紙の本
読み応え十分
2021/01/11 16:48
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投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、マネー、大逆転、宗教、戦争、アメリカなど゙10のテーマについて、一問一答形式で歴史のエッセンスを紹介する実践的歴史読み物である。歴史を学ぶことの意義の一つは、「予期せぬ出来事に遭遇した時、適応するため参考にする、即ち、歴史を活かすことに尽きる」という趣旨のことを著者は、「はじめに」において記述している。本書は、古今東西の話題について、この趣旨に対応して歴史的知見がふんだんに盛り込まれており、最近の著者の著作『自分の頭で考える日本の論点』同様、読み応え十分である。
紙の本
歴史を学ぶ重要性を気づかせてくれる1冊。学びなおしのきっかけに!
2022/12/14 17:32
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学、高校時代に歴史の授業を受けていた時、「昔のことを今さら知って何の意味があるねん」と疑問に感じた経験のある人は多いのではないでしょうか。しかし、過去の歴史も結局は人間が積み重ねてきた判断や決断によって構成されている以上、将来経験する様々な状況で参考になる事例は多くあるものです。ドイツの名宰相ビスマルクの言葉に「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という名言もあります。
歴史から学ぶ重要性を感じていても、いきなり歴史を正面から扱った書籍へのハードルの高さを感じるのなら、本書のようなQ&A形式で簡潔に歴史上の知見をまとめてくれている本は非常に参考になる気がします。私は高校では地理を専攻したので、歴史は苦手ですが、それでも興味深く読めました。
例えば…
1)日露戦争の日本海海戦で東郷平八郎氏の指揮で大勝利を収めた日本海軍ですが、その勝因は戦場における東郷氏の指揮の前に、イギリスによるロシアへの補給・兵站の断絶によって戦う前からバルチック艦隊は疲弊し、とても闘う状況ではなかった
2)戦後の日本の高度経済成長の主因は日本人の勤勉さなどの国民性というよりは、日本の近くで戦争が勃発し(朝鮮戦争とベトナム戦争)、その戦時需要を取り込めた幸運があった
3)東西交易のシルクロードというと、ラクダの隊商が物流を担っていたように印象を受けるが、物流の主なルートはインドを経由する海路であった
4)明治維新は非常に成功した国策であったが、それは当時ヨーロッパではクリミア戦争が勃発し、ヨーロッパ列強が日本に関与する余力がなかったからで、クリミア戦争がなければ、日本はもっと苦しい立場に追い込まれていた可能性がある
等々、日本史と世界史をリンクさせたような様々な視点をわかりやすく解説しています。本書の読みやすさの主因に、歴史上の人物の発言が全て”関西弁”で記述されている点があります。「~したらええんちゃうん」、「なんで~やねん」等々の表現は歴史上の人物がかなり身近な存在として感じることができました。
本書をきっかけに、もうちょっと歴史を見直そうかなぁ、などと思える1冊です。
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純粋に歴史を学ぶための本ではなく、問題解決の方法や先例を歴史に求めた本、というべきで、だからこそ「歴史を活かす力」といったタイトルが付けられている。
歴史本は出口さんの本も含めて色々読んできたが、それでもまだ知らないことの方が多かった。また、私自身では問題解決の際、歴史と解決方法をうまく結びつけられていない、ということも感じさせる内容であった。
総じて私自身はまだまだ歴史を活かすレベルまでには到達しておらず、まだまだこれから、という気づきを得られたこともこの本を読んだメリットの一つである。
また、この本の隠れたテーマは「リーダーシップ」である。歴史に名を刻むリーダーが、どのような場面でどのような決断をしたのか、その背景は何であるか、といったところが丹念に書かれており、なるほど腹落ちできるところも多かったので、心に刻んでおこうとおもう。
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学生の頃は世界史よりも日本史が好きだった。社会人になってからは日本史というよりも時代小説が好きで、司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」は幾度となく読んでは感動していた。また、テレビ番組はあまり見ない方だが、NHKの「歴史ヒストリア」は大好きで良く見るし、旅行に行くと城を見たり神社を訪れたりしてその土地の歴史を知るのも楽しい。歴史に学ぶというよりは、歴史を物語の一つとして楽しんでいるという感じだろう。
日本史や世界史という言葉を聞くと、ついつい試験のための暗記を思い出してしまい苦手意識が先に立つ。書籍を読むのは大好きで苦ではないのだが、「学問」となってしまうとページをめくる手が遅くなるのは基本的に勉強嫌いだからだろう。しかし、社会人になって仕事をするようになると、過去の先輩方が行った仕事の資料を読んで学び、同じような仕事が発生した時にはそれに倣って仕事を進めるようになる。時には以前のやり方を見直してより効率的に行う方法を考えてみたり、場合によってはパソコンを使って電子化したりと過去のやり方から学んでさらに改良するということなどを日常的に行っている。
これこそ「歴史に学ぶ」ということと同じなのだが、そういったことを学生時代に気づかなかったのは非常に残念ことだなと今更ながらそう感じる。
出口治明さんが書かれた「 歴史を活かす力 人生に役立つ80のQ&A (文春新書)」は、書名の通り過去に起きた歴史的な出来事や歴史上の人物に学び、それを仕事や人生にに活かそうという一冊だ。
出口さんは京都大学卒業後に日本生命相互会社に入社し、国際業務部長などを経て2000年に退社されたが、その後、ライフネット企画株式会社を設立し、ご自身が60才の時にライフネット生命保険株式会社と社名を改名し社長に就任された。社長を退いてからは公募で立命館APU学長に就任するという、還暦を過ぎてから異例の職歴を重ねられた方で歴史に関しても卓越した知識をお持ちだ。 私は出口さんのお話をNHKの「最後の講義」というテレビ番組で拝聴し、その語り口や内容にグイグイと引き込まれて感銘を受け、出口さんの著書を拝読するようになった。
今回拝読したこの一冊は、日本史も世界史も交えてさまざまな出来事や人物に焦点をあてており、歴史的な出来事や人物の行動などを「マネー」「失敗」「リーダー」「大逆転」「女性」「宗教」「戦争」「ライフスタイル」「アメリカ」「日本と世界」という10のテーマに分類し、一問一答形式で歴史の内容やそれをテーマに当てはめるとどうなるかなどを紹介されている。
どのテーマもQ&Aも内容的に素晴らしくて引き込まれてしまうが、個人的には歴史上の人物が語ったと思われる言葉が関西弁になっているところが親しみやすくてとても良いなと感じた。例えば、「日本は二回とも大元ウルスを撃退したのはなぜか」という問に対して「もともと大元ウルスには日本を征服する気持ちがあまりなかったようだ」という答が書かれているのだが、その中でクビライが「『あいつら生意気だから一発どついてこい』と軍を派遣した・・・」という感じだ。こういった、ちょっとしたことながら出口さんの語り��が思い浮かぶような書き方がまた良いなと感じた。
先行き不透明な今だからこそ、出口治明さんの書かれたこの一冊を読み「歴史を活かすことの大切さ」を知るのは意義のあることだと思うがいかがだろうか。
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今年を振り返ると、出口治明氏の本をはじめ歴史の本をよく読んだ年だった。塩野七生のローマ人の物語から始まり、司馬遼太郎、井沢元彦、半藤一利、そして出口治明。
歴史を様々な角度から眺めることができたので、とても良かったです。従来は井沢元彦の本が中心だったので少し一面的だった。コロナ禍に入ってすぐに塩野七生のローマ人の物語を読み始めたのが良かった。他の時なら最後まで行けたかどうか分からない。
最後に出口治明氏の本を読むと整理されるのだ。やはり大作家の本を読むべきですね。
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80ものエピソードがある。日本史、世界史関わらず。さまざまなジャンルに渡るテーマで面白い。ただ、80と数が多い分、一つ一つのボリューム感、厚み、奥行きはもしかしたら期待には及ばないかもしれない。
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出口さんは、趣味を武器として昇華させた好例だと思う。読書、とくに歴史を楽しんで学び、自分の引き出しとして使う。
さて、今回の学びは、
大衆は、単純なものに惹かれる、ということ。
それが、イスラム教であり、インドのヒンドゥー教だった。
難しいもの、修練が必要なものは、
インテリにうけるが、広まらない。
また、項羽と劉邦の話。
項羽は、自分を賢いと思いすぎてまけた、と。
劉邦は、人の話を聞くことができた。
つまり、自分より優秀な部下を使いこなすことが、
大事だ、と。
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歴史に関する著書を多数出している著者による、読者からの質問に答える形で進んでいく、歴史をどのように活かしていくかの指南書です。著者独自の視点は、他の著書を見ても分かる通り、明快で筋が通っており、おもしろく読み進められます。
今までの歴史的な出来事や人物を取り上げながら、これをどのように現代に活かしていけばいいかという内容ですので、教科書で学ぶ歴史とは一味も二味も違う内容となっています。
著者独自の固有名詞の使い方となぜかセリフの引用が関西弁になっているのが気になりますが、一通りの歴史を学んだ後、このような良書を見て、歴史の活かし方、おもしろさを感じたいと思います。
▼歴史を学ぶことの意義の一つは、このように予期せぬ出来事に遭遇した時、適応するため参考にする、即ち「歴史を活かす」ことにつきるだろうと僕は考えています。歴史を多く知れば知るほど、最適解にたどり着くヒントになるのです。
▼引きこもっていては、人々の生活が豊かになるはずはありません。目安の一つとなるのは、平均身長と平均体重です。日本の歴史上、最も平均身長と平均体重の数値が高いのは、現代の私たちです。反対に、最も低いのは江戸時代の末期でした。男性でおよそ身長155センチ、体重50キログラム。外国人の目に「小人の国」と映っても不思議ではありません。戦国時代などのほうが、はるかに体格はよかったのです。それほど貧弱な体格になったのは、鎖国で経済が停滞したことに加え、キリスト教を禁じる観点から人々を宗門改めで土地に縛りつけた、つまり人々の異動を禁じたことが主な原因でした。
▼歴史上の出来事を振り返るとき、その時点でネーションステートが成立していたかどうかは重要なポイントの一つです。そのBefore/Afterで、人々の考え方がまるで異なるからです。
▼激しい内戦が起こるのは、明確な対立軸があるときです。
▼ローマ帝国も大元ウルス(追記:モンゴル帝国)も、リーダーの失敗で滅びたのではなく、きっかけは地球の気候変動でした。産業革命以前に滅びた大帝国のほとんどは、気候変動に伴う諸部族の移動や病原菌の移動が主な原因となっています。産業革命までは農業が主たる産業でしたから、当たり前といえば当たり前です。人間に失敗があったとすれば、気候変動によって大帝国は亡びるものだということに気づいて対処しなかったことかもしれません。
▼歴史に登場する大帝国や覇権国家には、いくつかの共通点があります。ダイバーシティの尊重、身分にとらわれない実力主義、新しい技術の導入などですね。しかし最大のポイントは、合理的でシンプルなグランドデザインを生み出したか(描けるリーダーがいたか)どうかです。
▼ヨーロッパの封建性社会では、わかりやすくいえば、頂点に王や皇帝がいて、その下に中間層として諸侯などの領主がいて、その下に一般の民衆がいるというピラミッド構造を成しています。だから、ヨーロッパでは皇帝や王がその地位を追われたとしても、一気に人民まで転落はせず、中間層の諸侯や領主に戻ることができたわけです。
▼もちろん中国にも領主層がいて、皇帝の多くはそういった���主層や遊牧民の首領から出ています。しかしヨーロッパとは異なり、中国では封建制が早くに姿を消し、皇帝が飛び抜けて偉いだけであとは比較的フラットな流動性の高い社会を形造りました。この本で何度も登場している始皇帝が生み出したグランドデザインのたまものです。加えて共産党支配下の中国では領主層は存在できません。それによって、皇帝をやめさせられた人が一般市民になって生涯を終えるという、大転落が実現したのです。
▼ヨーロッパの歴史でキーマンを三人挙げるなら、ローマ帝国のグランドデザインを描いた古代ローマのユリウス・カエサル(紀元前100~44)、近代国家の基礎を築き、ルネサンスを準備したローマ皇帝フェデリーコ二世(在位1220~50)、そしてネーションステート(国民国家)を完成させたナポレオンだと思います。
▼リーダーの最も大切な仕事は、将来のビジョンを描くことです。そのビジョンは規則やルールに表れます。とりわけ創業者は何もないところから組織をつくりますから、リーダーとしての資質や才覚が明らかになります。
▼明治時代になって、天皇制をコアにして国民国家を創設する際に、イエ制度とセットにして中国の朱子学の考え方を採り入れた影響が大きいと思います。朱子学は、南宋の儒学者だった朱熹(1130~1200)が唱えたもので、君主権や身分制度を許容する男尊女卑の学問です。これが明治政府の天皇制、家父長制とうまくマッチしました。
▼国内の政治がうまくいかないときの一番簡単な対処法が排外主義だからです。「この不幸な状況はあいつらのせいだ、けしからん」と批判の眼を国外にそらす。これは日本にかぎらず、危機に直面して国をまとめられない愚かな指導者の常套手段です。
▼歴史学者のジョン・ルカーチは、著書『歴史学の将来』のなかで、愛郷心や愛国心は誰にでもあるけれど、それが劣等意識と不義の関係を結んだとき、排外的なナショナリズムが生まれると述べています。戦後日本のアイデンティティの柱であった経済大国(GDPでアメリカに次ぐ世界第二位の大国)の地位を中国に奪われた時から排外主義が生まれてきたように思えてなりません。近代の日本の歴史をみてもわかる通り、排外主義は国を滅ぼします。日本で排外主義が目立つように感じたら、阿部正弘が策定したグランドデザインを思い起こしてみるべきでしょう。
▼リーダーの仕事は、究極的にいえば、人々を幸福にすることです。優れたビジョンは、社会の混乱を治め、人々の暮らしを豊かにします。数百年、数千年も受け継がれるのは、最初の設計図がしっかりしていた証拠です。
リーダーシップといえば、メンバーに号令をかけたり、チームを引っ張ったりといった統率力が第一と勘違いされることがあります。どれだけ統率力があっても、優れたグランドデザインを描けなければ、リーダーとして失格です。ビジョンが描けないリーダーは、場当たり的にゴールを変えてしまいがちで、やがてフォロワーにも愛想を尽かされます。誤ってゴールに人々を導くリーダーは、チームの全員を不幸にします。そんなリーダーは、むしろ統率力がないほうが人々は幸せかもしれません。
▼人間は、ホモ・モビリタスという別名があるように元来、あちこち移動して交流する生き物です。人間���歴史は、大規模な移動や交易によって発展してきたといっても決して過言ではありません。だから日本の江戸時代、中国の明朝のように、外国との交易を禁じたり、移動の自由を奪ったりすると、その社会はどんどん住みにくくなります。場合によっては、人間の身体まで、貧弱になってしまうのです。僕はそういう政策を採った政権を評価しません。
▼長期的に見れば、人類は地球上を自由に移動し、自由な交易によって互いに不足するものを補い合って発展してきました。人類の歴史を知っていれば、本質的な観点から現在の出来事を把えることができるでしょう。それこそが、歴史を活かすことだと僕は考えています。
<目次>
はじめに
第1章 マネー
第2章 失敗
第3章 リーダー
第4章 大逆転
第5章 女性
第6章 宗教
第7章 戦争
第8章 ライフスタイル
第9章 アメリカ
第10章 日本と世界
おわりに
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「歴史」をなぜ学ぶのか?その訳を出口さんは「はじめに」で書かれている。
冒頭、「未来に何が起こるかは、本当にわからないものです。」と述べ、そういう不測の事態が起こったときの対処を歴史から学べと言われている。
確かに現在のコロナ禍に関しても、世界中がパニックに陥っているが、過去のペスト等の感染拡大の歴史から学び、対策をとられていることがほとんどである。地震等の災害についても、過去の経験に基づく教訓が生かされることが多いというのも事実である。
本書は、「文藝春秋digital」の連載をまとめたもののようで、「マネー」「失敗」「リーダー」「大逆転」「女性」「宗教」「戦争」「ライフスタイル」「アメリカ」「日本と世界」という10個の大きなテーマ設定に基づき、その読者や編集者からの80の疑問に、著者が過去の歴史の事例を引っ張ってきて答えている。
日本史のみならず世界史についても博識の著者であるので、様々な角度からの質問に、たくさんの著者の引き出しから最適解を導き出しているという感じだ。
「なぜ劉邦は項羽に勝てたのですか?」というように、一つの歴史的事実に対する疑問に答えたものもあれば、アメリカの章では「ナンバー1大統領とワースト1大統領を教えてください」というように、著者の考えを直接問うようなものもある。
前者のような質問については、現状確認できる史実に基づき、著者がもっとも合理的と考える答えを述べている。誰もがある程度「やっぱり、そうだよね」と納得できそうな答えが示されている。
しかし後者のような質問には、著者は個人的見解でしか答えようがない。この質問の著者の答えは、ナンバー1がフランクリン・ルーズベルトで、ワースト1がドナルド・トランプだったが、これはある意味著者の個人的見解ではあると思う。しかし、それでもその理由が明快であって、なんとなくその答えが普遍的なものに見えてきたりする。
著者は、答えを出すときに、幾つもの引き出しの中から最適な歴史的事例を選択し、例示してくれる。その選択のセンスが著者の博識に裏付けられたものであり、述べられた根拠の解説なども、極めて合理的なストーリーで展開されているように感じる。
80項目の質問に対する回答は、一見、固定的な側面での答えのように見えて、実は著者の幾つもの分析の結果から選ばれた合理的な最適解が示されていると思う。なので、読者として合意できる答えには納得性があるし、合意できないなと感じても、考え方がとても参考になる。ちょっと答えがダイレクト過ぎて、テストの「傾向と対策」的な解説であり、微妙に味気なさを感じるのは私の個人的なものかも知れない。
総じて本書をトリガとして、気になる人物はさらに深読みするなどしていけば、ビジネスや人生での応用に役立てられるように思う。
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2020年、9冊目です。
歴史上の人物やその人物にまつわる出来事について、質問形式で著者に尋ね、それに対する著者の認識が表現されたものです。見方をかえれば、出口版歴史観です。
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Q&A形式で軽い感じで歴史の色々な小話を知ることができる一冊。
著者の視点に偏りがある感じが気になるが、それも歴史解釈の一つとして捉えて読むことが重要だと思う。
歴史を一断面的に捉えるのではなく、他方面から見るとまた違った見え方もするということを訴えているのか?とも思う。教科書や小説とも違った、新しい面から考えることもまた面白いと思う。
中高生の歴史理解を深めるための(試験に出ないが)ひとつとして読むのも良いかもしれない。ただし、ただ信じるのではなく、批判的に読むことが大切。
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出口先生の本は、いつも気づきを与えてくれます。一度立ち止まる、過去の歴史を振り返る。歴史には、行動のヒントがたくさん散らばっている。
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歴史の教養をつけたいと思って読んだ本(日経ウーマンの教養本で紹介されてた)。
過去に中国人の友達に兄弟はいるの?と聞いて、「いないよ。一人っ子政策だったからね」と言われて、恥ずかしかったので。
何度か海外旅行に行って、どこでも中華料理は食べれるなと思ってた。この本を読んで、清の時代に連合王国に労働者として世界各地に連れて行かれたことと、火力革命による調理法のおかげで中華料理が世界のどこでも食べられるとわかった。
たくさん初めて学ぶことがあったけどなぜかこのエピソードが一番印象に残った。自分が当たり前だと思って何も感じてないことにも歴史があってそれを知る、学ぶって面白いなぁと思ったからかな。
学生時代は暗記科目で苦痛だった歴史が、ああ〜面白い、ドラマだなと思った。
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QA方式で80の事項が整理されており、どれも面白い!国力が相対的に落ちてきた今だからこそ、歴史から学ぶ姿勢は大事。ヘイトスピーチではなにも変えられない。
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出口さんの歴史解説はやっぱり面白い。そしてシンプルである。グランドデザインを作った人は誰であれ天才。国際協調は閉鎖主義に勝る。戦争はしばしば失業対策のために行われる。などなど。知識を体系化するには、物事の表面的なところに惑わされるのではなくて、その本質的な問題は過去にも起こらなかったか?ということを毎回考える癖をつけるのが大事なのだと思う。