紙の本
丁寧で読みやすい漂流記
2019/08/19 00:56
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投稿者:ニック - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の数ある漂流記の中でもっとも面白い内容。光太夫たちの一進一退の苦労話が章立てで整理されていて、記述も丁寧で読みやすい。下巻やいかに。
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大黒屋光太夫
2023/01/17 09:37
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投稿者:たんちょれ - この投稿者のレビュー一覧を見る
当時、不凍港を求めて南下政策を進めていたロシアは、日本語話者の養成を急務としていた。その目的の達成のために、日本からの漂流民を強制的に日本語教師とした。数々の悲劇が生まれたが、日本語教育を目指す者にとっても、その歴史を知ることは有意義であろう。
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極限まで追い込まれた人間の心理が、大迫力で描写されている
2020/06/06 22:01
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投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸への平穏無事な航海を祈念して、冬の穏やかな日にいつも通り伊勢白子を出航した神昌丸。
物語はあっという間に激しい時化の場面に進んでいく。ここから先の概略は以前に井上靖氏のおろしあ国酔夢譚で読んで知っているのだが、吉村先生らしく生き生きと描き出される登場人物の描写にのって映画でも見ている様に展開していく。 ようやくアリューシャン列島の小島に漂着、ここから長い長い旅路が始まる。
その中に原住民やロシア人との心温まる交流が織り込まれ、距離の長さを感じさせることはなかった。
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江戸時代、ロシアに流れ、生還した男
2020/06/04 21:58
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投稿者:トリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉村昭の漂流があるを描いた作品には言わずもがな、「漂流」があり、それは小笠原の無人島に漂着した話。この「大黒屋光太夫」はロシア領にたどり着き、彼の地の女王に謁見してから日本に生還した男の話。
ロシアでの現地の人々との交流、訣別が特色だと思った。
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映画化もされていましたね。江戸時代ロシア領に漂流し、生還を果たすまでの物語。
シーホルトの娘、についで吉村さんの本の中ではお気に入りです。
異国で病に倒れた者、帰国が決まる直前にロシア正教の洗礼を受け鎖国政策の日本に帰れなくなった者、帰国の船に乗ったにも関わらず上陸直前に船の中で病に倒れた者。
様々な運命に翻弄されながらも、奇跡的に生還を果たした主人公。
それぞれが持つ、強い郷愁。それに共感を覚えました。
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主人公達が帝政時代のロシアに漂着する。
仲間の病死やロシア女性との結婚しそうになったりする困難な中、日本への帰郷の念を改めてもつ主人公 光太夫に尊敬する。
当時のロシアに、遭難した日本人を保護・集約し、教師として雇用し、日本人学校を開校している事に初めて知りました。
アメリカほどの積極的でないにしても貿易開始を目指す一つの材料として、インフラ整備をしているロシアの先見の明に驚く。
にしても仲間が凍傷により足を切断せざるを得ないぐらいのロシアの寒さは、想像を絶します。
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江戸時代の18世紀末、伊勢の国から江戸へ向かう予定であった大黒屋光太夫一行は嵐にあり、アリューシャン列島のアムチトカ島に漂着。同島はアメリカが1960年代後半から 地下核実験を行った島である。
当時鎖国下にあった日本に 帰るにも帰られず、また島をでるにもでられす、
次々と仲間たちが死んでいく中 光太夫らはペテルブルグのエカテリーナ2世に謁見をゆるされ、約10年後に帰国する。
同じ題材を取材した井上靖の「おろしや国酔夢譚」と比較して読みたい本である。
吉村昭晩年の作だが漂流のほうが人間がよく描けていたと思う。
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江戸後期にロシアに漂流した大黒屋光太夫の生涯を描いた歴史小説。遭難時の切迫感ある状況描写など吉村昭らしさをふんだんに感じることができる。
劇画の舞台に引き込まれる、というイメージなのか。
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安定の吉村昭。今回も淡々とした筆致に引きこまれている。経緯も結果も知っているのに、先が読みたくてしょうがない。
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【本の内容】
<上>
若き水主・磯吉の人間臭さのにじみ出た生々しい陳述記録をもとに紡ぎだされた、まったく新しい光太夫たちの漂流譚。
絶望的な状況下にも希望を捨てず、ひたむきに戦いつづけた男の感動の物語。
<下>
十年に及ぶ異国での過酷な日々。
ロシア政府の方針を変更させ、日本への帰国をなし遂げた光太夫の不屈の意志。
吉村歴史文学、不滅の金字塔。
著者渾身の漂流記小説の集大成。
[ 目次 ]
<上>
<下>
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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光太夫と仲間に次々と襲い掛かる困難が読んでいて辛い。吉村昭の小説は、「もし自分がこの立場だったら」と想定すると本当に苦しい。が、つい読んでしまう。下巻が楽しみ。
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鈴鹿から出航し,暴風雨のために半年以上も漂流したあげくにアリューシャン列島に漂着.その後,数年を経て島を脱出,カムチャッカ,オホーツク,ヤクーツク,イルクーツクまで移動.光太夫とその仲間は,次々と斃れ,帰国の目処も全く立たない,というところまでが上巻.
大黒屋光太夫の話は実話だが,本書も比較的淡々と話が進み,脚色部分は少ないと思われる.下巻が楽しみ.
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1985年にTBSのシベリア大紀行と言う番組で椎名誠が大黒屋光太夫の足跡を辿ってるのを観た。その番組が印象深く、その影響で井上靖のおろしや国酔夢譚を読み、後に映画化されたものも観た。でもなぜか椎名誠のシベリア追跡やTBS取材班のシベリア大紀行は読んでいない。その後、2003年に吉村昭の大黒屋光太夫が発行されたので読みたいと思っていたのだが、ようやく読み始めた。
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2017年12月4日、読み始め。
2017年12月10日、98頁まで読んだ。
2021年5月15日、追記。
大黒屋光太夫、どのような人物か?
ウィキペディアで見てみた。
大黒屋 光太夫(だいこくや こうだゆう、宝暦元年(1751年) - 文政11年4月15日(1828年5月28日))は、江戸時代後期の伊勢国奄芸郡白子(現在の三重県鈴鹿市)の港を拠点とした回船(運輸船)の船頭。
天明2年(1782年)、嵐のため江戸へ向かう回船が漂流し、アリューシャン列島(当時はロシア領アラスカの一部)のアムチトカ島に漂着。ロシア帝国の帝都サンクトペテルブルクで女帝エカチェリーナ2世に面会して帰国を願い出、漂流から約9年半後の寛政4年(1792年)に根室港入りして帰国した。
幕府老中の松平定信は光太夫を利用してロシアとの交渉を目論んだが失脚する。その後は江戸で屋敷を与えられ、数少ない異国見聞者として桂川甫周や大槻玄沢ら蘭学者と交流し、蘭学発展に寄与した。甫周による聞き取り『北槎聞略』が資料として残され、波乱に満ちたその人生史は小説や映画などで度々取りあげられている。
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江戸時代に船が難破してアリューシャン諸島(シベリアとアラスカの間の島)に漂着したあとロシアに脱出し,エカテリーナⅡ世に謁見した後に日本に帰ってきた実在の船乗りの話。