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- カテゴリ:一般
- 発売日:2008/04/24
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:18cm/253p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-370150-9
紙の本
こんなツレでゴメンナサイ。
ツレさんは、フランス育ちの帰国子女。うつで、凝り性で、重度のロマンチスト!?『ツレがうつになりまして。』のツレさんが初エッセイ。【「BOOK」データベースの商品解説】うつ...
こんなツレでゴメンナサイ。
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商品説明
ツレさんは、フランス育ちの帰国子女。うつで、凝り性で、重度のロマンチスト!?『ツレがうつになりまして。』のツレさんが初エッセイ。【「BOOK」データベースの商品解説】
うつになる前はスーパーサラリーマンで絶好調!? あの「ツレがうつになりまして。」のツレさんが綴る、ちょっと変わった主治医から、相棒の貂々さんとの涙と笑いの日々まで、夫婦愛で乗り切った感動の体験記。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
望月 昭
- 略歴
- 〈望月昭〉1964年東京生まれ。細川貂々の相棒。外資系IT企業でスーパーサラリーマンとして活躍するも、ある日突然うつになる。その闘病生活を描いた「ツレがうつになりまして」がベストセラーに。
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紙の本
有難う
2009/06/15 13:59
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もはこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ツレさん有難う。私も鬱病です。現在無職です。読んでいて類似点が幾つか有り、読んでいて苦しかったり涙が出てしまったり、勇気付けられたり、ととても身近な本(ツレさん)です。家族あっての自分だと、改めて感じました。鬱病の人が身近にいたら読んで見て欲しい一冊です。
紙の本
当事者エッセイとしての意義―医療や福祉の対象者としてだけではない生身の人としての語り
2009/04/16 19:11
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『ツレがうつになりまして。』の
「ツレさん」が書いたエッセイである。
普段の書評ならば、「著者」とか「望月氏」を主語にして、
書いていくのだが、
この人の場合は、「ツレさん」がしっくりしてしまう。
それだけ、ツレうつに描かれている、
この人の漫画化されたキャラクターは強烈だったのだ。
その後の貂々さんとツレさんカップルに起こった出来事は、
貂々さんの手によって、どんどん作品化されていくわけだが、
同じ出来事でも違う人の目で見ると少し違って見えるし、
やはり、うつに関して言えば当事者の目線とパートナーの目線は違う。
このエッセイは、ツレうつで書かれた、発症前から回復期までの
ほぼ同時期を描いているが、視点が違うという意味での面白みがある。
ツレうつは、ツレさんのうつが重かった時期のことも書いているが、
このエッセイは、重かった時期のことはあまり書かれていない。
一番重いときは、考えたり書いたりは難しく、
記憶も飛んでしまっているからだろう。
本書は、ツレさんの視点で書かれた発症前と回復期、
そして、ツレうつには書かれていなかったツレさんの生い立ちや
貂々さんと出会った頃、恋愛、結婚、結婚当初のことも
書かれているところが新しい。
そして、ツレうつ後のこと、貂々さんが妊娠したことを
教会の結婚講座の同窓会で報告するまでのことが書かれている。
私自身は、個性的なツレさんや貂々さんのことにも興味はあるが、
うつの本人の言葉、そして、うつのパートナーのことを
少しでも知りたくて読んでいるので、
うつとは関わらない、個人的なエッセイ部分を
少々長いと感じてしまったのが本音だ。
だが、ずーっとうつの闘病の話だと、読むほうにもパワーがいるし、
貂々さんとツレさんがどういうキャラクターだったのかを知るには
生い立ちから結婚当初はおもしろいところでもある。
うつ病になる前の出来事として、私は、
自分自身のパートナーから同様の話を聞いたことがある。
共通点がありすぎて、怖いくらいだった。
健康診断で何らかの症状で引っかかっていたり、
風邪が治りにくかったり、疲れやすかったりなど、
体の症状が出ていること。
そして、「うつ」になる直前に
自分を全開にしてがんばらざるを得ないような
大きな「そう状態」が来ていること。
そして、不眠があったこと。
こだわりのあるポイントでは、なかなか譲らない頑固さ。
それでも、そういうキャラクターだから、
そういう環境にいたからといって、
必ずみんなうつになるというわけではない。
そして、治り方も様々だ。
ツレさんの治し方が、みんなに当てはまるとは限らない。
仕事をやめるかやめないか一つをとっても絶対的に正しい解はない。
ツレさんは、仕事をやめたことが、結果的に良かったことになるが、
それはその会社がアブナイ会社で、その後なくなってしまったことや
貂々さんがモノ書きで、この逆境でむしろパワーを出し、
ツレさんのうつをネタにして、家計を支えることができたからなどなど
様々な条件が結果的に良いほうに作用したからである。
病を得た人が仕事をやめてしまうと収入が途絶える場合は、
退職せずに休職をしていたほうがいいということもある。
薬だってその人の体に合う合わないがあるし、
環境にいたっては、みんなが治るような同じ環境なんか作れない。
どんな人がどういう環境にいたらうつになってしまうのか、
なぜ治る人となかなか治らない人、
ついには治らないまま旅立ってしまう人がいるのか、
周りにいる人や環境がどのように働きかけたら本人の力になるのか、
簡単には答えが出ない。
人の生き様は、あまりに多様で、1冊の本が万人に効かないとの同じで、
どの人にも効く治し方、接し方なんてないのだとわかっている。
でも、パートナーが治らないまま肉体的な限界を迎えて
旅立ってしまったという経験をしているからこそ、
私は、その簡単には答えが出ない問いを
忘れずに生きていこうと決意している。
それは、自分を苦しめることや追い込むことや落ち込むことではなくて、
よりよく生きたいと願う、私自身の願いの体現だからなのだ。
個人的な作風の好みでいうと、ツレうつや、こんなツレとは、
実は、なじまない。
正直、うつを取り上げていなければ、
手に取らなかったタイプの作品である。
が、それでも、私は、当事者、パートナー、家族達が、
語り始めていることを大いに評価したい。
医者や福祉専門職が三人称で語る言葉より、
当事者、パートナー、家族が一人称で語る言葉が、
何よりも力を持つことがある。
当事者の体験は、個別のものなので、自分とあまりにも違ったり、
肌に合わなかったりすると、少しも役に立たないこともあるが、
それでも、医療や福祉の対象者としてだけではない、
生身の人としての語りは、当たれば何かしら響くのである。
「べてるの家」の人々の
語りや本にはとても惹かれる。
母の統合失調症のことを書いた
『わが家の母はビョーキです』も、
まだ手にとっていないが、興味がある。
これらの本は、たとえコミカルに描かれていても、
漫画であっても、重く深い人生の深淵を覗くことになり、
読むのにパワーがいるから、そうそう短期間でたくさんは読めないが、
それでも少しずつ読んでいきたいと思っている。