紙の本
ひと夏のできごと
2023/02/28 16:34
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
10歳の一人娘を病で亡くし、離婚して独り身となった中年男性が、過去からタイムスリップした10歳の少女と出会い、ひと夏を共に過ごすとう設定だけで、胸を締め付ける切ない気持ちが溢れてくのでは、と。子供を亡くした喪失感に包まれていた主人公にとって、とても楽しい時を過ごせたのだが、いつか来る別れに向き合い、前向きに起きた現象を解き明かそうとする謎解きの要素が素晴らしい。孫娘と二人で歩き回った夏のディズニーランドの日が、よみがえった。
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投稿者:ねこにゃんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイムスリップものだと、ただの不思議な話なのかなと思っていましたが、心に沁みる内容でした。元奥さんが、強くて優しい人だったと、最後まで読んで初めてわかりました。
紙の本
タイトル
2023/02/11 22:11
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投稿者:ぽんぽん岩 - この投稿者のレビュー一覧を見る
娘を病で亡くしたあと妻とは離婚し今は古いアパートで一人暮らしをしている譲、買い忘れたものを購入しようと外出すると、ずぶ濡れの女の子を拾う。
最初の一行が脳裏に残ったまま、ただ読み進めてましたが徐々に引き込まれた。
タイムスリップしてきた女の子と親子のように過ごすうちに譲の過去と記憶がからまっていく。
この出会いがなけれは譲は買い忘れたものを購入しただろうし、妻の気持ち、覚悟を知ることもなかった。
読了後タイトルを声に出して読んでしまいました。
電子書籍
タイムスリップ
2023/08/03 16:36
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
しかし、単なる自己タイムスリップものつまり、SFではなかったです。こんなことが……と、驚いたり、うるっとしたり。ただし、SFモノと考えたら、これでいいかもですが……、でした
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タイムスリップファンタジーと読みました。摩訶不思議なからくりに読む手が止まらず。
妻との復縁を願いつつ、ラストの驚愕の真実に感動間違いなし。あなたも読んで涙して下さい。
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10歳の娘を病気で亡くし、それに耐えられなくなり離婚した譲の前に、10歳位のずぶ濡れの少女が現れた。ひょんな事から「ちぃ子」と一緒に暮らす事になり…
ちぃ子は過去からタイムスリップして来たらしく、戸惑いを隠せない譲だったが、ちぃ子との生活はかつて娘と暮らしていた時の事を思い出させてくれて、次第に仮初の親子として距離を縮めていく姿が微笑ましかったです。
ちぃ子が何故過去から来たのか、そしてちぃ子の正体は?
全てのピースがはまり始めたとき、ちぃ子にとっても譲にとってもこの出会いは必然だったんだと思います。
ラスト迄読むとタイトルの意味が判って、それが前向きなラストでホッとしています。
譲もやっと本来の穏やかな性格に戻れた気がしました。
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自分の子ども時代からタイムスリップしてきた女の子。記憶を失っているので、自分が誰で、どこから来たのかも分からない。彼女はどうして自分のところに来たのか?元の時間に戻れるのか?たくさんの「?」から始まる物語に、どんどん引き込まれていった。
子どもを持つ親としては、自分の子どもを喪った主人公の気持ちが痛いほど分かり、読むのも辛いくらいだったが、ちぃ子ちゃんの明るさに救われた。きっと主人公もそうだったのだと思う。絶望を乗り越え、悲しみを受け入れ、今の幸せに気づけるようになるまでに、ちぃ子ちゃんとの時間が必要だったのだ。
そして、未来にきたちぃ子が発した「未来って、そんなことになっちゃうの?」という言葉にも、胸が痛くなる。コロナ禍、不況、少子高齢化…楽に生きられない時代だからこそ、子どもの頃の自分に胸を張って「幸せだよ」と言えるように生きていきたいと思う。そんな気持ちを奮い起こさせてくれた物語だった。
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大切な人を失う喪失感は、想像を絶するものがある。
失った後、残された者の気持ちのすれ違いが起こってしまうということは実際にあって、追い打ちをかけるように非常に辛い。
80年代からタイムスリップしてきた「ちぃこ」は、ひとりになった譲とどんな関わりがあるのか。
後半、伏線が回収されていくにつれ、温かさに包まれていく感じがした。
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図書館からやっとまわってきた辻堂さんの最新刊!待った甲斐あって、とっても良かった。
子どもを亡くした後に離婚。生きる意味を失っていた譲が外出中に出会った10歳の女の子・ちぃ子。
記憶がないというちぃ子と、成り行きで一緒に住むことになります。
二人の同居生活はいつまで続くの?
ちぃ子の未来は?
亡くなった娘と同年齢のちぃ子に娘の美玖ちゃんを重ねずにはいられない譲。
読みながら私まで苦しくなったり感極まって涙ぐんだり。
二人の小さなやり取りの1つの1つから目が離せなくて、切ない気持ちと、愛おしい気持ちとが入り混ざりながらの読書でした。
『そばにいることが当たり前だと思っていたあの頃には、気付かなかった。
気合いをいれて臨んだ海水浴やキャンプだけでなく、何でもない休日の何でもないひとときが、かけがえのない親子の思い出になりうるなんて』
他愛ない日常の幸せをかみしめました。
自分の子どもの時代、わが子との思い出が次々と甦ってきて優しい気持ちになった。
終盤は目の前のモヤが晴れていくような清々しい気持ち。
さすがの展開はやはり辻堂さん!
素敵な読書時間でした。
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コロナ禍でリモートワーク中の譲は、アパートの近くでずぶ濡れの女の子に出会う。ちぃ子という名前以外何も覚えていないという挙動不審な少女は、今ではない過去から来たと言うのだが……。
成り行きとは言え、50近いおっさんが10歳の少女を連れ帰るのはまずかろうと思うが、巧みな筆運びで不自然さは感じなかった。現実的にはアウトでも、譲の置かれた状況が非常に特殊なので許せてしまうのだ。その後の展開もどうかなあと思いながら読み進めた。すべての謎が明らかになると涙があふれた。
伏線の張り方も回収も巧みで、さすがだなと思わされた。
2022/10/19刊行。NetGalleyにて読了。
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ちぃ子の正体,なんとなく感づいていたので最後に正体が明かされたときは嬉しかった。
安堵感もある。
しかし,ちぃ子と出会ったときの譲が何をしようとしていたのかは知って愕然とした。そんなこと考えていたのね。
ちぃ子と出会えて本当に良かったし,逆にちぃ子も譲の元へ来ることが出来て良かった。
昭和の時代からやってきたという設定で,「ガビーン」とか「チャンネルを回す」とか懐かしく感じた。古き良き時代と言うけれど、確かにそうだったかもしれない。今は今で良い時代だと思いたいが。
譲とちぃ子に希望が見えてめでたしめでたしではなく、ちゃんと失われた命に対しても弔いの気持ちが描かれていた。
紗友里が大切な人を2人も喪っているのかと思うとやるせない気持ちになる。
しかも、譲までも自分の元から去って行った。彼女の気持ちを思いやるとますます辛い。
残りの人生をやり直せるのだろうか。譲が彼女の隣にいてくれたら言うことはない。
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Amazonの紹介より
娘を亡くし妻と離婚した僕に、未来を生きる資格があるのだろうか。終わりがあると知りながら過ごす、僕と君のひと夏。コロナ禍のリモートワークを言い訳に自宅に引きこもるばかりのある日、僕はずぶ濡れの女の子を拾った。
1980年代からタイムスリップしてきたらしい彼女は僕の大切な人の命を奪った連続少女誘拐事件に関係しているのか……。その時の僕は知るよしもなかった、すべての過去の意味を。その答えは、今の僕が持っていたんだ。
心揺さぶる辻堂ゆめの新たな代表作、遂に誕生!
帯の紹介ではSFミステリーということですが、全体的にヒューマンドラマという印象がありました。
本編には少女連続誘拐殺人事件という忌まわしい事件が登場し、その謎を解くのかなと思ったのですが、そういうことではなく、なぜ女の子がタイムスリップしてきたのか?を中心に描かれています。(事件そのものは解決済み)
中盤は急遽「父」と「子」という設定のもと、ほのぼのとした雰囲気となっています。
1980年代に起きた出来事と今の時代に起きた出来事を絡めながら、父と子の会話が弾むのですが、懐かしさが込み上げてきました。そういえば、そんな出来事もあったな、この出来事はこの時代にあったんだ、など意外な発見もあって、面白かったです。
昔を知らない人にとっては新しい発見であるため、昔を知る人にとっては、時の流れをしみじみと感じてしまいました。
その会話には微笑ましかったです。
ただ、「父」が抱える過去には、胸が痛かったです。家族で過ごした日々、娘の死去や離婚を経ての今。娘と重ねてしまったタイムスリップした「子」。
切なさがありながらも、ほのぼのとした雰囲気に心が救われた気持ちになりました。
あれ?事件との繋がりは?と思っていたら、後半になるにつれて、怒涛のごとく伏線回収が始まります。
何気なく綴られた出来事も、後に大きな鍵となって登場するのも驚きと切なさがありました。
あらゆる偶然がありすぎて、もはや必然のような気にもなりましたが、伏線が回収されていく過程は読んでいて爽快感がありました。
その先に待ち受ける展開は、感動ものでした。
いったい少女の正体とは?
気持ちのすれ違い、一言一言の言葉に込められた意味がじんわりと伝わってきて、良い作品を読んだなと感じました。
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一日で読んでしまった!
それくらい読みやすく、面白かった!
そうだったのかー
運命ってすごい!
それに気づけば、きっと人生は変えられる!
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コロナを知らない小学生?
黄色い帽子をかぶっている。
タイムトラベル。
1974年からやってきた女の子は、
自分と同じ年に産まれた子だった。
伏線回収がお見事で、震えた。
ちぃ子が本名を名乗った時に、グッときた。
「君といた日の続き」の意味が深くてしみじみした。
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十歳の娘を失い、妻とも別れて無為な生活を送る譲。ある日娘と同じ年頃の少女に出会うが、「ちぃ子」とだけ名乗るその少女は記憶を失い、しかも過去からタイムスリップしてきたらしい。少女を連れ帰り疑似親子のような生活を送る譲は、彼女の天真爛漫さに癒されながらも、過去に起こった悲痛な事件を思い出さずにはいられなかった。ハートウォーミングなミステリです。
絶望のどん底にいた譲がちぃ子との生活の中で癒され立ち直っていくさまには励まされます。この生活がきっといつまでも続くわけではないのだろうけれど、ふたりの幸せな時間が本当に温かくて素敵でした。その一方でちぃ子が何者なのか、そして彼女の過去に何が起こったのか、という部分にはどきどきさせられます。そこではつらい現実に目を向けなくてはならないのだろうか……という暗澹たる思いもありましたが、そこは絶対に避けては通れませんよね。
しかしそれだけではなく、なぜこのタイミングで彼らが出会うことになったのか、という謎の答えがあまりに素敵。あまりに綺麗にまとまりすぎな気もするけれど、それが良い! 何もかもが幸せしかなかった頃に戻れるわけではないのだけれど、未来には新たな幸せもあるのかもしれないと信じられます。