紙の本
魂がこもった
2019/12/04 21:12
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人生に流され、田舎に住むこととなった、肖像彫刻家が主人公。
材料代もかさむため、全身像では1千万円!という価格では中々お客も集まらず、苦難の日々が続きます。
本作は、篠田さんの作品でいえば「ロズウェルなんか知らない」のようなテイストの、コミカルな小説です。
短編の連作という構成も読みやすい。
作者の多才さを感じる一冊でした。
紙の本
もしかしてあり得る?!
2019/10/22 14:35
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投稿者:ピーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
あり得ないことだと思いつつ、心を込めて作ったら姿形があるだけに、魂が宿る事もありえるかなあ・・・と感じてしまう。
そこが面白さ。
主人公がひょうひょうとした性格故に、周りの人物の強欲さや執着的性格などが浮かび上がり楽しかった。
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高山正道は、親に反対されながらもイタリアで修行し帰国。一般には理解されにくい肖像を作るも、売れず、離婚。山梨に越して工房を開き、肖像の依頼を待っている。すると作成した像がまるで生きていると評判になる。しかし依頼は一筋縄ではいかないようなものばかり来るようになるという連作短編集。
誰にでも薦められる大傑作というほどではないけれど、結構楽しんで読んだ。個人的には結構好み。
肖像を作ってもらいたいと思う人の「やや歪んだ?」願望が面白い。寺がなぜ肖像を必要とするのか。あるいは裸の女性の像を男性が欲するのか。
また、肖像を作る側の苦労や手法も興味深かった。
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肖像彫刻家として再起を図る冴えないバツイチ中年男が、様々な依頼者とかかわりながら作品を生み出していく連作短編集。
主人公は、腕に自信はあるものの生活力はなく、妻にも逃げられるダメ男。いわくありげなお寺の仏像や、亡き妻、父親などの彫刻を依頼され、その作品には魂が宿るというオカルト的な要素も。
設定やストーリーから、幾度となく荻原浩を思い出したが、元来の生真面目さから弾けかたが物足りなく、どうせならもっと軽妙さがほしかった。
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主人公の彫刻家が創った肖像が夜な夜な動き出して話し始める件に、荒唐無稽で不自然な設定に少々無理があると苦笑いしてたのですが、然もありなんと考え直させられました。
それは連休中に出会ったお祭りです。
詳しくはもう一つのブログへ↓
https://blog.goo.ne.jp/33bamboo/e/eaebbc6c9413f805eca683d30c61847f
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肖像彫刻家とは聞き慣れない言葉だが、誰かをモデルにしたブロンズ像を創る芸術家が主人公。芸術の才能はあるがダメダメな男で、女房・子供には逃げられ、イタリアに修業に行ったものの仕事はなく、53歳にしてアルバイトのような生活をしている。でも彼の創るブロンズ像には魂が宿り、依頼主のもとで不思議な現象が起きる……といったお話。介護や過疎化・高齢化などの問題も織り込まれていて、さらっと読めるわりに内容は深い。
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肖像彫刻に魂が入って、喋ったり、動いてしまう話。
印象に残った文章
⒈ 自分の両親を看取られちゃうと、男は一生、頭が上がらない。
⒉ 自分が活躍できるフィールドで生きていくのが人間は一番、幸せだから。
⒊ 墓石を眺めながらの宴会が始まる。
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美術教諭をしていた妻に養われていたが、息子の高校入学を機に妻は息子を連れて家を出て行った。その後、肖像彫刻家を目指しローマの工房で修行して日本に帰って来た正道。彼の造る彫刻には魂が宿り、動きだしたり、話し出したりした。
八ヶ岳山麓で暮らす53歳のバツイチ男・彫像彫刻家の物語。
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面白かった。最初、怖いお話かと思ったけど(怖い部分もあるにはあったが)微笑ましい感じのいい話だった。
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芸術家ってそれだけで食べていけるのだろうか? 実家に余裕がある人達ってイメージ。←勝手な思い込みだと思うけど。
離婚などを経て、彫刻家として再出発。すると、彼の作品には魂が宿ってしまうようで……。立体物に魂が宿ると、ビビるな。それが愛しい人ならまた別なのかもしれない。彫刻からそれぞれの人の人生が垣間見えるのが面白い。
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面白かった。
爆笑とかそういうものではないのだが、
梅雨でどんよりと 心と体が重たいこの季節にはぴったりかもしれない。
文章の醸し出す雰囲気は
「ナミヤ雑貨店の奇蹟」とか「つくもがみ貸します」のような
ちょっとファンタージーが入っていて、
人間の業や想いがキーになって 話が進んでいく。
(今作は ちょっと煩悩が強い依頼主が多いのだけど・・・・)
芸大を出てそこそこ賞をとったものの
食うに困り 嫁と息子に出ていかれた彫刻家の主人公 正直
イタリアで修業を積んだものの 技術は手に入れたが
パッと世に出ることはなく 日本に帰ってきた。
そんな 正道の作る肖像彫刻は ちょっと訳ありばかり。
本体の仏像を売ってしまって、ダミーを作らせる強欲住職や
若い女に入れあげて亡くなった著名な学長の銅像などなど
その像が・・・・・
ちょっとツッコミを入れながら 雨の休日に読むのにお勧め。
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うーん。
私の勝手なイメージだけど、篠田節子らしくない感じ。
なんとなく、社会風刺的な内容を掘り下げて書く人…というイメージだったけど、この本はもう少し軽め。
雪姫さんのくだりは読み飛ばしても良いかしら?という気になってしまった。
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バツイチでうだつの上がらない彫刻家,イタリアに行っている8年間に両親が亡くなっていた.というような事情はままあるかもしれないが,ここからが面白い.八ヶ岳の見える山梨県に工房を開いてとにかく彫刻では収入はなく,それでも大家さんなどに差し入れなどもらいながら傍目にはのんびり暮らしていくところ,大物だ.そして,怪しい寺の住職に秘仏の製作を頼まれてから,どたばた喜劇風のエンタメ小説になる.がこれがまたなかなかで時々ホロリとする場面もありとても良かった.
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悪い意味ではなく、篠田節子さんらしからぬ作品。
今までのイメージで、笑うところなのかそうではないのか微妙なシーンが多かったけど。
主人公はさておき、時々登場するお姉さんの言葉遣いが好きになれず。
強欲住職(笑)が出てきた辺りは面白かった?けど、恋愛グッズ販売や怪談サイトに投稿された話が長々と出てきたあたりから…離脱。
ちゃんと読めばよかったかな。
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イタリアで修行を積んだ銅像彫刻家
帰国後、少しずつ依頼を受け製作を始めるが…
介護の辛さ
寺院の実情
人生最後の道楽
忘れられない恋人
あの世への旅立ち
歳を重ねる毎に思い当たるであろう出来事が
テンポよく描かれている。
各章の話のオチは弱いけど
人々の会話にユーモアがあって
ほんわかするお話だった。