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- カテゴリ:一般
- 発売日:2020/05/13
- 出版社: 日経BP日本経済新聞出版本部
- サイズ:20cm/523p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-532-35853-2
読割 50
紙の本
絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか
著者 アビジット・V・バナジー (著),エステル・デュフロ (著),村井章子 (訳)
貿易戦争、社会格差、移民、環境破壊…。現代の危機において、まともな「よい経済学」は何ができるのか? 2019年ノーベル経済学賞受賞者が、よりよい世界にするために、経済学に...
絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか
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商品説明
貿易戦争、社会格差、移民、環境破壊…。現代の危機において、まともな「よい経済学」は何ができるのか? 2019年ノーベル経済学賞受賞者が、よりよい世界にするために、経済学にできることを真っ正面から問いかける。【「TRC MARC」の商品解説】
日本経済新聞「エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10」 第1位!
人間らしく生きられる世界をつくるために経済学には何ができるか。
ノーベル経済学賞受賞者が答える。
NHK、日経新聞、朝日新聞、毎日新聞、共同通信、週刊エコノミスト誌で紹介された話題の本
ビル・ゲイツが「読むべき5冊」に選出!
「バナジーとデュフロは昨年ノーベル経済学賞を受賞した、いま一番頭がいい経済学者たちで、経済学を一般の人にも理解できるようにすることにも長けている。この新著では、不平等と政治の二分化を、アメリカのような富裕国における議論から解説している」
柳川範之氏(東京大学大学院教授)推薦!
「世界経済が戦後最大ともいえる困難に直面している今、
なんとタイムリーな本の出版だろうか。」
「不安で不安定な時代」
に経済学には何ができるか。
●人間が望む幸福とは何か。
●生活困難に陥った人々を政府はどう救済すべきか。
●社会の格差をどう克服すべきか。
ノーベル経済学賞受賞者が答える。
* * *
いま、あらゆる国で、議論の膠着化が見られる。多くの政治指導者がひたすら怒りを煽り、不信感を蔓延させ、二極化を深刻化させている。対立する人々は、話し合いをすることもままならなくなっている。ますます建設的な行動を起こせなくなり、課題が放置されるという悪循環が起きている。
* * *
社会全体を覆う「危機」において、経済学と社会政策は重要な役回りを演じている。
●市場から見捨てられた人々を社会はどう救うか。
●成長を回復するために何ができるか。
●急拡大する不平等に打つ手はあるか。
●貿易は不平等にどのような影響をもたらすのか。
●貿易の未来はどうなるのか。
●移民問題にはどう取り組むのか。
●新技術にどう対応するのか。
* * *
だが、「経済学者」への世間の信用度は、「政治家」に次いで二番目に低い。どうしたら「まともで良い経済学」の最新の知見を、もっと一般の方々に活用してもらえるようになるのだろうか。
よりよい世界にするために、経済学にできることを真っ正面から問いかける、希望の書。【商品解説】
目次
- 序文
- 第1章 経済学が信頼を取り戻すために
- 第2章 鮫の口から逃げて
- 第3章 自由貿易はいいことか?
- 第4章 好きなもの・欲しいもの・必要なもの
- 第5章 成長の終焉?
- 第6章 気温が二度上がったら…
- 第7章 不平等はなぜ拡大したか
- 第8章 政府には何ができるか
- 第9章 救済と尊厳のはざまで
著者紹介
アビジット・V・バナジー
- 略歴
- 〈アビジット・V.バナジー〉MITフォード財団国際記念教授。ノーベル経済学賞受賞。
〈エステル・デュフロ〉フランス出身。MITアブドゥル・ラティフ・ジャミール記念教授。ノーベル経済学賞受賞。
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紙の本
頷ける
2020/07/20 10:37
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済学は何のためにあるのだろうか。ある経済学者は、経済学はすべての人々ができるだけ豊かな生活を営むことができるようにするためにどうすればよいのか、という実践的な要請に応えなければいけない、と言う。著者は、効率性、経済成長だけでなく、分配の公正、貧困の解消という経済学本来の立場に返って、新しい経済学の分析的枠組、展開を求めて経済学の努力がなされなければならない、と述べる。
経済学者は専門家として政治家に次いで下から2番目の信用度、つまり信用されない存在らしい。日本でも同様だろうと思う。政治家が経済学者の意見を聞いて政策を行った時に、うまくいくこともあるが、失敗することの方が多かったようだ。
「貧困の経済学」を読んで考えさせられたが、この本ではさらに刺激的であった。貧困問題を研究してきた著者は、アメリカの状況を実証的に調査分析して論じ、貧困国で起きていることは先進国でも起きているという。アメリカのダイナミクスは顕著な地域格差を覆い隠しており、この現象はヨーロッパの国でも起きているとする。
世界全体としてみれば経済成長により数十年前に比べれば貧困状況は改善されてきた。とはいえ、良い政策もあれば悪い政策もあり、問題も累積し、それが顕在化している。
良い経済学もあるが悪い経済学もある。悪い経済学に基づく政策に対して次のように行動することを訴える。根拠のない考えに対してできる唯一のことは油断せずに見張り、「疑う余地はない」などという主張に騙されず、奇跡の約束を疑い、エビデンスを吟味し、問題を単純化せず、根気よく取り組み、調べられることは調べ、判明した事実に誠実であることだ。
こうした警戒を怠ったら多面的な問題を巡る議論は極度に単純化あるは矮小化され、政策分析も行わずに安直な見かけ倒しの解決に帰還することになるだろう。
改めて見渡せば頷けることも多い。