紙の本
神様のケーキ
2021/03/14 13:58
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
錦糸町の雑居ビルに入っているマッサージ店、カフェ、会社の人達の話と、最後に向かいのマンションの住人の話。こういった少しずつ繋がりのある短編集が好きなのでとても楽しめました。カフェ店長にかけられる、「どうでも良い奴にどう思われようと関係ない」という言葉に目が覚める思いがしました。自分もどうでも良い奴にどう思われるか気にしすぎていたと。どの話にもはっとするような言葉があり、読み終えた時には登場した皆の幸せを祈りたくなりました。
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前向きにいきたいと思う!
2019/11/11 08:05
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
5編からなる連作短編。どの短編も、家庭の事情、恋など、これから前へ進もうとする一歩手前で終わるんですが、そこまでの過程がすごく良かったです。自分も何かに挑もうとする時は、どうなるかわかりませんが足掻いて、もがいて、前に進んで行こうという勇気をくれました。前向きな気持ちになれる素敵な作品でした。作中にででくる賛否両論の映画『深海魚』が気になりますね。
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なんだろう
2022/10/17 14:13
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
生きたて働いてれば、嫌なことはたくさんあるだろう。
それをわざわざ文章にして、世の中もっとひどいこともあるんだよって分からせる?
そういう意図?
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初読み作家さん。しみるなぁ・・・、うん。
自分に似た人はいなかったと思うけど、なんていうか、いつか選ばなかった道の先、みたい。今の自分の喜びや辛さと、ステージが違うだけで根本は同じなのかなぁと思う。
音楽を作る朝海の話がけっこうインパクトあった。
骨も残らないほど使い切って死にたい、とウツミマコトの映画に共感する朝海。
少なからず自信のある自分の力を、超えて越えていく哲平という才能を、愛しているから直視したくない、でも愛しているから潰したくない。
良くも悪くも一直線な想いが、左から右へ駆け抜けていくようだった。
タイトルに照らし合わせると、どのお話も、辛さや苦さをなめつくしてからやっと、甘美なご褒美を食べられる、という作りなのかな。食べられる一歩手前だから、どう転がるかはわからないけど。
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少し自分には合わなかった感じ。あまり情景が浮かんで来ず、最後まで波に乗れなかった。体調不良だったからかも。
あらすじ(背表紙より)
ありふれた雑居ビルで繰り広げられるいくつもの人間模様。シングルマザーのマッサージ師が踏み出す一歩、喘息持ちのカフェバー店長の恋、理想の男から逃れられないOLの決意…。思うようにいかないことばかりだけれど、かすかな光を求めてまた立ち上がる。もがき、傷つき、それでも前を向く人々の切実な思いが胸を震わせる、明日に向かうための五編の短編集。
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終盤までは、やっぱり日常の小説は合わないかなと思いながら、でも読みやすく次から次へと読み進めました。
背景も見ている先も違う主人公たちなのに、なぜか全てに感情移入ができる。
何気なく過ごしている日常も、ふと思い返せば色んな出来事があって、そのたびに色んな感情の波が起きてるんだと振り返れる小説でした。
彩瀬まるさんの作品は初めてでしたが、素晴らしい表現力の作家さんだと思います。
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かわいい表紙と題名が印象的で手に取った。
雑居ビルを舞台に、どこか苦しくて、
もがいている人々の人間模様がつづられている。
みんながいる境遇は独特なので
全く同じ境遇と言う人は少ないかも知れないけど、
どこか共感できる部分はあるのではないかと思う。
登場人物みんなが、
どうにもならない世界の理不尽さを許し、
付き合っていこうと、生きる姿勢を少しだけ変えるまでのプロセスが、これ以上ないほど丁寧に描かれていく。
(柚木麻子さんの解説より)
まさにこの本の魅力をよく表していると思う。
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寂れた雑居ビルで働く人々を描いた短編集。
少しの交わりこそあれど深く関わるのは画家のち映画監督となった男の絵と映画のみ。その映画や絵が最後にドカンと来るのかと思いきや、何もなく終わった。拍子抜け。
この人の考え方無いわぁと思ったりこの人に幸せになってほしいなぁと思ったり。
乳癌の施術跡をみた恋人の言葉に突然涙が出てきて自分でもびっくりした。だから大丈夫。そう思えるのって強い。
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ひとつの雑居ビルを介して
いろんなひとの物語が寄り添ってゆく。
あまり読後感は爽やかではない。
幸せが見つからない。
見つかりにくいストーリーが多いからかな。
わたしが求めている小説ではなかった。
そういうことかもしれない。
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ラストまで読んで、タイトルの意味を知った。
もしかしたら、筆者の望んだタイトルじゃないかもしれないけれど(本にはそういうことがままあるから)、それでもこのタイトルはとても腑に落ちた。
そう、神様のケーキを頰ばるまで、あと少しだけ。(がんばろう)
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初めて読む作家さん。タイトルと表紙のに惹かれて。
すごく引き込まれて久しぶりに時間を惜しんで読み、でも読み終わってしまうのが勿体無いと思わせてくれる一冊だった。
雑居ビルで繰り広げられるいくつもの人間模様ー
挫折を味わったことがある人が特に共感できるのかも、、と思った。
ところどころ身につまされ、胸が苦しくなるところもありつつ、5作品とも後味良く終わるところが良い。
全て良かったけど、特に最後の物語が好きだなぁ。題名の意味と繋がりスッキリ、ほっこり。私も頑張ろうと思える、大切な一冊になった。
また読み返すだろうな。
それにしても若い作家さんらしいけど文体、表現が素晴らしい。他の著書も読んでみたい。
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どの話もとてもしっとりとしていて、嫌な部分とか見たくない部分とか、それでも、と前を向ける、そんな気持ちにさせてくれた。
うん、とりあえず、がんばろう。
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帯「かすかでも光はきっとある。」
人生そんなにうまくはいかないし、自分だけじゃない、みんな悩んでいる。その中でどうやって光を見出だすかなのかな、と、読んでちょっと私も頑張ろ、と思えた作品。お気に入り。
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読書の秋の筈なのにちょっと読むペースが落ちてきた。この本はランキングを見て皆さんの評価が良かったところからチョイス。
寂れた雑居ビルでそれぞれの仕事に勤しむ人たちを描いた短編が5つ。
離婚して女手ひとつで二人の子供を育てるマッサージ師、喘息持ちのカフェバーの店長、古本屋のアルバイトをしながら音楽つくりをする女性、理想の男から逃れられないOL、ホームセンターのバックヤードで梱包作業に身をやつす元カフェ経営者。
それぞれ事情はあるけれど、人からどう見えるのか見られているのかを気にしながら、あるいは自分の理想に囚われながら、それらに合わせるように生きている人たち。
社会の中で生きること、自分らしく生きること、その折り合いをつけること、ということについて身につまされるところもないではなく、大きく心が揺さぶられるということはなかったが、まあ、普通に良かった。
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同じ雑居ビルで働く人たちを描いた連作短編。とくに大きな出来事はないけれど、感情が丁寧に描かれていてよかった。”ウツボ”欲しいな…。