トリコさんのレビュー一覧
投稿者:トリコ
紙の本リーダーたちの日清戦争
2022/01/29 13:16
開戦から三国干渉まで、日本と東アジアの命運
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日清戦争と言えば、「勝ったのだから特に問題はないのでは?」と思いがちだが、近代日本初の対外戦争について、そう簡単に事が進むわけはない。
開戦から三国干渉までの政治・外交を、伊藤博文・陸奥宗光をはじめとする政治家、外交官、軍人らの動向と判断に着目して解説されている。
「開戦に向かって突き進む陸奥、引きずられる伊藤」というイメージは正しいのか?
「なぜ日本は三国干渉を受け入れたのか?」
という根本的な問いに迫る。
紙の本ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー The Real British Secondary School Days
2021/08/20 07:01
子育ては終わったけれど、読んでよかった!
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
子育て世代でなくても
・読むと少し気持ちがやわらかくなる
・そんな中でときどきザラつく話もあるけれど
・言葉にすることの大切さ
・言葉にしてはいけないことのむずかしさ
・いろいろ教えてくれた。
紙の本ヒトラーとナチ・ドイツ
2020/06/28 12:18
なぜ「ヒトラー」が生まれ、死んでいったのか
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
大筋では、ヒトラーの生涯を、彼の思想形成や政治家としての事績をたどりながら、ナチスがどのような存在で、なぜホロコーストのような残虐な殺戮が行われたのかを描く。
歴史学者の本だが、非常にわかりやすかった。
2023/03/30 22:36
あふれる熱い涙
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この前、新聞で文庫化されたことを知って購入。
RCにあこがれて、ファンからマネージャーになった片岡たまきさんの著書。
清志郎との距離感が、かざらない文章で語られています。
竹中直人さんの寄稿文が新しく加わっています。
やっぱり、清志郎はやさしくてかっこいい。
紙の本日本の歴史問題 「帝国」の清算から靖国、慰安婦問題まで 改題新版
2023/02/13 08:42
論点をより明確化された新版
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『国家と歴史 戦後日本の歴史問題』(2011年)の改題新版。
歴史問題を考える上での「サンフランシスコ講和体制」(講和条約体制)の定義や考察の枠組みが、新版ではより明確に示されています。
本としてのまとまりもよりよくなっていると思います。
2022/06/19 09:18
スペインのキリスト教による悲惨な行い
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最近、遠い昔の高校時代の先生が薦めていた本を手にするようになって、この本もその中の一冊。
「君らの善悪の感情で読むな」みたいなことを言われたことを思い出しつつ読んだ。
2022/04/02 07:05
歴史の醍醐味
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江戸時代、熊野を歩いた旅人たち。
彼らが残した道中日記を、青森から鹿児島まで探し集め、旅人たちの姿や街道沿いの社会の様子をよみがえらせる。
知らない世界へと導いてくれるとてもよい本。
2021/04/17 08:41
読み直したくなる名著
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言わずと知れた、安丸良夫氏の名著。
ときどき、世の中の流れと自分の内面のバランスが取れてないな、などと感じた時に読み返す。
「無自覚のうちにそのなかに住むことを強要してくる習俗的なものが圧倒的に優勢でそこからはみだすとおちつかなくなり、ついにはほとんど神経症的な不安にさえとりつかれてしまうところに私たちの社会の過剰同調的な特質があるのである」
という、「はじめに」の一文に救われる気がするのである。
2021/01/31 08:10
栗城史多とは、何者だったのか
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栗城史多とは何者だったのかを知りたくて読んだ。
著者が終始「栗城さん」と呼び、自分と栗城氏との間に一本線を引きながら描いていることにまず好感を覚えた。それでいながら、栗城さんの死は自分に責任があるのでは、と自問したりする場面も。
栗城氏が、夢枕獏『神々の山嶺』を見ていたことはしらなかった。
2023/07/22 08:38
圧倒されました
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石川夫妻への聞き取りをもとに、細部まで構成がとてもよく練られていることが伝わります。本人の文字の修練から問題に気づき向き合うまでの描写には心打つものがあります。
紙の本消費者をケアする女性たち 「ヒーブ」たちと「女らしさ」の戦後史
2023/01/14 11:49
歴史理解や生活の中で見落としてきたものを気づかせてくれる
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「ヒーブ」という言葉はちょうど1年前、『現代思想』での家政学の特集で掲載された著者の論文で知ったばかりだった。そのこともあり、「ヒーブ」自体についての知識を吸収するためにまず第3章あたりから読みたくなるが、きちんと最初から読み進めるのがおすすめ。序論で前提的に示された統計は意外だった。
紙の本街と山のあいだ
2022/09/19 13:51
等身大の山
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著者の若菜晃子さんは『山と渓谷』の編集部ご出身。
しかし、配属前はほとんど登山の経験もなかったという話から始まり、読者に親しみを与える。
一冊の中で取り上げられる山も日本アルプスでも一般の縦走であったり、誰でも登れるような低山。エピソードも山の経験者であれば頷いたり場面が思い浮かんだりするものが多い。そのなかで、著者の山や人へのまなざしがしっかり伝わってくる。
刊行されてから時間がたってから読んだが、よかった。
2022/06/12 08:16
理解できないものにどう接するか
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「イスラームとは何か」を知り、考えるための入門書的書籍だが、完全には理解できないものに対してどう接するか、という大切なことを教えてくれる本だと思った。
紙の本イギリスの歴史
2022/06/07 23:16
大著だが初心者にもわかりやすい
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数多くの著作がある君塚直隆氏がイギリス史を古代からコロナ禍の今日までを描く。
断片的な知識しかない自分にとっても分かりやすかった。また、表紙カバーがとても美しく、本を所有するという喜びも味わえる一冊。
2022/03/31 21:24
旅と冒険の間
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カバー装丁に惹かれ、しばらく前から欲しかったのだが、桜が咲くころになってようやく購入。ヒマラヤの奥地での行事を見るために、川に沿ってさかのぼる。
著者は冒険ではない、というが、危険をともなう旅。
写真は陰影のつけかたがとてもよく、現地の子供たちの表情が印象的。