電子書籍
現在進行形で行わている蛮行
2021/12/30 10:29
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投稿者:もちお - この投稿者のレビュー一覧を見る
人類史上少数民族への圧政は多いが、中国共産党の少数民族への圧政を超えた行いは報道統制が強く効いていることから、外に出にくい。ウィグル問題は現在進行形で行われていることの1つで、本書は矯正施設に送られる人々の様子やウィグル現地での中国政府関係者の行動や報道内容にはじまり、ウィグル人の歴史までを網羅したものを新書で読める貴重な一冊となっている。
これを読んで何ができるか、何をしなければならないかを考えることも大事だ。
紙の本
人権問題
2020/12/01 18:07
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本では大きく報道されない事実をここまで啓発してくれた本。他人事では済まされない人種差別以外にも様々な問題をはらんでいることが良くわかる。
紙の本
表現できない怒り
2019/09/08 17:54
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投稿者:Ottoさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
表現できない怒り、自分がなにができるか分からない失望感。
いったい、中国共産党は何をしているのか。ナチスが行った民族浄化と同じではないか。もはや中国統治に正当性のない中国共産党に、南京で30万人が殺されたとありもしないことを言い立てて、過去の日本軍を非難する資格はない。
いずれ習近平は、ヒットラーやスターリンと並ぶ大量殺人をした人物として記憶されるだろう。
紙の本
ウイグル
2019/06/25 08:53
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウイグルの問題は、なかなか解決に至らない大きな問題だなと感じています。国連も何にも役に立っていないんですね。
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G20の時にラビア・カーディルさんが来日してウイグルの苦境を訴えている映像をほんの少しだけでしたが見ました。ずっとチベットだけを注目していましたが、初めてウイグルについて意識的に調べてみようと思い立ちました。
チベットよりずっと情報が少なく書籍も少ない。そんななか出たばかりの本書を購入しました。
どれほど公平に見ても今ウイグルは民族浄化を受けている最中で、いずれウイグルの歴史も消え去り民族としての体をなさない状況になる事でしょう。デジタルの檻の中で常に監視されて、少しでも意に染まない言動が有ればすぐに連行され帰って来られるかも分からない。100万人規模のウイグル人が捕えられていると思われます。
これだけ大規模な国際的な犯罪行為が見逃されている原因としては、当然諸国の中国への忖度が有るのはもちろん、絶望したウイグル人たちが行うテロによって、中国への無差別テロを行う無法な人々というイメージを世界的に植えつけられているという事が有ります。
中国の無法な弾圧についてはチベットへの目を覆う惨状で世界が知っています。それでも限りなく国際社会で無い事にされているウイグルに対する弾圧。
子どもを妊娠しているウイグル女性を強制的に堕胎する政策なんて、どう考えても人間のする所業ではないし、それを聞いた漢民族の人々はどう考えるんでしょう。出産数を減らして、出来るだけ漢民族を入植させて結婚させ、民族ごと消し去ろうとする恐ろしい策略です。
人間はどうしてこんなにも愚かなのでしょうか。この征服欲というのは一体誰から発生しているものなんでしょう。個人だとそんな事ないはずなのに集団になるとどこの国も人もおかしくなってしまうんですね。救いが無い・・・。
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新疆ウイグル「自治区」という名称で知るこの地域が蹂躙されている事実が克明にレポートされている。現地では最近ではジャーナリストの取材は大変な困難と思うのだが、福島氏が訪れているのは2019年5月! 肝の座った取材をしている。そこにはあるのはCCTVに監視された作り笑顔、民族消滅の危機に瀕したディストピアだ。日本はウイグルの人たちに何が出来るか。中国共産党の拡張主義に如何に対峙すべきか。1章は胸を締め付けられるような現地レポート。3章、氏の主張は力強い。
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82ページまで読み、残りは流し読み。序章と第一章では新疆ウィグルの「再教育施設」による迫害を記載。日々のすべてを監視され、人権を収奪された監獄社会であることがよくわかる。しかし残念ながら、再教育施設の実態は間接的な情報に終わっている。▼最後のあとがきで、われわれ日本人がどうすべきか、悩まされる問題を書いており、考えさせられる。▼(以下はメモ)中国にとって新疆ウィグルは「一袋一路」の要の土地となる。米国における中東と同じように国際社会のパワーバランスを査収する要衝の地だ。米中新冷戦構造の中で両国とも譲れないテーマである。周りのイスラム国家は一帯一路の果実を得るために、中国のイスラム弾圧に目をつぶっている。現実は債務返済が濃事実上不可能で借金漬けの中国植民地の状況だ。サウジアラビアにとって中国は石油を買ってくれるお客様。一帯一路を支持している。「日本は中国に侵略されるという恐怖は感じないのですか。中国人民共和国は建国後まもなく東トルキスタンとチベットの土地を奪い、その土地の人々を従属させ、伝統や文化を破壊し続けているのですよ」。
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中国では読めない本、福島香織の本という事で購入。ウイグルの歴史や判りづらい中央アジアよ西域の諸民族の歴史はこの本を読んでも判りづらいので別途勉強しないといかん。第一章、二章はまとまっていて入門書としてわかりやすい内容だった。もう少し地図や写真や年表で説明して欲しかった。
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大胆で包括的な民族浄化が中国で進められています。先ずはチベット、そして、ウィグルです。宗教を否定し、髭を認めず、言語を奪う。民族のアイデンティティを収奪します。拷問や性的虐待、洗脳など強制収容所の実態は酸鼻を極めます。「天網」や携帯を駆使した監視システム下で生活する息苦しさ。ウィグルに目をつぶって、ジェンダーや人権を問題にしているのが滑稽なくらいです。中国の圧倒的なパワーのもと、国際社会の無力さが辛い。
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ウイグル自治区、そして中国の近代史を何もしらない状態で読み始めたので結構キツかった。歴史が入り組んでるのと、実際起こっていると信じたくないような内容で。転生先の異世界ですか?と言いたくなるような描写に、目を背けたくなるけど、まずはきちんと知ることが大事だと思うので、読めてよかった。
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恥ずかしながら、ウイグル問題については新疆ウイグル自治区という区域がある、ということしか知らなかった。
現地で今起きてること、今まで起きてきたこと、中国の思惑などなど非常に勉強になった。
自分がアンテナを張ってなかったのも問題だが、日本での報道における重要度の低さも問題かと思った。
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ジョージオーウェルの小説「1984」の実写版のような話でした。
監視国家による民族、宗教弾圧!が実際にあるとすれば、とても恐ろしいと思いました。
これは単に他国内の問題ではなく、民族、宗教、外交、テロ対策などなど、複雑に絡んだ問題なので、とても奥が深いです。
ぜひぜひ読んでみて下さい。
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報道などでたびたび見かけていた中国国家による、ウイグルに対する強権的なふるまい。正直これまでどこか遠いところのイメージが強かったのですが、今はウイグル問題がある意味、世界の試金石になりうるかもしれないとも感じています。
本の中では著者のウイグルでの取材の体験や、これまでの報道のまとめ、日本にいるウイグル人への取材、そしてウイグルの歴史などが書かれています。
ハイテク技術も使った住民たちの管理、強制収容、洗脳、拷問……、思い浮かべたのはジョージ・オーウェルの『1984年』だけど、あれはフィクションだからまだ救いがあった分だけマシだったのかもしれないとも思います。
ビック・ブラザーが現実化した、もしくはそれ以上の悲惨さかもしれない。本の中でウイグルと臓器移植をめぐる疑惑について結構ページが割かれているのだけど、これが本当に真実だとしたらと思うと……。そして今の中国を見ていると、絵空事にも思えない。
日本に住むウイグル人たちの言葉も信じがたかったけど、おそらく真実なのだろうな、とも思います。親戚や家族までが収容され会えない、もしくは殺されている、ということはもはや普通のこと。
それでもおおっぴらに助けを求めることもできず、同じ民族内でも、スパイを疑って心を開けない。日本国内にこんな人がいるなんて、にわかに信じられないけど、これも真実なのだろうと感じます。
中国がウイグルに関心を持つ理由というのは、民族統一のためだけでなく一路一帯構想など地政学的な意味もあるそう。そしてウイグルの支配を容認する国もちらほら見られます。それはいずれも中国のような強権的な国家。
もしこのまま中国のウイグル人支配と根絶が成功すれば、それはほかの強権国家にとってもモデルケースになるし、より広い範囲で見れば、民主主義のほころびを突き崩すきっかけになるかもしれない。社会的弱者やマイノリティを一顧だにしない強権的な考えが合理的というメッセージにもなりうる。
だからこそウイグル問題は民主主義と独裁・強権主義という価値観の相剋であり、その価値観の優勢を期せずして図る物差しになっているように感じました。
米中対立に挟まれる日本。難しいところ、考えるべきところはもちろんあると思うけれど、ウイグル問題をはじめ世界の人権問題を考えることは、民主主義の価値観を持ち続けるための、抵抗なのかもしれないと読み終えて思いました。
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現在のウイグルの状況、歴史的経緯、これからのこと、を丁寧に記述している。情報源について、インタビューについても、歴史の部分についても、あやふやな部分はしっかり明示しているあたりさすがであり、単なる中国批判・ウイグル同情論ではない。
最後の、我々に提示された3つのアプローチまで含め、ウイグル問題の素人がウイグル問題に首を突っ込むにあたり、非常に有意義な本。
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新疆ウイグル自治区でウイグル人が置かれている状況を解説した本。概ね中国による弾圧の実態を説明しているが、概説的にウイグル人の歴史も説明しているので、ウイグル人ってなに?という場合でも安心。紙幅の関係でその部分が駆け足なのはやむを得ない。