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商品説明
「古事記」「日本書紀」の元となり、大化の改新の端緒となった乙巳の変で消失した〈初の国史〉。蘇我馬子の命で聖徳太子が編んだ国史をめぐる時代小説。集英社WEB文芸『レンザブロー』、『青春と読書』掲載に加筆・修正。【「TRC MARC」の商品解説】
推古天皇の甥である厩戸皇子(聖徳太子)は、大臣の蘇我馬子から、ある話を持ちかけられた。それは、成文化された国史をつくる、ということだった。学識と才能に恵まれた厩戸皇子は、王位継承などのまつりごととは無縁の生活を送っていたが、この依頼に興味を抱き、作業を開始する。
「古事記」「日本書紀」のもとになったといわれ、のちに焼失したという幻の史書の編纂を描いた時代小説。<br>
〈目次〉
アマテラスオホヒルメ
おのごろ島のいざない神
日出ずるところ磐余の天子
葛城の高木の神
【本の内容】
収録作品一覧
アマテラスオホヒルメ | 7−69 | |
---|---|---|
おのごろ島のいざない神 | 71−128 | |
日出ずるところ磐余の天子 | 129−188 |
著者紹介
周防 柳
- 略歴
- 〈周防柳〉1964年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。「八月の青い蝶」で第26回小説すばる新人賞を受賞して作家デビュー。他の著書に「逢坂の六人」「虹」など。
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紙の本
周防の倭国起源神話の小説
2019/08/05 15:54
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
周防柳作の古代神話に関する話題である。周防の別の作品、『逢坂の六人』は古今和歌集の編纂を主上から命じられた歌人4名の話から始まっていた。したがって、平安時代の話なのだが、これはなかなか興味深く読めた。登場人物、中でも紀貫之が現代によみがえったかのように活躍する。
今回はタイトルにある通り、厩戸皇子、すなわち聖徳太子の神話とある。厩戸皇子の神話とは何かという点で興味があった。厩戸といえば、私にとっては黒岩重吾の作品が強く印象に残る。意地の悪い推古天皇に虐められながら、その性格のゆえに大王位には就けなかった。かなり小説風ではあるが、他にこの時代を描く作家はあまりいない。
周防のいうところの神話(かみばなし)とは何であろうか? 厩戸皇子は政にはあまり関心がない。したがって、日々の政務などはないに等しい。そこで厩戸皇子は国史の編纂を思い立つ。ところが、書き物になった史料などはほとんど存在しなかった。そうなれば、後は口伝しかない。見当をつけて古の大王の記憶を古老たちに訪ね歩く。ここでは船史龍という官僚が登場する。
この龍が厩戸に代って情報を収集してくる。古の大王はカタカナで表現されており、崇神大王はミマキイリヒコ、継体大王はオヘドなど、神代の時代と大王、天皇の時代における卑弥呼を含めた倭国を統一した統率者に関する伝説の神話を、龍が厩戸皇子への報告という形式で読者に伝えている。
厩戸皇子に関する神話というわけではなく、後年の古事記につながる古代情報を、官吏である船氏が記録していくというストーリーなのである。この古事記に相当する周防の作品が同じく周防の作品『蘇我氏の娘の古事記』であろう。是非とも両方を読んでみることをお勧めしたい。
紙の本
国史編纂
2019/05/02 19:55
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
厩戸皇子が国史を編纂するために氏族に伝わる伝承を集め、伝承の影にかくれた真実を探ります。
『古事記』の本歌取り、新解釈が楽しかった。
日本神話や古事記、飛鳥時代の歴史知ってるの前提なので詳しくない人にはどうかなぁ・・・。