紙の本
2021年12月にアンコール放送がされる100分de名著 「カール・マルクス/資本論」
2021/12/09 11:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容のより深い理解には指南役・斎藤幸平さんの著書『人新世の「資本論」』 集英社新書 がお薦めです。商品と富は別物とのこと。社会の富:図書館、公園、美しい自然などそれらは金銭的評価が全てではない。首相が「新しい資本主義」で成長し続けるとかよくわからないことを言っているから見ておいていいと思う.「新しい資本主義」なるものがそんなに簡単にできるのなら世界の問題はほとんど解決するだろう
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資本論そのものは富からはじまる
2022/09/24 12:29
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投稿者:せきた - この投稿者のレビュー一覧を見る
富への言及が印象に残った。
コミュニズムは、共益(コモン)と商品化との相克という見方もあるのだな。
マルクスはディーセントワークを達成するには資本主義には致命的な欠陥があるという警告をした。今、その本意を掘り起こすべく研究が進んでいるらしい。
労働者の自律といった幸福のありかに関心を注いだのもマルクス独特の視点ではなかろうか。
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P5 後L4 P6 L8 P9 L7 P10 L2 L11 L1 P12 L9 P20 L2 P28 L3 P35 L3 P38 後L4 P41 後L5 PL1 P48 L8 P54 L6 P61 後L5 P65 後L5 P69 後L4 P75 L7 P79 L5 P84 L8 P87 L10 引用 P91 L10 P94 L8 P97 後L2 *学校給食 後L4 P104 L9
P108 後L7 P109 L1 P110 L1 P112 L6、後L3 P115 後L4 P117 L8 P118 L6 P119 L6 P121 後L6 P122 L1 P123 L2 P125 後L2
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マルクス・レーニン主義のせいで「なんかヤバそう」ってイメージがとても強かった『資本論』ですが、全くそんなことありませんでした。過激じゃなかったし、今までの共産主義国のような体制を望んでいた訳でもない。正直誤解していました。マルクスさんごめんよ…。
私が生まれた頃にはソ連も崩壊していたので、資本主義が正義、資本主義は万能みたいな教育を受けてきました。が、そんな私でも「ああ、確かに資本主義そういう問題あるや」と考えさせられる内容になっていました。世界が広がった。
読んでよかったと思ってます。
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冬休みに教養を付けようと思いバスケット買いした一冊。
「資本論」て聞いた事はあるけれど、一体なんだろうという程度の事前知識レベル。
資本主義を悲観的にディスり過ぎている気もしたが、資本主義の抱える問題点を的確に指摘していると思う。過労死や貧富の拡大など、昨今の社会問題を例に、資本主義の避けられないシステム上の問題がなぜ起きるかを解説してくれている。
資本とは、富とは、労働とは、価値とは、など再考させられる。
目指すべき将来像として、アソシエーションの考え方は共感できた。
SDGsもこの流れを組んでいるのだろうか。
読む前は「マルクスって社会主義とか共産主義の危なそうな人」というイメージだったが、読後は「人間を愛し、労働力の搾取から解放され、より人間らしい労働で活き活きとあるためにはどうすれば良いかを真剣に考えた人」というイメージに上書きされた。
残念なのは具体的な解決法が、資本論の完成前にマルクスが亡くなってしまい語られていないこと。
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同著者「人新世の資本論」の解説になっている。
要旨は最終ページに集約されている。
近年の経済格差、気候変動、~「資本主義は、そろそろ限界かもしれない」と感じている人は、若い世代を中心に確実に増えています。~では、どんな社会、どんな世界で暮らしたいのか。~喫緊の課題ですが、私たちに今、そのはっきりとした答えはありません。特に戦後生まれの世代は、資本主義モデルしか知らず、しかし旧ソ連のような社会も望んではいません。~国際的な連帯を生み出しています。~そうした事例に学びながら、知を持ち寄って、偏見なしにあらゆる可能性を考える、ということではないでしょうか。~マルクスが、今日の社会的、経済的課題に対する唯一の絶対的答えを持っているというわけではありませんが、少なくとも彼は、資本主義的な経済的成長で問題解決を図るということとは違う可能性を、最も体系的に追求した思想家の一人です。~
このバランス感は(右とか左とかで騒いでいるイケてないオッサンオバハン連中とは違い)、これからの若い人たちのスタンダードになっていくように思いました。(40後半のオッサンより)
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資本主義経済体制は克服されるべきか? 新自由主義の弊害
異常な株式時価総額経営、環境破壊による地球の限界=外部不経済の喪失
これらはコインの裏表 コロナがそこに外生的なショックを与えた
人々の関心は「経済体制」の持続性に向けられている
かってのケインズ革命のような体制内改革で克服できるのか
はたまたポスト資本主義体制が新たに構想・実現するものなのか
人類は試されようとしている
そのような時代認識の下で「Marx資本論」への関心が高まっていると理解する
1.現下の世界情勢は「資本主義経済体制の持続性」を問うものだと言うこと
株式時価総額の拡大に依存した経済成長モデルは、「所得の格差」の何倍もの「資産の格差」を生み出している。
ケインズ経済はフロー経済の格差是正を実現したが、資産=ストックには手が出せていない
それは政治の領域、あるいは革命の概念になってしまう
2.経済学の対応
現在の正統派経済学は、ハーバードの新古典派総合であれ、シカゴの新自由主義であれ、
「ミクロの競争原理」を最優先するもの、結果としての「格差」は是認される
その社会不正義に問題提起をしたのが、宇沢弘文・岩井克人らが
「市場経済」だけでは「良き社会」を作れない
「社会インフラ」を「非市場経済」の「社会的な選択」として整備すべし
とするも正統派経済学のアカデミズムから排除された
3.現下の経済の原理は「株式時価総額」 富はすべからくここに集中される
リーマンショックなど度重なる経済ショックを吸収して、時価総額は拡大一途
それは最終的な破綻局面に入りつつあるのではないか
バフェット指数 株式時価総額はGDPを上回らない 検証はできませんが
4.コロナ戦争
そこへコロナ問題 対策費は桁違いの財政支出をもたらし、短期的には景気拡大効果を実現
あたかも「コロナ戦争」を闘っている戦争経済の好景気のようです
併行する金融緩和が株高をもたらしていますが、問題は戦争終結=財政調整の処理
5.無限経済成長の限界と地球環境の制約が資本主義経済の限界を感じさせ、
人々の問題意識を代わる経済体制に向かわせているのが、「資本論ブーム」のような気がします
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資本論を読もう読もうと思いつつ、なかなか進められなかった時に出会いました。
「物質代謝」や「富と商品」等のキーワードを立てながら、「富」の商品化、労働者の搾取、環境問題まで、資本論から読み取れる様々な資本主義の問題点をわかりやすく解説してくれています。
(まだ一回目ですが(1月11日現在)、番組の方もわかりやすくてよかったです)
全然進められなかった資本論も、徐々に読み進めていきたいと思います。
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資本論、マルクスの思想について、こんなに分かりやすい解説を読んだことがなかった。
マルクスは、「囲い込み」によって資本家に奪われた「コモン」を取り戻すことを通して、新たな社会のカタチ(=コミュニズム)を提示した、というのは、目が開かれたような気がした。
堅苦しい社会主義国家論ではない、グランドセオリーのベースになる読み方なのかもしれない。
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2.過労死について
資本とは、価値増幅の運動である。
資本主義 : 金→商品→金 金主体 金には限度がない!どんどん金儲けしよう。
中世 : 商品→金→商品 商品主体
2つの自由によって、自由な労働者は過酷な奴隷よりも効率的に働かされている!!
自由1=強制労働からの自由
自由2=生産手段からの自由
生きるためには、自身の労働を提供し、生計を立てなければならない。
仕事しなければ生きていけないという「恐怖」
自分で仕事を選んだという「自負」
職責を全うしなければならないという「責任感」
→社会の仕組みや、個人の意志で、「無理に働かない」方向に導かなければ働いていしまう!
3.イノベーションが「クソどうでもいい仕事」を産み出す
イノベーションにより、人の仕事は細分化され、分業され、独立した仕事を行えなくさせる。
=産業ロボットの一部として働かされる
機械は、人間を労働から解放する のではなく 労働を内容から解放する
自分の仕事は価値を産み出しているか?
独立しているか??
→社会を魅力的に!労働を魅力的なものへ!
→イノベーションの悪い側面を知れた。
4.コモンについて
誰もが必要とするものはコモンとしてシェアしよう
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行き過ぎた資本主義に対する問題意識と、これに対するマルクスの再評価はおおいに価値がある。マルクス本人の草稿についての情報はワクワクした。ただし、マルクス個人を持ち上げ過ぎているきらいがある。
農業に関する部分など、かなり偏った情報に基づいていたり、論議が浅いと感じられる。この本の解説を額面通り受け止めるべきかは、個人的に疑問を感じる。それぞれが考えるしかない。
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ここ最近ずっと今の世の中の生きづらさ、格差問題や環境問題、政治の腐敗とこの先向かう日本の未来などなどどうしたら良くなるのだろうかと考えていた。
ちょうど一年前くらいに100分de名著で取り上げたハヴェルの「力なき者たちの力」を読んだ時に、無知な私はそこで初めて資本主義という構造に対する疑問を持ったのだが、この本を読んで色々とこれまでのなぜ今苦しいのかという疑問が繋がった感覚がある。
とても分かりやすく、これからどういう方向に向かっていけば良いのか方向性が示唆されているのも良い。この著者の他の本も読んでみようと思う。
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ものすごく面白かった。今の社会の歪みがなぜもたらされているのか、解決の糸口はあるのか、わかりやすい文章で丁寧に議論されている。
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資本論ほど誤解されている本はないし、マルクスほど誤解されている人もいない。というのもほとんどの人が「資本論」なんて読んでいないのです。
私も若い時に学生運動にかぶれましたが、資本論は読めなかった。そして多くの「マルクスが言っていること」が氾濫し、わかってもいない人たちが踊り、その躍っている人たちに踊らされた大勢の人がいました。
ロシアの社会主義の実験が破綻して、資本主義が勝利したかに見えたけれども、今進行しているのは間違いなく「地球環境の危機による持続可能性の低下」であり「イノベーションの停滞による成長できない経済」である。
この本は、誤解されまくっていたマルクスについて、落ち着いて語っている本です。新しい時代を展望しようとするとどうしてもマルクスまで戻る必要があるのだと思った。100分でおさらいできる「資本論」はそうあるものじゃない、その意味でとても価値が高い。
「人新生の資本論」も読んだので、著者の一貫性が感じられたのも良かった。
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商品化され尽くした資本主義の末期、ブルシットジョブにより、残されたわずかなコモンも吸い上げられ、商品化とコードによる管理が行われる。コモン(富)を人間に取り戻すための足掛かりのヒントを得るテキスト。資本論の超ダイジェストのさわりであり、現代の諸問題を切り取る視点観点論点との照合が見事。(簡単そうにみえて、きっちり誰にでもわかるように切り出すのは、誰にでもできることではない。自分が言いたいことを、資本論にかこつけてねじ込む力がハンパないだけなようでもある。まぁでもそれぐらいじゃないと打破できないので、いいのでは。)
・著者は『未来への大分岐』でMG他への問いがエッジがあってよかった。(なお、同じくMG対談で落合某さんの問いは悲惨だった。台本が悪いだけではなさそうにみえた。)
・内容は悪くないが、濃密な本が数百円~3000円程度で読めることを考えると、ひろめるためにはKindleで100~200円ぐらいで配布してもいーのではないか。コモン再生ですよ…。本は有料にして販路にのせたほうがルートを確保できるらしいけど、電子書籍時代なので。
・『人新世の資本主義』やMEGA資本論の宣伝で出てこられたのかな?
・要点が適切に太字になっていた。
その他、個人的な感想文とメモ:
労働については例として挙げられているのがエッセンシャルワークが目立ったが、ブルシットじゃないクリエイティブな仕事はないのかな?豚自身に肉の品質管理と健康管理やQOLの一定レベル維持をさせ、自らの肉を使った謝肉祭の企画までさせている、ばかりでもないかも。しかし、クリエイティブと思ってたら、自分や身内じゃないけど、知らない豚を使った謝肉祭の企画なだけなんだろうか?コモンに寄与する仕事がいまもなくはないだろう。
「1円でも安くしろ」…と、ひと昔前は消費者のアンケートにたくさん書いてあった。
顧客のほうを向いて商売してたら、ウニ黒や島村や西松や代走、似鳥のような店が溢れかえることになった。安くしろ、と声をあげた結果は、消費者自身(弱者になるほど強く)に跳ね返るのはわかりきったことだった。
商品の価値、その背後にある、労働や人間の価値を買い叩いているからだ。
格差社会や労働力ダンピングの未来を避けるために、当時できることがあるとしたら、(1)物の価値を正当に評価し、(2)それに見合った価値や報酬(媒介としての貨幣)と交換するべきだった。
数十年を経て、ようやくトレーサビリティやサステナビリティ、エコロジーなどを問うトレンドがちょい太くなってきた。こういった価値までに商品化が進んで末期的ともいえるけれど、疎外状況を覆す小さな穴となればいいかもしれない。まあでも(1)については、価値観や評価指標やら、数値化、データ化することによって、さらに疎外…な感じはする。経済(カネ)に偏った、人の価値観が大幅に変わる必要があるけど、データをどう収穫て、料理して、どうみせてるか、そもそもわからない状態で、ファクトフルネスと言って、表層で踊らされる状況では数値指標とか毒かも、と思える。
*
資本論、なつかし~っても、読んでないに等しい。今、読���でる本たちの思想の流れの大きな上流や下流なのに。ソ連もとっくに崩壊してるし、昔、とりあえずの優をくれた先生の授業は、得るものに乏しく、私が資本論を読み切らなかったきっかけのひとつとなった。(思いっ切り、人のせいにしてみる。)資本論にたのしく興味を持つ学生を一人でも作りたくなくてあんな授業だったんだろうかと思うぐらい。あれは高校三年間教科書丸写しの板書しかしなかった数学の先生ぐらいヤバかった。(いちおう理系…。)クラスメイトは皆自学してたし、そういえば私も自分でやったし、そういや高校で取らなかった科目を受験に使ったりしたのだった。恵まれなければ自分でやるだけのことではあるけど、学校でマル経も数学もいい師に会ってみたかった。いまはYouTubeで自分に合う師も、学ぶ側のがんばりでみつけやすいかもしれないね。