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紙の本
リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義 (中公新書)
著者 渡辺靖 (著)
アメリカ社会で広がりつつあるリバタリアニズム(自由至上主義)。同性婚に賛成し銃規制には反対するなど、オバマにもトランプにも共感しない若い世代の実情を現地から報告する。『中...
リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義 (中公新書)
リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義
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商品説明
アメリカ社会で広がりつつあるリバタリアニズム(自由至上主義)。同性婚に賛成し銃規制には反対するなど、オバマにもトランプにも共感しない若い世代の実情を現地から報告する。『中央公論』連載を再構成のうえ加筆修正。【「TRC MARC」の商品解説】
アメリカ社会、とりわけ若い世代に広がりつつあるリバタリアニズム(自由至上主義)。公権力を極限まで排除し、自由の極大化をめざす立場だ。リベラルのように人工妊娠中絶、同性婚に賛成し、死刑や軍備増強に反対するが、保守のように社会保障費の増額や銃規制に反対するなど、従来の左右対立の枠組みではとらえきれない。著者はトランプ政権誕生後のアメリカ各地を訪れ、実情を報告。未来を支配する思想が
ここにある。【商品解説】
アメリカ社会で広がりつつあるリバタリアニズム=自由至上主義。オバマにもトランプにも共感しない若い世代の実情を現地から報告する【本の内容】
著者紹介
渡辺靖
- 略歴
- 〈渡辺靖〉1967年札幌市生まれ。ハーバード大学大学院博士課程修了(Ph.D.社会人類学)。慶應義塾大学SFC教授。「アフター・アメリカ」でサントリー学芸賞、アメリカ学会清水博賞等受賞。
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米国の底流をなすヒッピー文化?
2019/05/01 00:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:せきた - この投稿者のレビュー一覧を見る
自由市場・最小国家・社会的寛容の重視、人類を政治家から解放せよというスローガンと聞くと、リバタリアニズムが真っ当で寛容的な思想に映るかもしれないが、飲酒、ドラッグ、売春、銃規制に寛容となればヒッピーのユートピアを連想させるし、社会保障、最低賃金に懐疑的と聞けばありもしない確立された個を志向する求道者の思想を彷彿とさせる。
しかし、人工国家米国の「建国の理想」に刻まれた正統な出自の思想なのだろう。沖縄の「沖縄独立論」も然りか。現地ではそこには決して夢物語でない現実味があり、社会集団の内在的な論理に多大な影響を及ぼすに違いない。
リバタリアンの考える目指すべき自由社会の障害は、国家や政治が過度に擬人化して個性を強要したり、国家が経済活動をコントロールできるとする社会工学的発想であって、根本に人間中心主義への懐疑を感じる。理性万能の人工・実験国家にあって、人間の傲慢を戒めることが真の自由という人間尊重につながることに逆説的なものを感じた。
なお、著者の記述はドキュメンタリーTV番組のように現代米国を断章するルポルタージュで、読者の興味をひくのが巧み。併せて岩波新書の「アメリカン・デモクラシーの逆説」もお薦め。
紙の本
わかりやすい
2024/03/09 18:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
リバタリアニズムについて、わかりやすく解説されていて、よかったです。オバマでもトランプでもない流れに、注目したいです。
紙の本
まあまあ読めるよ
2019/02/17 21:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ともクン - この投稿者のレビュー一覧を見る
リバタリアニズムを齧るにはお手軽な本だ。リベラリズム、保守の立場からの論調には安易に与せず、リバタリアニズムの今日的な現況をジャーナリスティック、ドキュメント風に描いている。リバタリアニズムに関する哲学論や政治論についての深い考察や批評はないに等しいが、その分、新鮮に感じる。最近のリベラルの凋落ぶり、逆に保守の多面的な隆盛(ポピュリズムやトランプ政治など)に目を奪われがちだが、リバタリアニズムを切り口にした、爽やかさな印象の残る新書だった。
紙の本
リバアタリアンとワクチン接種義務化
2022/03/20 21:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る
『自由の国と感染症-法制度が映すアメリカのイデオロギー』(みすず書房)で、米国の感染症対策と憲法・政治制度・民主主義との関係の歴史、とくにワクチン接種と個人の自由の関係について知ることができた。そこで思い出したのが「リバタリアニズム」、米国独特のリベラリズムである。本書は2019年、2020年大統領選挙は彼ら「リバタリアン」が鍵になるというので、読んだもの。選挙の結果と「リバタリアニズム」との関係はともかく、現在のコロナ禍にあって、ワクチン接種義務化やマスク着用義務化などの行動制限への反対運動が報道されていたが、「リバタリアニズム」との関係はどう考えているのか、その答えを探してあらためて読んでみた。
「個人の自由」に至上の価値を見出すのが「リバタリアニズム」である。社会的には寛容で、移民や宗教、麻薬や妊娠中絶も市場と個人が決定すべきだと考える。したがって拳銃所持の禁止には反対する。しかし「保守」ではなく、まだ白人中間層が力を持っていた公民権運前のいわば「古き良き時代」を理想とする。アメリカはそもそも旧大陸の権力への異議申し立てによって建国された国であり、建国の父の一人ジェファーソンらが目指した自律的な市民による政治という建国以来の古典的なリベラリズムに源流がある。
最近の貧困の増加や格差拡大を生み出した原因は政府の存在そのものにあるとし、例えば福祉や所得の再配分は国ではなく個人に委ねる、という考えが強まってくるにつれて、現在のアメリカの政治・社会を理解するうえで「リバタリアニズム」は無視できないイデオロギーだ。筆者は個人がどこまで自律的で合理的かは、「リバタリアニズム」に固有の問題ではない。「保守」や「共和党」とは必ずしも同一ではない、また、従来の左右対立の枠組みではとらえきれないので、予測可能性は乏しい。
今回の感染症対策にあてはめると、ワクチン接種拒絶は、生命も脅かす危険性があり、他人の決定権を否定してしまうという矛盾が生じでしまうのではないか。『自由の国と感染症』では、過去の天然痘撲滅の阻害要因となった「個人の自由」への執着は、一方で経済成長や政治的自由を促し異なる経路で感染症対策を実現させたという。今回は、「リバタリアニズム」が例えばロビー活動でワクチン接種義務化に抵抗したという話は聞かない。最近の連邦最高裁の判決でも、接種義務化の憲法問題を扱ったのではなく、連邦と州の間の感染症対の権限という技術的な問題和を扱っており、「個人の自由」には踏み込んでいない。本書からすると、彼らもどうやら一枚岩ではないだろうから、おそらくワクチン接種は義務であるということを前提に、どの程度の「強制」なら認められるのか、という「個人の自由」レベルでの争いになるように思う。