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収録作品一覧
流言蜚語 | 11−173 | |
---|---|---|
日本人の自然観 | 176−247 | |
明日に迫ったこの国難 | 248−273 |
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紙の本
我が国の第一級の社会学者、清水幾多郎氏によるデマやうわさの起因、構造、社会的影響などについて詳細に分析した一冊です!
2020/04/21 10:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、我が国を代表する第一級の社会学者であり、評論家でもあった清水幾多郎氏によって1937年に刊行された書です。その名の通り、「流言蜚語(りゅげんひご)」、事実とは異なる伝聞や根拠のないうわさなどが、どのようにして起こり、それはそのような構造をもって、社会に広まり、影響を与えていくのかを詳細にわたって分析した内容となっています。また、第2部では、関東大震災の生々しい体験記と震災直後の世情への反応、流言を考察した随筆も収録されています。同書の内容構成は、第1部が、「流言蜚語と報道」と「流言蜚語と輿論」、第2部が、「日本人の自然観―関東大震災」、「明日に迫ったこの国難―読者に訴える」、「大震災は私を変えた」、「地震のあとさき」となっています。
紙の本
東日本大震災とコントラストをなす関東大震災と「天譴 (天罰)」と
2011/06/29 22:05
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災をうけて再刊された本だが,おもな部分は戦前に書かれたようだ. 前半はタイトルになっている流言蜚語について書いているが,抽象的なのと,インターネットがある現在とはことなる状況のものなので,途中で読むのをやめようかとおもった.
しかし,後半は著者の関東大震災の経験をつづった文章をあつめていて,具体的かつ印象的な文章だ. そこではしばしば 「天譴 (てんけん)」 ということばがあらわれる. 「天罰」 にちかい意味だ. 石原慎太郎のことばがおもいだされる. 過去の震災が書かれている本として鴨長明の 「方丈記」 とヴォルテールの 「カンディード」 があげられている. 後者はヨーロッパに広範な被害をだしたリスボン地震について書いているという. 「カンディード」 との比較で日本の 「天譴」 ということばの軽さが指摘されている.
著者は「東京が消失しても,300 万の日本人が死んでも,涙を流す外国人は 1 人もいないでしょう」 と書いているが,東日本大震災でわかったことはそれとはまったく逆だった. そして,著者はまた大威張りで朝鮮人を殺して銃剣の血を洗っている兵隊と出会っておどろいているが,東日本大震災では日本人みなが献身的にはたらく自衛隊員のすがたを見た. このコントラストは現代の日本人の希望であり自信につながるものだ.