紙の本
甘酸っぱい感じ
2023/12/17 16:16
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投稿者:わかめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
学生たちの中で起こる事件。今回のシリーズは、恋愛が絡んでいて、少し甘酸っぱい感じがする。殺人事件がある短編もあって、さらに読みごたえがある。東日本大震災の話もあり、心が痛むことがある。響いてくるものがある短編小説。
電子書籍
試し読みに是非
2022/07/21 09:38
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投稿者:MIKA - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集だから、読んだことのない作家さんの作品を試しに読んでみる。というトライアルにはぴったり。
しかも、どれも各々作家さんの雰囲気がしっかり出ていて既にファンな読者にも楽しめる。
良いアンソロジーだった。
一編だけ自己満足に浸っているだけの話があり興醒めしたので☆一つマイナスで。
紙の本
1より好きです
2021/02/03 04:54
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
収録されてる作品すべておもしろく、アタリなアンソロジーでした。前作よりこちらの方が好みです。
学生時代ならではの恋愛や嫉妬などの要素が多いなか、額賀さんの地震津波を扱った作品はとても重く響きました。もしかしたら、こういうことが実際にあったのかもしれないって思うくらいリアルな雰囲気でした、いや、あったら哀しいんですけどね。
紙の本
ぱっとしない
2021/12/17 15:51
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
1が面白かったから、それなりに期待してたんだけど、
あんまりおもしろくなかったかな。
特に、殺人事件の出てくる話。
結末もなんだかなって感じ。
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放課後がテーマのアンソロジー。
一番のお気に入りは、額賀さんの「願わくば〜」。
美術部の先輩と後輩の何気ない一コマから一転。あの津波の痛ましい震災。そして震災から5年経ったある日、東京から帰省した宗平は美術部の先輩の藍と再会し、同じ職場で働く三浦の祖父の震災時の足取りを辿る手伝いをして欲しいと頼まれて…
震災の生々しい描写が痛ましく、ただ辛いだけの追憶かと思いきや、まさかのラストで呆然でした。行方不明の菅原先輩はきっと、宗平が思った通りの態度を取る様な気がしました。
青崎さんの裏染シリーズの番外編。このシリーズ、又読みたいです!
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それぞれの作者の個性が出ていて面白かったですね。
東日本大震災を舞台にした「願わくば海の底で」は考えさせられましたね。あの状態で何ができるのか。推理小説だけにとどまらないものがありました。
学生時代は一度きりだけど、人生は続くわけで、その一時だけが特別とも思わない私ですが(学校大嫌いだったし)、読書として楽しむのは構わないですよね。
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…
粒ぞろい、とはこのこと!
全5編、どれも楽しく読めました。だいたいアンソロジー読むとその中から気に入った作家さんのを見繕って2、3冊買ってしまうんだけど…さて…
「その爪先を彩る赤」武田綾乃
出ました百合ミステリ。あ、百合って部分ネタバレだけどいかにもな疑似餌だからそれくらい大丈夫だよね? 素敵なペアリング、そしてこのテーマもほんとうに放課後にしっくりきていて。開幕にばっちり。
「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」斜線堂有紀
念願の斜線堂さん! 思っていたとおりというか、なんというか。文庫が…待てなく…なる…
「黒塗り楽譜と転校生」辻堂ゆめ
片想い探偵のひとね。もう少し上の年代だと思ってた…90年代すごいなー黄金世代か?
気持ちいい、短編。
「願わくば海の底で」額賀澪
いちばん重くて、その分いちばん印象に残った一編。甘酸っぱくて脳天気な放課後から始まる関係性というのが、ずっしりと響いてくる。使いかたである。
「あるいは紙の」青崎有吾
はいはい安定(笑
いやーこの冬は楽しい読書の冬になりそうで。もっと読みたいから☆4。勝手か。
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五人の作家達が、高校生の青春をテーマにしたミステリーです。
初めてアンソロジーという作品を読みましたが、それぞれの作家さんの色が出ていて、面白かったです。今までの作品から出てくる雰囲気や構成が滲みながらも短編に仕上がっていて、1つで5つの味を味わえました。
「その爪先を彩る赤」 武田綾乃
演劇部で使われていた赤い靴が行方不明。果たして何処へいたか?
主に女子高生を中心に描いていて、生き生きとした表現にアニメを見ているような雰囲気や元気さが伝わってきました。
「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」 斜線堂有紀
軽度な犯罪かと思いきや、殺人事件が発生。果たして犯人は?
サスペンスを得意としている斜線堂さん。ガッツリと本格的で、短編集ながらもドンデン返しや高校生たちの繊細な心理描写が描かれていて、満腹感がありました。
「黒塗り楽譜と高校生」辻堂ゆめ
合唱の練習中、途中の譜面から黒塗りになっているのを発見。果たして誰がやったのか?
伏線の回収が絶妙な辻堂さん。今回も何気ない行動が、後に大きな意味を持っていることに実力発揮されている印象でした。「負」の状況になりながらも、前に明るく踏み出そうとしている表現や雰囲気が良かったです。
「願わくば海の底で」 額賀澪
東日本大震災から5年後。あの日の祖父の足取りが知りたいという三浦。色んな所で証言を聞いていると、ある隠された事実が見えてきます。
この作品の中では印象深くて、心に刺さり、さらに重い気持ちながらも良かった作品でした。登場人物の心理描写が丁寧で、思いの丈をぶちまけるシーンが読者の心を揺さぶりました。
「あるいは紙の」 青崎有吾
最近何度か見かける高校内での吸殻。誰が吸っているのか、あの探偵が登場します。
「〜の殺人」シリーズの裏染天馬の推理が華麗で、披露する人は異なっていますが、着々と犯人に追い詰めていく過程が面白く、短編では短すぎる。もう少し読みたいと感じてしまいました。
一人一人の作者さんの特色が詰まった作品で、軽いものから重めな話まで面白かったです。
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☆「その爪先を彩る赤」(武田綾乃)
生徒会でこき使われてるボクっ娘が、多重人格と言い張る理事長の娘とともに、演劇部の小道具(赤い靴)盗難事件の謎を追う。
☆「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」(斜線堂有紀)
文芸部の部室で部員が殺された謎を、奇人の部長が解く。ほのぼの系が多い中で、オチの付け方など、かなり異質。
☆「黒塗り楽譜と転校生」(辻堂ゆめ)
合唱コンクール用の楽譜が黒塗りにされた理由を、語り手の少女の、幼馴染である変わり者の男子が解く。リア充滅せよ。
☆「願わくば海の底で」(額賀澪)
これもトーンが重い。3.11で消息を断った祖父の足跡を追う青年を、手伝うことになった語り手。彼の美術部での先輩もまた、震災で行方不明となっていた……。これミステリになるのかな、と思ってると。
☆「あるいは紙の」(青崎有吾)
裏染天馬シリーズのスピンオフ。本来ブレーキ役の新聞部副部長が、彼なりに探偵役を務める。このシリーズ食わず嫌いで読んでなかったけど、読んでみようかな。
以上5作。学園モノだからか、探偵役のキャラが濃い話が多い。そのせいでシリーズ物の第一話みたいだな、と感じた。実際にシリーズ物なのは、「あるいは紙の」だけのようだが、案外このキャラで別の話が書かれるかも知れない。
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各作品の扉にも、それぞれ違うイラストレーターが描いているぜいたくな一冊。装画は5編すべての要素を盛り込んでいるのも楽しい。
『願わくば海の底で』(額賀澪)が深い余韻を残した。震災を扱っていて、行方不明になっている人の"あの日"に思いがけない事実をもってくる。亡くなったかどうか100%の確信が持てない心理状態について、切なく思いを致す一作。
「大勢の人が、その《潮時》を無理矢理踏み越えてきた。」
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日常の謎系と思いきや、震災時の高校生の話があったのはつらかった。当時高校2年と卒業したばかりの3年生の5年後。違うアンソロジーで読みたかった気もする。
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【収録作品】「その爪先を彩る赤」 武田 綾乃/「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」 斜線堂 有紀/「黒塗り楽譜と転校生」 辻堂 ゆめ/「願わくば海の底で」 額賀 澪/「あるいは紙の」 青崎 有吾
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久方ぶりの裏染シリーズ「あるいは紙の」。久しぶりすぎて、あれ、こんなんだったけ? 次作の伏線っぽいのがあったけれどもどうなるのか。他作品はおいおい読んでいきます(2021/2/13記)。
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武田綾乃と額賀澪の直接対決!、と思ったのだけど、勝負になってなかった…
お座敷に合わないネタを振り回してもねぇ…
やっぱ、エンタメ作家として生きていくこと自体に無理がある気がするなぁ…
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前作から、10年ぶりの復活となる本書は、創元推理文庫から2020年に発売された、「書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー」の第二弾で、全て1990年代生まれの作家が書かれているのが特徴ですが、どちらかというと、その若さはあまり気にならず、バラエティに富んだ多種多様な作風を、一冊で体感できた喜びが強かったです。
武田綾乃 「その爪先を彩る赤」
演劇部の失くなった靴を捜索する話で、犯人や動機は分かりやすいものの、その後の探偵に絡む、謎解きの細やかな伏線が見事だと思いましたし、そこに潜んでいたのは、探偵と「僕」との間における、稀少な価値観の共有で、こうした自分を認めてくれるような喜びは、学園生活では、やはり大切ですよね。
斜線堂有紀 「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」
武田さんの、明るい雰囲気の話の後だけに、余計に衝撃的に思われて、犯人探しや事件の謎以上に、後味の悪さが凄まじく、おそらく、大人の全く介入しない状況もそうさせたのかもと思うと、学生たちの持つ視野の狭さに、思考能力の限界や恐ろしさを感じさせられて、もはや狂気的ですらある。問題作。
辻堂ゆめ 「黒塗り楽譜と転校生」
ミステリの要素に、やや専門性を感じられたが、合唱コンクールを絡めた清々しい物語には、これぞ青春といった気持ちの高まりを覚え、最初まとまらなかったけど、やるときはやるといった、かつての私の中学のクラスの雰囲気を思い出しましたし、謎の答えについても、同様の青春が滲み出ていて、この時しか体験出来ないことの素晴らしさを、実感いたしました。
額賀澪 「願わくば海の底で」
まさか、こうしたアンソロジーで、東日本大震災を題材にしたことに驚き、その筆致も、当時の哀しみだけでは表せないような、複雑で繊細な哀しみを、こと細かく表現しており、『その《潮時》を無理矢理踏み越えてきた』等に感じ入るものもありましたが、ミステリ要素も、最後の最後にどんでん返し的に入っており、しかも、それが見事というのが適切なのかどうか分かりませんが、皮肉にも、震災と絡んでいるからこそ成立するような、叙情感や喪失感に、諦観めいた悲しみ、そして、人として、どうあるべきだったのか? そんな事を考えさせてくれました。
青崎有吾 「あるいは紙の」
最近フォローしている人達の間で盛り上がっているのを、私は素知らぬ振りをしつつ、秘かに気になっていた方で、まずは短編をと、お試し感覚で読んでみたら「裏染天馬」シリーズで、しまったと思ったが、どうやら番外編的な感じでもありそうで、主役は「クラーク・ケント」の彼だったが、「向坂香織」とのやり取りに青春のもどかしい切なさがあったり、天馬とのやり取りの素朴さ等、まず物語としての面白さがあっての、最後の謎解きは渋いながらも効果的だったし、それは、向坂自身の思いの詰まった、彼女自身の存在意義を証明したようでもあって、彼の為したことの大きさを実感させられた終わり方は、とても素敵で、このシリーズにより興味を持ちました。それにしても、青崎さんは時代もの好きなのかな。
以上、五つの短編を���みまして、いくつかの作品で印象的だったのが、この年代特有の、本音を素直に言えなかったり、自分の想定以上の意地を張ってしまうといった、そのもどかしい感情に苦しむ姿であり、これこそ青春に付きものなのかもしれませんが、おそらく実際にどうすれば良いのか、本人自身、分からないのでしょうね。
しかし、そこを試行錯誤して乗り越えていくことが、大人へと成長していく、一つの要素なのかもしれないと思うと、これらの物語には、そうした成長への願いが込められているようにも感じられて、私の中のどこかで、アンソロジーには単行本に掲載しないような実験的なものや、ちょっとした小品を書いているといった、そんなイメージを払拭してくれた、素敵な作品集でした。