紙の本
論文も,読む人しだいでこんなに面白くなるんだなあ
2016/01/31 12:06
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投稿者:まさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
学者芸人サンキュータツオさんによる,研究に対する愛があふれた本.カップルの座る距離,世間話の研究,浮気する人たちの心情調査,コーヒーカップを叩くスプーンの音などなど,入口は笑ってしまうが,実験,フィールドワーク,質的研究など,さまざまな研究を網羅している.これをネタ本にして,学生や同僚とプチサイエンスカフェなことしてみますよ.タツオさん,続編期待してます.
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こんなエネルギーが本当は大事なんだろうな
2015/10/18 09:43
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投稿者:つかも - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうでもいいようなことに傾ける情熱。当人以外は何ら価値や重要性を見いだせないことに愚直に取り組む姿勢こそ「学問」の神髄ではないかと思います。
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無駄を許容する豊かさ。
2017/08/17 18:46
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投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
知的好奇心だけを情熱の原動力として研究をおこなうことよりも、この本に収録されている論文の著者たちの偉いところは、己を厳しく律しているところである。あとがきにあるような、サブカル位なら引用や盗用も大丈夫だろうという緩い態度や、自分以外に専門家がいないなら、データの改竄もバレないだろうというトンデモの偽研究者と明らかに異なる。こうした研究者にエールを送りたい。
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学究の道のりは長い
2017/06/16 14:01
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
論文を書くのに、下準備は大切だ。既存の研究を探したり、独自のデータを採集して分析する。
その苦労と結晶が、何の役に立つの?と言われたら、答えようもない世界。でも面白くってたまらない。
湯たんぽの伊藤紀之先生の話は悲しい。先攻研究を大切にしてほしい。
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勉強って面白い!
2016/02/07 11:31
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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
滅多に目にすることのない研究論文が、これほどの
エンターテインメントだったとは。
どんなことでも興味さえあれば、研究・論考の対象
になることが面白く紹介されています。
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本当に変な論文
2016/11/08 19:22
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投稿者:miopoo - この投稿者のレビュー一覧を見る
真面目に書いた論文なんだけど、一般的には論文といえない論文。
なんでも興味を持てば論文が書ける!
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紹介される論文をこの本の中で直接読むことはできず、著者の解説集なのだ。よって、各論文が果たして本物の「ヘン」か否かはタイトルから推察するしかないが、確かに着眼点は奇異である。ホームレスに関する噂話の分析、あくびの伝染実験、猫カフェで見る猫の癒し効果、ブラジャー内の乳房の振動とずれ特性等々。著者の表現力、伝達力が大いに優れている。そして、あとがきに述べているように、論文を書く「人」にスポットを当てているのが素晴らしい。この本自体が「一見奇異とおぼしき論文に学ぶ研究の原点」というべき論文として成立している。
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一風変わった研究に対して与える「イグノーベル賞」というのがある。研究をしている人がたくさんいれば、いろいろな研究が出てくる。そんな中でも、今回取り上げられている研究論文は、個性豊かなものばかり。
ひっそり眠っていた論文を「発掘」してきた著者も論文に負けず劣らずユニークな人だ。オフィス北野に所属するお笑いコンビ「米粒写経」として活躍する一方で、一橋大学非常勤講師をつとめる芸人と学者という二足のわらじを履いている。
著者曰く、研究に携わる人にも焦点を当てて研究している人の「視点」を知ってもらいたい、そして研究しているユニークな人たちも「みなさんと同じ人間なんだ、ということをリアルに感じ取ってもらいたい」ことを強調している。
「浮気男」の頭の中
「コーヒーカップ」の音の科学
「猫の癒し」効果
などいずれも言われてみればどうしてなのだろうとふと思うものばかりだ。一般人ならふと疑問に思ってもそれで終わりにするが、学者の場合そこで終わりにしないで追究する。それが金になるかならないか関係なく。
それにしても論文収集を趣味にしているとは、さすが学者。変な論文収集をこれからも続けて行って第2弾、第3弾と発表してもらいたいものだ。
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TBSラジオ「メキキのきき耳」が終わってしまい「これから面白い論文は自分で探せってこと??でもタツオさんの絶妙な紹介コメントがあわさってこその面白さがとてもいいのに…」なんて残念がっていたら、”本”という形で楽しめるとは!
文章にしても、タツオさんの絶妙(でも時に少し面倒くさい)なツッコミがいい塩梅に挟まれていて読み応え十分。
一番驚いたのは「あくび」の論文の項。
眠気を及ぼすようなタイミングでなく、むしろ冴えてる時に読んでたのにあくびが一つ二つ…そんな中「文章を読んであくびはうつるのか」の文字が!
「あくび文章」であくびはうつるということを自らリアルタイムに体験してちょっとビックリしました。
近鉄・オリックスのファン考察の論文があるのなら、我らがホエールズ・ベイスターズファンの考察論文もあるのかな…「常にネガティブ」「悟りを開いている」とも言われる性質、誰か考察してくれてなかろうか。あるならいま一番読んでみたい論文かも。
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ヘンな論文を紹介していくだけの本かと思っていたら、論文とはそもそもどういうものなのかが、読んでいくうちにわかるようになっていてとても面白かった。人の興味関心はとても広くて情熱的。続編を期待しています。
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あくなき好奇心がなせる所業ですね。
うちの奥さんと同姓同名の人も論文書いていたので、家族で盛り上がりました。
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<目次>(原本は「第×本目」の表記)
第1章 「世間話」の研究
第2章 公園の斜面に座る「カップルの観察」
第3章 「浮気男」の頭の中
第4章 「あくび」はなぜうつる?
第5章 「コーヒーカップ」の音の科学
第6章 女子高生と「男子の目」
第7章 「猫の癒し」効果
第8章 「なぞかけ」の法則
第9章 「元近鉄ファン」の生態を探れ
第10章 現役「床山」アンケート
第11章 「しりとり」はどこまで続く?
第12章 「おっぱいの揺れ」とブラのずれ
第13章 「湯たんぽ」異聞
<内容>
早稲田大学大学院博士課程を出た芸人「米粒写経」のサンキュータツオによる「論文探索」の旅。不真面目なんだか真面目なんだか…(第2、3章など)。11章のようにコンピュータによる分析もあるし、12章はブラメーカーはとてもほしいデータでしょう。しかし、この本の真骨頂は第13章。あとがきに載る論文の執筆者との交流から論文データの無断借用の話まで。極めるならここまで!という部分でしょう。博士課程を出た方らしく、執筆者側に寄り添う姿勢や、読みものでなく「論文」とは何か、研究とか何かをきちんと示す書き方。内容とやかくよりも、こうした地道な研究がある日、光明へとつながることを知ってほしいな。
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ばかげている(ように見える)事に全力で取り組む大人って良いな。
そんな熱いものたちへの 著者のコメントが笑えます。面白かった。
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ずっと読みたくて、読んでみたら期待以上に面白かった!!
くだらなく見える論文たちの奥深く。一つ一つにロマンが詰まっていて、またそのことに気付かされ圧倒され、学ぶことの楽しさを再確認した。
芸人ということもあり、ニュアンスや語彙、視点や文が面白かったのも+。
研究者たちの立場にまで立って、くだらなそうな内容の論文の話なのに、凄く心に染みる場面が多々あった。論文からこうした感情を得られるというのも新鮮だった。
研究者たちが人生をかけた研究。積み重ねた事実。とても優しい重みがある。
学生時代、授業などで論文を書く今、この本を読んで良かった。これから卒論などがあるけれど、この本から得た研究のモラルを重んじて、取り組みたいと思った。学問って面白い!!
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こう読んでいくとはじめてこの論文がやろうとしていることがわかる。人はわからないものや計り知れないものを、どうにか「物語」に落とし込んで理解しようとする。外れたもの、異形のものを語るときにも、安定した「物語の型」を古くからいくつももっているということだ。ここにこの論文が見つめる「人間とはなにか」ということを考える姿勢がある。(pp.15-16)
目の前で起こっている現象と、その原因を特定していく作業。それは、ボケにツッコミを入れていく作業に似ている。ここが間違っているのではないか、この原因じゃないとしたら、こっちなのではないか、などと、「おかしいと思うこと」に「これが原因じゃないか」とツッコミを入れていく。そして、いろいろな可能性を、1つずつつぶしていき、1つの結論にたどりつく。
多くの人は、結論だけを知りたがる。しかし、研究で大事なのは、「ほおかの可能性」を削っていく作業なのである。これが、一般の人の噂話や憶測と、学問の違いである。ほかに考えられる可能性をすべて試し、しらみつぶしに調べていった結果、浮上してきた「犯人」=事実を、疑いようもない状態にまでもっていくのが、「真実」化の作業なのかもしれない。(中略)プロセスも結果である。インスタントコーヒーの謎からはじまり、入浴剤までをカップに入れるところまでやってはじめて見えてくる「景色」というのがあるのだ。(p.81)
読者のなかには「しりとりなんか計算して何になるんだ」と思う人もいるだろうが、実はこうした一見無意味な研究にこそ、学問の醍醐味がひそんでいる。こうした研究で明らかになった事実や構築された理論は、我々の実生活で確実に役に立っているのである。このような処理能力の高いプログラムが、みなさんの身の回りにある電子機器などに使われていることは言うまでもない。(p.167)
この、一見論文に残すべきではないかもしれない「湯たんぽの謎は、深まるばかりである」という言葉の裏に、新たな謎に出くわしたときの、学者の心の底からの喜びが読み取れる。このあたりまできて、私は、これはなにか尋常ではない、深淵なるものに触れている感じがしてきた。笑いながらも、真剣になにかに向き合っている人の強さに触れた感じがしたのだ。(p.196)
研究とはエンターテインメント、これが私の主張である。なにより研究している本人が一番ノリノリで興奮しているのだ。さらに、同志もいると、偉大な謎の前に、ああだこうだ考えながら、議論を交わす「プロセス」と、「結果」の面白さが、そこにはあるのだ。
答えを暗記するのではなくて、問いを立て、問いに学ぶ。(p.217)