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商品説明
1945年8月、日本敗戦。明智小五郎は応召して不在だった。そんな中で目撃された、二十面相の犯行予告。それは、四谷重工業の社長・四谷剛太郎に向けられたもので…。小林少年がひとり、立ちあがる!【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
辻真先
- 略歴
- 〈辻真先〉1932年愛知県生まれ。名古屋大学文学部卒。「アリスの国の殺人」で日本推理作家協会賞、「完全恋愛」で本格ミステリ大賞受賞。
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紙の本
『焼跡の二十面相』
2022/02/13 20:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1945年8月15日の敗戦直後
名探偵明智小五郎は応召していまだ戻らず、文代夫人は軽井沢で療養中
麻布龍土町にある焼け残った明智探偵事務所の留守を守っていたのは、明智探偵の信頼篤い“小林くん”こと少年探偵団団長の小林芳雄少年でした
その小林くんが自転車で渋谷の闇市に出かける途中で出会った不可思議な殺人事件
警視庁の中村警部が首をかしげる謎を小林くんが解いたところから物語が始まります
国宝級の逸品をめぐり蠢く大財閥の総帥
それを狙うのは奥多摩の鍾乳洞で逮捕されたはずの世紀の大怪盗怪人二十面相
明智先生はいつ帰ってくるのか
賊に囚われた小林くんの運命やいかに
《昭和を代表するダーク・ヒーロー、
巨匠の筆に乗り、
平成の終わりを駆け抜ける。》──帯の紹介文
「少年探偵団」シリーズへのオマージュがそこかしこに
「明智先生バンザーイ! 少年探偵団バンザーイ!」
“痛快無類の冒険探偵小説!”──帯のコピー
1932年生まれの著者が戦争への悔恨を込めて敗戦直後の世相を描き出す“社会派ピカレスクロマン”、2019年4月刊
紙の本
二十面相と小林少年
2021/07/11 08:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
敗戦直後の東京で、怪人二十面相と少年探偵団小林少年が活躍する冒険談。明智探偵は、破線直後という状況で不在であるが、二人の活躍で物語は、予想もしない展開を迎える。敗戦直後の日本の状況を表現するとともに、未来に明るさを求めようとする当時の人々の姿が描かれる。
紙の本
せつなさとリアルな残酷さ
2019/12/29 18:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
1945年夏、少年探偵団シリーズではこの時期のことは描かれていないが・・・それもむべなるかな、というか、むしろ当たり前だと思えるほどの東京とその近郊の荒廃振り、物資のなさに胸が痛くなる。
小林くんが坊主頭とか、たくあんのしっぽをよく噛んで空腹を紛らわすとか、痛々しくて泣きそうだが、あの時期、生き残った誰もが通る道。「困窮の中にありました」とドラマやドキュメンタリーなんかでもそんなナレーションで片付けられてしまうかもしれないけれど、実際に何日も何週間も何月も、ひもじさに耐えていたのは子供たち。そして戦争に負けたことで今まで教えられたことが180度変わり、「鬼畜米英!」と叫んでいた大人が進駐軍にペコペコする姿を見せられて・・・素直で純真な子供ほどトラウマになるよ。
さて、そんなトラウマを持つ辻真先によるこれは、江戸川乱歩の<少年探偵団シリーズ>のパスティーシュでありつつも正伝の間を埋める役割も。
地の文は「いかにも乱歩的文体」の特徴をとらえつつ、今の視点から見て過剰にならないようにすっきりと。いつもの辻真先文体との融合が図られていてニヤリだ。
また子爵邸に施された大掛かりな仕掛けなど、まさにあの感じ!
回顧主義っぽいものの中に、現代を刺す鋭さがちらほらとある。戦中戦後を体験したものとして、言い残しておかねばならないことがいっぱいある・・・という感じなのであろうか。
ラストのたたみかけの大味具合もまさに乱歩的。
終わり間近に急遽登場した豪華ゲストに対する爆弾発言は・・・そこまではっきり言っちゃっていいんですか!