紙の本
ゴリラの国に留学して
2020/05/07 17:08
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投稿者:amisha - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴリラの国へ留学してきたという著者。ヒト、サル、ゴリラ、霊長類は他にもあるが、一体何が違うのか。ヒトは本当に進化してきたのか。ゴリラにあって、サルやヒトには無いもの。それは進化と共に置き忘れてしまった共生の心なのかしら。コミュニケーション能力や他者を慮る能力に長けているゴリラの国から戻ってきた著者が、これからの人間社会のあるべき姿について、非常にわかりやすい語り口で述べている。ひとつの文章量も読みやすい。
電子書籍
現代の
2020/06/17 10:06
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間社会は、確かに何かおかしくなってしまった感じがする。
しかし、昔からおかしかったのかもしれない。サル化しているというのは面白い、進化しているようで欲望むき出しになっているだけかもしれないから。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて、新聞で連載していたとき、少し、読んだことがあったので、こうして冊子となった状態で読んでみました。まず、タイトルが面白いので、手に取る人は多いと思いますが、内容は、結構賛同出来るところ、皮肉に聞こえること……等々
紙の本
ゴリラが面白いのか??
2020/11/29 19:34
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投稿者:ちゃき - この投稿者のレビュー一覧を見る
動物が好きな中学生の息子用に購入。なかなか本を読まない息子が、夢中になって読んでいました。なので私も読んでみました。
読みやすい文章で、これなら息子でも読めるなと。サル化した人間へのゴリラからの警告です
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◎サル真似は人間以外できない?
◎かつて人間はベッドを手放した
◎大量発生中のイクメンはゴリラ型の父親?
◎ぼっち飯と建売住宅が人間をサルにする
◎現代日本の民主主義はゴリラのそれ以下?
etc...
京大総長にしてゴリラ研究の第一人者である著者が、
霊長類の視点から現代日本の問題点をあぶり出す!
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霊長類学者として毎日新聞に投稿したコラムに加筆したもの。霊長類から見た人間の本来の姿を示し、現代に生きる人間の歪を気づかせてくれる。▼人間は一人で時間を使うようにできていない。高い共感力をもち、他者のなかに自分を見る。他人の目で自分を定義する生き物。人間は互酬性というきづなで結ばれており、太古から仲間とともに生きるようにできてきた。しかし現代の個人主義社会ではそれが難しくなってきた。
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ゴリラや類人猿を書いた科学ノンフィクションかと思ったら、文明批評のエッセーであった。
現代の人間社会より、ゴリラの世界の方が平和だというのはよくわかるが、ゴリラに倣えといったところで世の中は何も変わらないだろう。
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少し前の話ですが
京大の学生寮「吉田寮」のことが
いっとき話題になっていましたね
その時に
「学生諸君も もう少しゴリラらしく対応できれば
いいのだけれど…」
というニュアンスのコメントが
山際寿一総長のお言葉として
報じられていた記事を読みました
それも
どちらかといえば
ーなんということを
人間ならぬ
ゴリラ並みに例えるとは
という非難めいた調子で
紹介されていたように覚えています
むろん
山際寿一さんの真意は
気高く賢明で協調を重んじる
尊敬すべきゴリラ諸君
としておっしゃっているのですが…
改めて、思うのは
地球上で傲慢になってしまった
我々ニンゲン、
そしてニホンジン、
に対しての
傾聴すべき警告の書になっています
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http://mainichibooks.com/books/science/post-562.html
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あまり中身を見ずに手に取ったので、ゴリラが物申す!のような内容なのかと考えていたが、「変なゴリラ」と化したことのある京大総長、山極先生が霊長類視点から現代の人間社会を見つめて、生物としての人間はどういったものなのか、何の影響で現代社会はこうなってしまったのか、今の社会はこうしていかないと…と問題を提示していく。
元々がコラムだったこともあって、どちらかといえば社会学メインという印象。でも合間で急に入る霊長類やサル、ゴリラの話が飽きさせず、何が問題なのかを理解しやすくしてくれている。
あとゴリラ愛がすごい。
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久々に、目から鱗!
そして、衝撃的な解釈で、涙が出てしまった。
外国で暮らし、異文化を知る。
それだけなら、自分自身にもある話だけど、
筆者は、ゴリラの住む森で、ゴリラに受け入れてもらい、ゴリラと遊び、ゴリラに「友達」として認められるまでになった。
そんなガチのフィールドワークの体験に基づき繰り広げられる洞察。
比較対象が、人間の文明同士、人類の文明数千年をはるかに凌駕し、類人猿ができた数十万年前に及ぶから、圧倒的。
まず、「父親」とは、社会に認められて初めてできるもの。動物界でオスが育児に参加する種は、ゴリラくらい。「父親」役のゴリラは、雌や子供の期待に応えるようにふるまう。
ヒトは二足歩行の上頭が重くなってしまったために未熟な状態で生まれるから、育児にオスが関わることになった。
親の役割を虚構化し、子育てを共同体ですることにした。
西洋文明は、シートンのような、動物が環境の影響によって共同体を形成したり、人間と共通の特徴を持つ、といった研究を嫌ったらしい。あくまで、人間は自然から切り離されたものであり、独立したものである。ヨーロッパには、森でさえ隅々まで人の手が入っている。
一方の日本やアフリカは、手付かずの森がたくさんある。
日本には、動物がヒトとなり、家族の一員となる昔話がたくさんある。
霊長類の行動を観察し、ヒトのコミュニティの考察に応用する霊長類学は、今西錦司が提唱し、日本でスタートした。しかし、当初は、「擬人化」といって欧米からは見向きもされなかったらしい。
人間は、言葉を手にすることにより、感情をも代々伝えることができるようになった。その結果、怨念的な感情も伝えることができるようになってしまった。
ゴリラも、昔は狂暴な動物とみなされ殺された。
芥川龍之介の「桃太郎」。鬼にしてみたら、悪いことしてないのに成敗されてしまう。
個人はみんな優しく、思いやりに満ちているのに、民族や国の間で理解不能な敵対関係が生じるのはなぜか。
つくり手側から物語を読むのではなく、多様な側面や視点に立って解釈してほしい。
大学はジャングル!いろんな生物がそれぞれの個体の繁栄のための最適化をし、出たり入ったりする。
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君たち(人間)はどう生きるか、のセンスの良さ。
内容は京大総長による現代社会批評である。気遣い、笑いの共有、広い共同体などはサルにはない人間特異な性質。ネットばかり見て個人の利益だけ考えるのではなく、せっかく人間なのだからもっと他者と関わったら?という話。サルが進化の過程でその能力を身につけなかった理由も、中立的な立場で論じている。どちらがいい、どちらが悪いと断定しないところが優しい。しかしその言い方だと、私はサルでもいいと思ってしまうんだよな。
ゴリラ愛が随所に溢れていて素敵。
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ゴリラの視点からとらえた人間社会。
鋭い!!目から鱗ではっとさせられた。
高校生ぐらいのときに知ってたら京大目指してたなぁ。
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人間の在り方を、類人猿と触れてきた先生の立場から考える本です。社会人類学的な本かと思ったのですが基本的にはコラムのようで、気楽に楽しく読めました。
人間という大くくりとゴリラを比べるのはなかなか乱暴ではありますが、ホモサピエンスの社会性と残忍さは一体どこから発生したのだろうと考えるととても興味深い。
ゴリラの社会性はなかなか面白く、家父長のようなオスゴリラでありながら、女子供の支持が得られないと立ち行かないのがユーモラス。ゴリラは父親も子守をするようでなんとなく昨今のお父さんのようです。
比べれば比べるほど、人間はその狡さと性格の悪さで発展してきたような気がしてしまいます。ゴリラのように生きるというよりも人間自体は救いが無い生き物なので、根本的に謙虚になるしか無いような気持になりました。
同胞同士で傷つけあってきた数千年、または数万年。今では地球を覆いつくし国境を作り、一番安価な資源である人間の命を湯水のように浪費してきました。同胞にすらそうなのですから、自然環境なんて二の次三の次、どんどん絶滅に追い込んでいます。少しばかりのヒューマニズムで気まぐれ救済を施しますが、そもそもヒューマニズムってなんですかという所ですよね、ヒューマンは駄目だっていう議論からスタートしているのですから。
すっかり話は逸れましたが、ゴリラ、チンパンジー、オランウータンの方が人間より乳離れ遅いって知らなかった。オランウータンは7年位母乳を飲むようです。
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著者の山極さんは、ゴリラ研究の世界的権威であり、京都大学総長でもあります。内容は「毎日新聞」の連載コラムに手を入れたもので、手頃な長さの小文集です。自ら群れの中に入って体験したゴリラの生態を「鏡」に、今の人間の考え方や行動を、それが個人としてのものもあれば、集団としてのものもありますが、省みて、分析・評価し、山極さんなりの示唆を書き連ねています。ゴリラ・チンパンジー・オランウータンといった類人猿は、やはり私たちと同類との感を強くしますね。今の人間は「無くしつつあるもの」が多すぎる気がします。