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昔は面白かったな 回想の文壇交友録 (新潮新書)
小林秀雄や川端康成など、活気にあふれたかつての文壇での交友と逸話の数々、戦前・戦後の忘れがたい情景、現代の文学状況への危惧…。作家・石原慎太郎と文芸編集者・坂本忠雄が、文...
昔は面白かったな 回想の文壇交友録 (新潮新書)
昔は面白かったな―回想の文壇交友録―(新潮新書)
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商品説明
小林秀雄や川端康成など、活気にあふれたかつての文壇での交友と逸話の数々、戦前・戦後の忘れがたい情景、現代の文学状況への危惧…。作家・石原慎太郎と文芸編集者・坂本忠雄が、文学と政治、死生まで縦横に語り合う。【「TRC MARC」の商品解説】
作家として政治家として半世紀余、常に時代の最前線を駆け抜けてきた石原氏と、文芸編集者として同時代を歩んできた坂本氏。小林秀雄や川端康成、三島由紀夫など、活気にあふれたかつての文壇での交友と逸話の数々、戦前から戦後の忘れがたい情景、時代と読者から遠ざかる現代の文学状況への危惧――五度に及ぶ対話を通して、文学と政治、死生まで縦横に語り合う。【本の内容】
著者紹介
石原 慎太郎
- 略歴
- 〈石原慎太郎〉1932年神戸市生まれ。作家、政治家。東京都知事を4期務めた。「太陽の季節」で芥川賞受賞。
〈坂本忠雄〉1935年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部独文学専攻卒。元『新潮』編集長。
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文壇エピソード集として面白かった
2022/04/09 00:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
薄いのでさっと読んでしまいましたが、「昔は面白かったな」のタイトル通り、石原慎太郎が往年の「文壇」の存在を懐かしみながら(そして、その喪失を嘆きながら)、人生で出会った様々な文豪や評論家たちの一面を多くの挿話で語って読ませました。
「川端さんは三島さんの首を見たわけだ。それはショックだったと思うよ。それから川端さん、おかしくなってね。時々家で、「三島君が来たよ。扉を開けてあげなさい」とか訳の分からないこと言うようになった。」(55頁)
(三島について)「でも三十まで童貞だったんですよ。あの人。女を知らなくて。三島さんってのは本当に不思議な人だったな。」(59頁)
「文士の、火花を散らす触れ合いみたいなのも無くなっちゃったね。」(85頁)
「最後にペルカンが言うじゃない。「死。死などない。ただ俺だけが死んでいくんだ」って。「死」はそれに尽きますよ。」(133頁、マルロー『王道』より)
「このごろの日本人は主要矛盾(背景にある大きな矛盾)は考えなくなった。従属矛盾(目の前の矛盾)ばっかりだな。」(140頁、毛沢東「矛盾論」について)
「あの当時は、サロンというものがあったね。文藝春秋が主催する文士劇とか講演旅行とか、そういうものを通じて何かと作家同士、行き来があった。それに加えて文壇の核になるような、非常に存在感ある作家がいた。小林さんも川端さんも、寡黙なんだけど、黙っていても大きな存在感がありましたよ。」(148頁)
「南ベトナムはやっぱり持たない、日本もそのうち共産化されるんじゃないか、そう思い詰めて政治家になる決心をしたんです。」(166頁、同旨119~120頁)
「三島さん、実は自分が出るつもりだったんだな。・・・ 結局、僕と今東光が出たからやめたんだけど、・・・ 聞いた話では、三島さんぼやいてたらしいよ。「ああ嫌な世の中だ。石原や今東光まで政治家になって、ノーベル賞は川端さんにとられて、俺はもう生きていたくないな」って。」(166頁)
「そしたら美濃部だけ夜中に芸者を引っ張り込んでたの。部屋が一列に並んでるから気配でわかるわけだよ。」(176頁)
(平成天皇について)「天皇陛下は、将来どんな人間になりたいかと聞かれて、「透明人間」って答えたという話があるんだよね。」(184頁)
「携帯とかネットは本当よくないよ。思考の幅が狭くなるし、情報も狭くなる。大きく拡大してものごとを考える習慣がなくなっちゃうもの。だから本も読まれない。」(184頁)
なお、105~114頁を読んで、ジャンケレヴィッチの『死』を購入してしまった評者でした。