電子書籍
ニュースでは分からなかったこと
2016/02/16 00:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:プリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ニュースなどでは知ることができない北朝鮮での生活や蓮池さんの家族、故郷への思いなどを知ることができました。帰国されてから10年以上が経ち、拉致問題への関心も正直薄れてきてしまっていたときにこの本に出会えてよかったです。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ほーさく - この投稿者のレビュー一覧を見る
拉致事件の被害者の書いた文章は圧倒的なリアリティがある。
拉致事件に関するマスコミ報道を追っかけるくらいなら、この本を一冊読めばことの本質が理解できると思う。
紙の本
北朝鮮という国
2015/09/30 10:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あびにしき - この投稿者のレビュー一覧を見る
拉致被害者である蓮池薫さんの北朝鮮での過酷な生活。拉致された時~日本に帰国するまで~子供達が日本に来るまでの辛い心情が書かれています。
未だに謎多き国「北朝鮮」という国がよく分かる一冊です。
常に戦争に怯え、満足な食料・物資が与えられない国での生活。改めて日本で生まれ育った事に感謝できる本かもしれません。
紙の本
拉致と決断
2015/12/11 22:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
北朝鮮は謎の多い国だ。時折見られる国営放送からの情報や、脱北者やジャーナリストの短い報告からは、北朝鮮の一般市民の生活の朧げな姿しか立ち上がってこない。「拉致」などというおよそ非人道的な行為を国策として行ってしまうような国に、24年間も囚われてしまった著者蓮池氏の言葉は、そうした国の有り様の一端を浮かび上がらせている。
著者自らが書いているように、「招待所」と呼ばれる北朝鮮国内にあっても特殊な環境での生活は、一般市民の生活とはかなり異なっていたようだ。それにしても、同じ日本人としての感性で、北朝鮮内部から見た風景や人々の生活は、朧げな有様をより具体的なものとして目の前に提示してくれる。
以前北朝鮮指導者の死に際して、国民の哀しみ様が繰り返し日本の報道番組で流れたことがあった。見る人はおそらく、その姿を「やらせ」と捉えていたのではないだろうか。独裁者の治める国、というイメージからは当然そうした感想になるだろう。しかし実際にその場にいた、日本人であり北朝鮮市民という立場でもあった著者の目には、また違った人々の姿が見えていた。そうした当事者にしかわからない北朝鮮の姿が垣間見られ、興味深い。
投稿元:
レビューを見る
2002年の帰国からもう13年。
だいぶ記憶が薄れつつあるからか、はたまた年齢と共に同郷ゆえの親近感が増してしまったからか、本書を手にしてしまった。
主に蓮池さん自身の拉致から24年の話で、もちろん、様々な配慮があって他の拉致被害者のかたや、奥さんのことはほとんど語られていない。
情報が断絶された中で希望に寄り添いながら必死で生きてきた様子がよく伝わる。時には心安らか時間があり、時にはアメリカとの開戦を身近に感じ怯えながらの生活。
そして、日常生活を通してみた北朝鮮の実態。
最も衝撃だったのは、日本への一時帰国さえ、自身の子供達には朝鮮内の旅行だと嘘をつかねばならなかったこと、日本人だということさえ言えなかったこと。しかし北朝鮮に戻ったらもう二度と日本へは帰れない。そんな状態で日本政府に子供達の帰国を任せる決断をした勇気と覚悟。上手くピースがはまって本当によかった。他の方も一刻も早く帰れますように。
投稿元:
レビューを見る
同じ大学・同じ学部で私より一学年後輩。しかも同じ年の春に日本海の海岸近くで車に寝泊まりしながら旅行をしていた。
私だったら、蓮池さんのように冷静でいられたろうか?
早く拉致された全員の帰国を願ってやまない。
投稿元:
レビューを見る
それにしても北朝鮮はどうしようもない国だな。
北朝鮮の生活を日本人拉致被害者の声として、もっともっと執筆をつづけていただきたい。蓮池さんの人生は波瀾万丈だが、他の人には絶対経験できないことをしているから、それを日本や世界に伝えていってもらいたい。
投稿元:
レビューを見る
何をどう書いたらいいのか……。
この方がとても頭の良い方であるということと、
いまもってして蓮池さんと同じような人がまだ彼の地にいることを思うと、とても辛いことだと思う。
投稿元:
レビューを見る
2002年に北朝鮮から帰国した蓮池薫氏が、帰国から10年を経て、初めて北朝鮮で過ごした24年間を綴った手記。2012年に単行本で発行され、2015年に文庫化された。
本書を読み終わって、北朝鮮で過ごした24年と帰国後の10年の蓮池さんの心の葛藤は如何ばかりのものであっただろうかと、心が締め付けられる思いである。
蓮池さんは、「はじめに」で、本書を書き記す決断をするために、
◆何よりも日本に残るという決断が正しかったという確信が必要だった。それには子どもたちが意欲を持って自立の道を歩み出すことが最低条件だった。
◆ほかの拉致被害者たちの帰国を実現するうえで、いったい私がどうすることが適切なのか、つまり私がこのようなものを書くことが問題解決に有益なのかどうかを判断する必要もあった。
◆さらには、私自身が北朝鮮での生活を、むき出しの感情や感傷からだけでなく、一定の距離を置いて冷静に振り返ることのできる、心の余裕も不可欠だった。
といい、そのためには10年が必要だったと語っている。
本書には、蓮池さん自身の心の動き、葛藤についての記述が中心で、その他のことは意外に書かれていない。招待所に住んでいた他の人々のことはもちろん、家族のことですら最小限しか触れられていない。
また、かつて一部の市民運動家たちからは、「生還した拉致被害者はもっと多くのことを知っているはずだ。それを明らかにすべきだ」と非難されたとも言う。
しかし、蓮池さんは、誰に相談することもなく、「ここまでなら明かしていいだろう。これ以上は不味い」ということを、時の経過により変容した部分を含めて判断し、本書を綴っているのであり、その緊張感は並大抵のものではなかろうと、心中を察する。
そして、本書の中心となっている、蓮池さんが、家族が少しでも幸せに生きるためには何が必要かを考え、帰国の夢を断ち切り、我が子に自分たちは在日朝鮮人だと嘘をつき通したことには、言葉も見つからない。
また、北朝鮮の人々にも温かい目を向けているが、それは蓮池さんの心の強さと柔軟さの現れであると思う。
書かれていないことには理由があり、それを想像することを含めて、とても深く重い。
(2015年4月了)
投稿元:
レビューを見る
生きていれば辛いこと、悲しいことも多いが、生きるために自己否定を迫られることほど辛いことはないだろう。しかも拉致という不合理な手段によってならなおさらだと思う。本書はそのリアルな記録であり、生きる目的とは何なのかを考える素晴らしい教科書であると感じた。
投稿元:
レビューを見る
北朝鮮に拉致された蓮池薫さんの自伝。拉致されて北朝鮮で生活していた時の話が描かれている。北朝鮮での生活や実際の北朝鮮の人々の描写など知られざる部分を知ることができる作品。やはり北朝鮮は金日成の頃はまだ良かったがだんだんと生活困窮と体制が崩壊しつつあり今後どうなるのか予断を許さない様に感じると同時にまだ拉致されている横田めぐみさんをはじめとする拉致被害者の方の早い帰国を願わずにはいられない。
北朝鮮のことを知るには読んでおくべき本多と思う。
投稿元:
レビューを見る
自分が語る事で、まだ残る拉致被害者が危険な目に遭わぬように…。
どのように拉致されたか。北朝鮮で、日々、どんな生活を送っていたか。どんな待遇を受けたか。そして今、何をやって過ごしているか。赤裸々に語られる。社会人になる前の学生カップルを突如襲った工作員。その日から急激に変わる運命。長い長い時間。受け入れざるを得なかったにせよ、全く。あまりにも。
この本では、北朝鮮が、何故彼らを拉致したのか。国家として、拉致被害者にやらせていた仕事とは何かが全く語られない。この辺が、まだ残る拉致被害者への配慮だろうと、勝手に考える。しかし、外交戦略上、拉致行為に有効性を認めさせてはならない。日本はもっと、武力や警察権でもって、強く解決に乗り出す必要があると思う。しかし、思うが、怖いのは核と非常識な為政者。金正日は、朝鮮の無い地球など不要、爆発してしまえば良いと言っていたらしい。ファシズムと強力な破壊兵器の関係は、非常に悩ましい問題だ。
投稿元:
レビューを見る
拉致被害者である蓮池さんの手記。
ほかの脱北者や帰国者らの手記と比べると、極めて冷静かつ抑えた調子で書かれているのが特徴だ。
北朝鮮の中で特に隔離されて孤独に生きてきたせいなのか、ご本人の性格なのか、それとも北朝鮮での生活を全ては書けない(書いてはいけない)・・・という想いがあるのか。
内容についてここでは書かないが、少し気になった点がひとつ。
日本で拉致問題が大きな問題になった際、蓮池さんもジェンキンスさん(奥さんが拉致被害者)も「困ったな」と思ったそうだ。もしかしたら帰れるかもしれない、という思いよりも、日本で話題になることによって自分たちの生活がより悪化するのではないか、という心配をしたのだ。実際に蓮池さん家族は住む場所をそれまでよりもさらに人気のない場所に移されたそうだ。
そういう思いを持つほどに北朝鮮での生活は全て「北朝鮮当局のいうがままになるしかない」「北朝鮮が拉致を認めるはずなどない」という「絶望感」が強かったということなのだろう。
同署ではあまり多くは語られていないのだが、拉致被害者たちの感じた凄まじい閉塞感の一端を垣間見ることができる。
投稿元:
レビューを見る
『半島へふたたび』より踏み込んだ内容
北朝鮮という国家の不可思議さは
日本というものすらとらえがたいみにとってはこの本だけでは伝わらないが
だからといって事件の解決を支持しないということにはならない
同時代に進行する大きな歴史の一部分として向き合っていかなければならない
投稿元:
レビューを見る
蓮池氏が本書を刊行した目的は、拉致問題への関心を深めてほしいとの思ひが一番。政府はトランプから金正恩に伝へてもらふのみで自らは何も出来ない。何だか世間が拉致問題を忘れてくれればいい、と思つてゐるのではと勘繰りたくなります。世論も、そんなことより外交・国防だぜ、それからわしらの年金を頼むよ、2000万円なんて無理ぜよ、なんて風潮があるやうに感じます。俺だけか?
1978年7月31日のこと。蓮池薫さんは地元の新潟・柏崎で後に妻となる祐木子さんと会つてゐました。砂浜でデート中に、ある男から「煙草の火を貸してくれませんか」と頼まれ、何の疑ひも抱かぬ蓮池さんはライターを取り出します。その隙に数人の男から殴打され、たちまち拉致されてしまつたのです。
北朝鮮へ有無を言はせず連れて行かれ、その後は長い監視下の生活が続くのであります.........
北朝鮮での24年間を明らかにしたとして、刊行当時から話題になりました。平静を保つてゐた一方で、知らず知らずの間に洗脳させられてゐたのですねえ。兄の蓮池透氏が語つたところによると、薫さんは帰国当初は北の肩を持つ発言が目立つたさうで、洗脳教育の影響だらうと述べてゐました。
本書を一読して、北の様子がかなり詳しくリポートされてゐると存じますが、やはり語れぬ部分もあるでせう。下手をすれば未だ帰国を果たせぬ人たちへ悪影響があるかも知れません。
しかしさういふ点を割り引いても、本書を世に問ふた意義は少なくないでせう。つくづくあの半島には関りたくない喃と勘考する次第であります。
http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-793.html