紙の本
わかりやすいです
2021/09/24 11:13
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
MMTを自分の言葉で説明できるようになりたくて、こちらの本を読みました。
350ページ越えと、私はページ数多いなぁと思ったのですが、その分内容も多かったように思います。
経済の基礎から、今の政治の欠陥まで説明されており、たくさんの人に知ってほしい内容だと思いました。
国債は、国民の借金ではない!
電子書籍
どんなかたにもおすすめできます
2019/09/04 08:45
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴーやん - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在の経済や経済をとりまく議論について、わかりやすく解説し、
解決策が提示してあります。
よくある疑問も作者が、こういうとこういわれるけど、こうだと、反論についても反論する人の考え方も含めて、わかりやすく解説。
みなさんに、読んでいただきたい書籍です。
紙の本
日本の成長を妨げる者達の行動原理
2019/10/20 01:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:へもへものへじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
財政破綻を煽り、緊縮財政を継続する安倍政権。
実は安倍政権は、「コンクリートから人へ」を謳っていた民主党政権よりも、公共事業費を削減しているのです。
国土強靭化などと、口では威勢の良いことを言っているが、やっていることは「悪夢の民主党」以下なのです。
先達て台風19号が襲来し、日本のあちこちで水害を引き起こしましたが、もしも安倍政権がこの7年間で公共事業を増やし、真の国土強靭化を進めていたら、救えた命が有ったかも知れません。
緊縮財政は人を殺すのです。
1997年以降の自民党政権も民主党政権も、人殺しの共犯者なのです。
それを今更、「間違いでした」などとは口が裂けても言えないでしょう。
この書は、そのような一度傾いた流れを簡単には軌道修正出来ない理由を、社会科学の側面から分析しています。
我々は一体どうすれば、この流れを変えることができるのでしょうか?
それを考える一助となる本だと思います。
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「全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室」中野剛志
2つの経済政策
思想決定説、、発想の元になっている思想があり、その思想が政策を決めている
政治決定説、、背後に政策を動かしている勢力がおり、その勢力が自分たちの為に政策を決めている
実はグローバリゼーションによって起こることは、経済成長の鈍化と格差の拡大。
国民が税金を納める通貨はそれを発行する政府から手に入れている。ということは、政府は徴税する前に支出して国民に通貨を渡していかなければならない。つまり、政府は支出の為の財源として事前に税を徴収する必要はない。
政府が国債を発行する理由は財源確保ではなく、金利を調節する為。
政府が支出を行うと、支出額と同額分だけ民間業者の預金が増え、同時に民間銀行の日銀当座預金もまた同額増える。
すると、日銀当座預金の超過が生じて金利が低下する為、政府は国債を発行して民間銀行に売却し、金利の水準を維持する。
その結果、財政支出はそれと同額だけ民間部門の預金を増やし、金利は不変となる。
政府が納税義務を法定すると、その支払い手段である通貨に対する需要が生まれる。
租税とは、国民経済を調整して望ましい姿にする政策の為に必要な制度。
アメ型成長戦略、、賃金の上昇を労働者に対するアメにして国民経済全体を成長させようとするもの
ムチ型成長戦略、、グローバリゼーションで賃金を抑制したり、効率化を徹底するもの
労働組合の力が強いという「制約」こそがイノベーションを盛んにする要因。
国境の壁という「制約」こそがイノベーションと経済成長を生み出す仕掛け。
ムチ型成長戦略下では、経済はデフレ気味になる。
ムチ型企業は、コストダウンで溜め込んだ資金を使って大学や企業の特許を買ったり技術力のある企業を買収する事で肥大させる。リスクの高い自前での技術開発は止める。ストックオプションを持った経営者は、株価を上げる為に技術開発資金も自社株買いに回す。これを世界中の企業がやると社会にイノベーションがなくなる。
1970年代までは配当率は4割程度だったが、2008年には8割を超えた。
外国人労働者への規制緩和により、労働者の賃金はさらに抑制された。
1980年にはCEOと社員の平均報酬の比率は42:1だったのが、2000年には525:1に拡がった。
ムチ型成長戦略ではサステイナブルな経済成長は不可能。
外国人株主が多い程、賃金が低くなっている。最も大きな賃金抑制圧力は外国人投資家。
アメ型成長はポジティブサム、ムチ型成長はゼロサム。
日本よりもアメリカの方が個人や企業を縛る規制が多い。
民間企業の資本コストは公共部門よりも高い。
公共サービス企業を受注した企業はその事業を独占するので効率化は測れない。
公共サービス受注企業は一旦受注すると20-30年に渡り収益を得られる。これが不正や汚職のインセンティブとなる。
民間企業が事業を行うから公共部門より���率的になるというのは幻想に過ぎない。
レントシーカー達は巧妙なやり口で国民のデフレで溜まったルサンチマンに火をつけ、「改革派」を支持させる。
自己実現的予言、、思い込みが本当にその世界を作ってしまう事
認識共同体、、世界観や価値観を形成する人間関係や組織。
人が持っている価値観は、その人が属する環境によって形作られている。エリートはエリートとしか交流せず、自ら進んで洗脳される。
財政赤字の削減が正しい政策であった時代は戦後40年まで。だがこの間に認識共同体が確立されてしまった。
韓国では、IMFが介入した結果、株式市場における外国人比率は、1997年末の15%から2004年には40%に、市中銀行の外国人持分も12%から65%以上になった。輸出は増えたが内需が停滞し、格差の拡大や貧困層の増大が深刻化した。
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有権者の必読書
日本の現状を理解する上での教科書にしても良いのではないかと感じてしまった
本書は、「目からウロコが落ちる奇跡の経済教室【基礎知識編】」の続編となるため、内容を理解するには【基礎知識編】を読んでから本書を読むことを強くお勧めする
全体を通して読みやすい文書かつ文字数もそれほど多くない
経済書などのように難解ではないため、一気読みが可能
私見ではあるが、【基礎知識編】よりも本書の方が読みやすかった
本書では、戦後以降の経済政策に関して、大きく「アメ型戦略」「ムチ型戦略」に分け、現代進めるべき経済政策について論じている
MMT理論についても非常にわかりやすく述べられている
長引くデフレから脱却するための政策目標、その目標を実現するための大まかな手段についても述べている(具体策の記載はないが)
日本経済が、デフレ脱却が道半ばの状況で、消費増税が行われることにより、デフレへの道に逆戻りしつつあるように感じていた思いが本書を読み、その考えがより鮮明になった
その上で、有権者である私たち一人一人が現状の日本を正しく認識し、その上で正しい経済政策を実現しうる実行者を選ばなければならないと強く認識した
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一気!という表現がふさわしい。戦略編も鮮やかでした。世界、混迷してるやん? トランプは何がしたいの? とかがですね! 「わかるような気がする」、というか、中島先生は説明できるわけ。右派と左派の二軸対立ではない、四項になっているのか、ああ!ってね。リベラルが階級闘争から逃避してアイデンティティにシフトしてる指摘も初めてちゃんと聞きました。そうだね…。右派も左派も主流が新自由主義とは! と今日も大興奮です。誰に伝えれば!
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現代社会の状況をとても分かりやすく、説得力を持って説明している。四元構造の図がとても分かりやすい。
中野剛志氏は天才だな・・・
消費税10%。そんなことをやっている場合なのか。
一度、本書のいうような経済政策をやってみてはどうか。今こそ、方向転換が必要なのではないか。
世界的、国レベルでもそうだけど、おそらく組織も同じことがあり得る。「経路依存性」から逃れることができるのか。
本質をとらえ、そもそも何が重要なのかを考え、方向転換をするときなのではないか。
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ゼロサムになってないか考える
レントシーキング活動をしてないかチェックする
MMTが日本のデフレから脱却に繋がるかもしれない
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前作に引き続き良本。
なぜ財務省が財政健全化の呪縛に自らはまり続けているのかを、省内の人事評価が伝統的に財政健全化路線で行われてきたことや、組織として掲げた正義を変更することの困難さといった観点で看破している。
日本が早く間違った政策から離脱して、本来の成長を取り戻してほしい。
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成長戦略にはアメ型(賃金主導型、労働者への賃金の上昇をアメにし、国民経済全体を上昇させようとすること)と、ムチ型(利潤主導型、解雇や賃下げによる労働者への人件費抑制、企業の利潤を上昇させて経済を回そうとすること)がある
アメ型はインフレ気味になる
ムチ型はデフレ気味になる(成長できない)
定年延長・女性進出・移民受け入れが、賃金を低く止まらせる
規制緩和、自由化、民営化によって、個人や企業は政府の規制や介入から自由になれるが。。。(注意)
PFI...政府や地方自治体が行ってきた公共サービスを民間事業者に委託する→非効率
①民間企業が長期にわたりサービスを行う際の資金調達は、公共部門が借りるよりも高くなるため
②公共サービスを受注した企業は、事業を独占するため
③不正や汚職を防ぐための監視のコストがかかるため
レント・シーキング活動→自分の利益を増やすため、ルールや政策の変更を行うよう、行政にはたらきかけること
既得権益の撤廃をめざして新しいプロジェクトを始めるが、そこがすでにズブズブ
日本は官僚主導ではない、与党審査が表すように、政党の意向を忖度した法案づくりをしている
調整型官僚から吏員型官僚への変換、調整に重きを置かず、言われたことを迅速に意思決定できればいい官僚の登場→改革派の出現
内閣人事局にすべてを抑えられた官僚には、官邸と結びついたレント・シーキング活動に対抗できない
人手不足→労働力を根本から増やすための少子化対策とインフレ誘導に舵を切れ(移民を受け入れると、賃金が下がりデフレが進む)
保守派(右派、国家主義)は、インフレを過剰な民主主義のせいと位置づけ、民主主義に対する慎重な態度を示してきた→市場主義の新自由主義へとなった
リベラル派(左派、反国家主義)は、経済社会を階級闘争として考えるのを辞め、アイデンティティ(女性、LGBTの解放)を重視し始めた→集団から個人を解放する理想を
かかげる→新自由主義へと歩み寄った
平成の政治は、保守的新自由主義と進歩的新自由主義の内ゲバ
ポピュリズム(人気取り政党)の台頭は、既存エリートへの不信感から来るもの
国際条約は、グローバル化と引き換えに各国の民主政治に縛りを入れる→非人道兵器の撤廃などはよいが、ムチ型成長戦略のために使うべきではない
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財政赤字は、同額の民間貯蓄を生み出す。
自由貿易が経済成長を生み出すということは自明ではない。
新自由主義経済学は、DSGEモデル(動学的確率的一般均衡モデル)に寄っている。これはセイの法則を前提としている。
政府が国債を発行するのは、金利を調整するため。
賃金主導型成長戦略と利潤主導型成長戦略。
労働組合が強いという制約が、イノベーションを生む。
単に工場移転やリストラ、自社株買いで利益を生み出そうとしない。
株主に還元されるだけで、トリクルダウンは起こらない。
ゼロサムとプラスサム社会の違い。
デフレ時は、レントシーキングが盛んになる。他人の利益を収奪する。
強すぎる官僚から、弱すぎる官僚に大変化した。
調整型官僚から吏員型官僚=改革派と呼ばれる人たち=新自由主義の認識共同体。
MMTでは、就業補償プログラムも提言している。
むしろ問題は、財政支出を拡大してもインフレにならないこと。
MMTを受け入れられない心理学的な理由=センメルヴェイス反射=医師のセンメルヴェイスの名前から、少数意見を拒否することを言う。脳が多数派に同調し、知覚にすら働きかけて少数派の意見を拒否する。
P253
思想決定説と政治決定説。
租税とは、国民経済を調整するために必要なもの。財源確保の手段ではない。
賃金主導型と利潤主導型の成長戦略。
賃金主導型は、インフレ型。労働組合が強く賃金が上昇するので、技術革新が進む。
利潤主導型は、デフレ型。グローバル化によって賃金を抑えて利益を出す。新技術は、おカネを出して買う。
女性労働力の活用、人生100年時代、移民政策は、賃金を抑える手段になる。
新自由主義的改革は、アメリカでも景気改善効果はない。
単に規制緩和や民営化するだけでは、ゼロサムなので成長はない。ゼロサムなのにルールが変わるのは、利益誘導団体がいるから。
PFIは公共サービスを効率化するとは限らない。民間のほうが資金コストが高い、独占は変わらないので効率化するか、いったん受注すれば固定化しがちなのが、公共サービスの特徴、不正を監視するのは、公共部門にコストがかかる。
ルサンチマンを利用したレントシーカーの活動。既得権益に対するルサンチマンを利用して、自分に利益誘導する。
新たに登場した改革派官僚は、新自由主義的改革に陥りやすい。
戦後の先進国で、財政赤字の拡大でハイパーインフレになった国はない。インフレになるのは、資産バブルだけ。1980年代の日本、2000年前半のアメリカの例。
むしろ財政赤字を拡大させただけでは、インフレは起きないかもしれない。
ローマ―が主流派経済学を批判した。過剰な自信、一枚岩の共同体、グループの一体感、がある。これが新自由主義として結実して、他の意見を聞かない。
赤字、債務、という言葉に対する嫌悪感、抵抗感が、MMTを認めさせない。
センメルヴィス反射=通説にそぐわない見解を拒否する傾向。
MMTによれば、消費税増税は最悪の手段である。
リカーディアン均衡にはまっている日本には、中央銀行が赤字を補填するというコミットメントが必要。
本来、保守主義と新自由主義は相いれないもの。
保守主義では、民主主義が行き過ぎると社会秩序が崩壊する、と考えるのが本筋。
民主主義にするとインフレがとまらなくなる、これと結びついて、新自由主義と保守主義が結びついた。
反対に、リベラル派は、大きな政府を唱えるべき。しかし自ら新自由主義に傾いていった。
社会主義の崩壊により、階級から個人の解放へ軸足が移った。その結果、国家や社会の制約から解放することが目的となり、小さな政府、規制緩和に反対しなくなった。ビルクリントン政権は、リベラル派だがグローバル化を推し進めた。トニーブレア政権も労働党伝統の政策ではなく、新自由主義を取り入れた。日本の民主党政権も、政府支出の抑制を掲げた。女性の活躍、マイノリティの活躍を応援するだけで、構造的問題は、新自由主義そのもの。
その結果、リベラル派は、進歩的新自由主義、保守派は、保守的新自由主義、といえる。
小泉政権のころ、財政再建派と、上げ潮派があった。どちらも財政赤字を削減しようとしている点で同じ。
女性の活躍、移民政策などは、新自由主義的政策だが、リベラル派も個人のアイデンティティを守る立場から、賛成している。これでは賃金は上がらない。
イデオロギーの4元構造=保守とリベラル、グローバルと反グローバル。
ポピュリズムの正体は、怒り、ルサンチマンによるもの。
財政健全化、グローバル化、自由貿易、規制緩和で成長、などはフェイクニュース、それを信じている層への不信感から、ポピュリズムの政治家を支持するようになった。専門家や権威ある機関への信頼がない。
ポピュリズムはフェイクニュースに踊らされる、新自由主義がフェイクだったら、その種をまいたのは新自由主義者。
グローバル化、国民国家、民主政治、の3つはトレレンマ状態。
憲法は民主政治から基本的人権を守るもの、これが立憲主義の基本。
主流派経済学では、不換紙幣がなぜ流通しているか説明できない。インフレに対する恐怖症がある。MMTでは、税金の支払いのため、との説明。
財政民主主義により、民主政治に徴税権があるはず。しかし民主主義は信頼が置けないので、中央銀行が通貨を管理すべき、と考える。主流派経済学は、反民主主義的で、エリート主義的。
正しい貨幣論からは、経済政策を民主化すべきとなるが、完全ではないゆえに賢明な判断ができるかはわからない。
経路依存性=一度決まったことは変更しにくい。
タイプライター、軽水炉、労働者派遣事業、移民政策、デフレもその可能性がある。
イギリスのEU離脱が難しいこともこれで説明できる。
財政健全化路線、グローバル化も同じ。
グローバル化は、民主政治とは相いれない。民主政治の破壊に至る。自分のことは自分で決めることができず、世界と歩調を合わせる必要がある。
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2019年110冊目。満足度★★★★☆ 【基礎知識編】とはかなり内容を異とする。個人的には前著がお勧め。
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政策が間違ってるから財政赤字が改善しないとせず、国民の努力が不足してるからとか国民の品格が落ちたからと精神論にすり替えて論じてる感じが戦時中みたいだなと感じた。著者の理論が正しいとしても、私達国民に出来ることってあるのかな。
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デフレは貨幣の価値が継続的に上昇することで、人々は、モノよりもカネを欲しがるようになる!
政府は自国通貨発行権を有するので、自国通貨建て国債が返済不能になることは理論上有り得ない!
そもそも、自国通貨発行権があるんだから、税金を取る必要も、国債を発行する必要もないのに、何故国債を発行するのか、それは金利を調節するためのツールだから!何故税金を徴収するのか、それは税の支払い手段である通貨の需要を生み出すため!
デフレ時代には、アメ型成長戦略で良いのに、何故かムチ型成長戦略が採られる。規制改革、構造改革は聞こえは良いが、PFIで民間にやらせても、民間は儲けないといけないから、効率が上がった分価格を維持するインセンティブが働く。先行事例のイギリスが見直す方向なのが何よりの証左!オリックスの宮内会長が様々な委員会で規制改革を主導し、結局利益誘導するレントシーキング問題は、看過できない。。
人手不足で賃上げ、脱デフレのタイミングで、女性活躍、人生100年で主婦や老人を非正規で働かせて人件費抑制、更に外国人を入れて人件費抑制。。。デフレが更に進む政策ばかり。。
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現在の経済対策に一石を投じる本。
見方を変えるとなぜデフレが終わらないのかがわかってくる。
特に後半3章くらいが面白かった。