さずに一巻が読み終えるかが課題である。
投稿元:
レビューを見る
全3巻の1巻目を読んだだけで感想を書きたくはなかったが、書かずにはいられない。
「これだけは保証しておこう。本書の出来は、あなたの予想を超えている」。というミステリマガジンの絶賛レビューに期待して読み始め、少し疑いを持ち始めたところで、片足を引きずったニューヨーク市警の黒人警部補ベン・ブラッドリーが主人公の「わたし」を探し当ててパリを訪れる。ブラッドリーは「わたし」に米同時テロのある悲痛なエピソードを話してこう言う。
「彼らの命を奪ったのは降り注ぐ瓦礫や火災ではない。彼らは他人の命を救おうなどと考えたから死んだ。そのことにわたしは怒っているんだ。いったい、この話のどこに正義がある?」
彼は気持ちを落ち着かせようと、ひと呼吸置いて言った。「わたしはこんな世界で暮らしたいとは思っていなかった」
ブラッドリーは罪のない人々がテロによって不当に殺される世界に異議をとなえ、それを何とかしたいと思って「わたし」を探し当てたのだ。だからこれは正義や理想を「青臭い」と片付けてしまう人には無縁の小説である。そうじゃない人、冒険小説を好きな人は読み逃してはいけないだろう。
全体的なプロットはトマス・ハリスの傑作「ブラック・サンデー」を想起させる。テロリストが用意した兵器の威力を試すために日本人を殺す場面も共通する。違うのは登場人物たちが9.11の大きな影響を受けていることだ。「9.11を経た『ブラック・サンデー』、しかもそれを大きく超えている」というのが1巻を読み終わってのとりあえず感想になる。
投稿元:
レビューを見る
メインのキャラクターのバックグラウンドが描かれ、これから、というところで二巻目へ。それぞれの出自がじっくり描かれているので、いやでも期待が高まります。その期待感だけでも星4つ。ワクワクしてきました〜。ここで一冊終わらすのは、商売上手だと言わざるを得ません。
投稿元:
レビューを見る
冒頭いきなり殺人現場シーンで主人公が登場するが、そこから話は主人公の過去、さらに過去、そして幼少時代へとめまぐるしくカットバックしながら描かれる。
さらにはシリーズでの敵方も同じようにカットバックしながら過去に遡上して人物像が浮き彫りにされていく。
物語の凝った組み上げられ方ではあるが、読みやすい文章であるし、キャラの陰影が鮮やかなので一気に読める。
1作目はさながらキャラ紹介編の趣もあるが、十分に楽しめたので残り2作に期待。
投稿元:
レビューを見る
Pilgrim = 巡礼者。
元諜報員と敬虔なイスラム教徒の宿命といってもいいようなこれからの展開が気になってしょうがない。
謎がちりばめられたスピード感たっぷりの壮大なプロローグといった感じで、読むのがやめられなくなります。
投稿元:
レビューを見る
具体的事実の情報の積み重ねが分厚い文章のかたちになっている。連想ゲーム状に話がコロコロ変わる。テンポがいい。海外のエンタメはたまに回りくどいけど、もしかしたら母語では回りくどくないのかもしれないけど、日本語の翻訳ではたぶん回りくどさが異国情緒のようなものを醸し出すせいで、かえってブランドになっている。しかし、日本のものよりよっぽどおもしろい、というか、分厚さはある。その分厚さの正体は…皮肉めいたセリフとかでもありそうでもある。せりふはいいが、文体はパターンがあまりない。
投稿元:
レビューを見る
ニューヨーク場末の安宿の殺人事件。
よくある性犯罪絡みの殺人かと思われたが……。
本年度最高と噂のミステリ、開幕!
投稿元:
レビューを見る
最近翻訳ものサスペンスばかり読んでいて頭の中がごちゃごちゃしてきた。何も考えずにとにかく楽しくワクワクハラハラして読める本と思って選んだこのシリーズ。全3巻だけど文字?行間?が大きいので思ったよりボリュームはないと思う。第1巻はほとんど登場人物の紹介。だれそうなものだが、それぞれの人生に重みがあって思った以上に読めた。しかし次がどうなるのかという期待感はないので時間がかかったのも事実。後半になって〈サラセン〉に動きが出たところから大きくストーリーが動き出したので、あと2巻が楽しく。ただ少し説明的すぎるところがあって長く感じる所と、逆にもっとじらせばいいのにすぐに結論にいってしまうところがあって、なんだか少し残念。広げたふろしきをどのように上手にたたんでいくのか、期待と少し不安の残り2冊。
投稿元:
レビューを見る
全3巻の1巻目。
アメリカの諜報組織に属する十万人以上の諜報員を日夜監視する極秘機関。この機関に採用された私は、過去を消し、偽りの身分で活動してきた。あの9月11日までは……引退していた男を闇の世界へと引き戻したのは〈サラセン〉と呼ばれるたった一人のテロリストだった。彼が単独で立案したテロ計画が動きはじめた時、アメリカは名前のない男にすべてを託す! 巨大スケールと比類なきスピード感で放つ、超大作サスペンス開幕! というのがあらすじ。
語りの上手さで読ませます。
投稿元:
レビューを見る
201412/試しに1巻だけ…って読みはじめてすぐ夢中になり、2・3巻も一緒に買っておけばよかったと後悔しながら一気に読了。翌日続刊購入してまた没頭。海外スパイもの好きにはお勧め!
投稿元:
レビューを見る
「わたし」と「サラセン」まだ対決していなくて、導入部といった感じ。
序盤、読書のペースがあがらなくて、中盤以降から続きが気になるようになてきた。
翻訳ものは、訳が合わないと十分楽しめないことが多いけど、読みやすい訳で良かった。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに、超大当たりを引いたかも。
昔、フレデリック・フォーサイスや
ロバート・ラドラムらをむさぼり読み、
興奮した頃を思い出した。
人物描写の深堀り具合にググっとひきつけられる。
決して冗長なわけではなくて、非常にうまい。
お願いだから、第 3 巻まで失速しないで欲しい。
投稿元:
レビューを見る
元スパイとテロリストの物語くらいの予備知識しかなく読み始めましたが一気に読んでしまった。9.11、イスラム過激派、人質・・・、今テレビのニュースで盛んに流れている世界がそのままこの本に。
少し前なら面白い!と表現したであろう本ですが、読みすすめるうちに考えさせられてしまいました。
苦手な残酷シーンが数か所ありますが物語に必要な部分で仕方ないとしてササッと通過。一巻はまだまだ序章にすぎない、これからどう展開するのか楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
アメリカのあらゆる諜報機関の諜報員を監視する<機関>と呼ばれる組織に所属していたものの、9.11事件をきっかけに若くして現役を退いた、名前のない男である「わたし」。
敬虔で厳格なイスラム教徒であり、孤高のテロリスト「サラセン」。
三部作(三分冊)の一冊目である本作では、二人の素性が交互に行きつ戻りつ語られます。
そしてサラセンが企てる恐ろしいテロの計画が少しずつ形を見せてきます。
また、わたしの方は、わずかな手がかりから自分の正体を知り居場所を突き止めたニューヨーク市警の警部、そしてその妻と知り会います。
壮大で長いプロローグといった感じで、まだ二人が直接に絡むシーンは出てきません。
どちらかと言えば、淡々とした雰囲気ながら、静かな語り口に気がつけば引き込まれているというところです。
2巻以降を一緒に買っておかなかったのが失敗でした。