紙の本
読み返しても面白い
2018/12/25 11:34
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投稿者:しゅん - この投稿者のレビュー一覧を見る
小松左京の名作が、改めて文庫新刊で出版されたのを知り購入。
50年ぶりに熟読したが、やはり名作であり、小松左京の偉大さを感じた。
紙の本
常に未来
2023/07/08 18:24
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投稿者:ダタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これが50年以上前に
発表された作品とは…。
人間の想像力の飛距離というか
自由な感性に感動する。
古代の地層から
あるはずの無いものが発見される。
このアイデアだけで勝負有りという感じ。
小松左京、やっぱ凄いな〜。
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小松左京の小説は初めて。古墳時代の石棺から、無限にこぼれ落ちる砂時計が発見され、その正体を突き止めようとする科学者たちが不可解な事件に巻き込まれる。ただ、これはほんの序章で、ここから恐竜時代から60世紀の未来までを駆け巡るストーリーが展開する。これまでは「日本沈没」という自然災害のSFのイメージが強かったので、本書のような科学技術・未来・宇宙のような切り口は新鮮。時間とは、進化とは、意識とは、次元とは何かを考えながら純粋に楽しめる。タイムマシンはさることながら、AIやクラウド、ドローン、遺伝子操作など、当時(昭和40年代)の水準からしてよく思いついたなあという「未来の技術」。さすが小松左京!
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受取り様によっては、ひどく荒唐無稽な話だが、とても想像力をかきたてられる話だった。教育によって引き上げられた人間の認識力が、さらなる上位者によって教育されたなら。終わり方も切ない。
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まず恐竜同士のバトルが序章というのが、いきなりユニーク!w
それから、現代パートではとあるミステリー要素が登場し、読者の好奇心をグッと鷲づかみにしてしまう。砂時計とか古墳っていうアイテムのチョイスがいちいち良い。
そしてその好奇心が爛々と燃えたまま、SF的な世界は深化していく。時間移動や派閥争いといった良質なミステリーSFが展開されて、時間を忘れて物語に没頭してしまった。
ラストの疾走感がまた凄い。疾走感だけじゃない。主人公が世界の真相にたどり着く、文字通りのグングン上昇していく感じがたまらない!
そして弾けるように現実へと描写が戻り、伏線を回収しながら幕引きとなる。この牧歌的に慎ましい締め方がまた愛おしい…。
こんな面白い国内SF小説を読み逃していたなんて…!今更だけど、読めてよかった。文句なしの名作。国内SFの必読書だ。
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N大學理論物理研究所助手の野々村は、ある日、研究所の大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計を見せられる。
それは永遠に砂の落ち続ける砂時計だった!
白亜紀の地層から出土したその砂時計の謎を解明すべく発掘現場へ向かう一行だったが、彼らはその背後で十億年もの時空を超えた壮大な戦いが展開されていようとは知る由もなかった。
「宇宙」とは「時の流れ」とは何かを問うSFの傑作。
1962年に書かれたのはすごい事です。
しかしまぁ、読むのがしんどかった。
読書魂をへし折られ、1ヶ月かかってしまった。
解説に「虎よ、虎よ!」との共通点が挙げられてて、アレもしんどかったなーと苦笑い。。。
哲学的SFって勝手に名付けますが、このジャンル苦手ですw
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小松左京の思弁的SFで、時間・空間をめいっぱいつかった小説だけど、最後に日常に戻ってくるところがなかなか心憎い。ただ、クライマックスはダンテの『神曲』のようで、けっきょく観念的だなと思う。
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始めての小松左京。
古墳から出土した永遠に落ち続ける砂時計から始まる物語。
そこには次元と時間を越え、宇宙を管理する存在とそれに反抗する存在の争いがある。
読むと認識がかわるかな、まじユリイカ!
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難解なのは承知でいつか読まなくてはと思っていた作品。やっぱり話の骨格は理解できたけど、本質は4割程度も理解できてないんじゃないか感が強い。
スケールの大きさをヒシヒシと感じる作品なので、もう一度読んでみようと思う。多分2回以上読むと評価がめちゃくちゃ変わってくる。
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確かに評価が高いだけのことはある。プロローグの白亜紀から、いきなり現代の話になり、そのあと物語はどんどん広がっていき…。かなり複雑で、読み返さないとわからない部分も多い(というか完全には理解できていないかもしれない)。ここまでスケールを広げておきながら、人間的センチメンタリズムを忘れないところが魅力の一つかもしれない。
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スケールの大きなSF作品。高次元生命体との遭遇・タイムトラベルとそれによる歴史修正など、いろんなSF要素が盛り盛り入ってる豪華なストーリー。
ちょっと難解だけど、読み終わった後にスッキリできる良作でした。おすすめ
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あらすじとして簡単に書けるような内容ではないので割愛しますが、主に時間の流れと空間の広がりがテーマとして扱われています。
正直、壮大な話すぎてよく分かりませんでした。
自分が持っている時間の流れの感覚(認識?)とは違う描かれ方をしている部分も多くあって、物語の細部については色々ツッコミを入れたくなりました。
でも、そんなツッコミが野暮に思えてくるくらい壮大なテーマを扱っていて、しかも読み進めていく分には細部の違和感については勢いで押し通せる感じがありました。
1965年に書かれた作品ということで、今から50年以上昔に書かれていたということを考えると、なんか不思議な感じがします。
今読んでも近未来さを感じれるようなギミックやアイテムがいくつも出てくるので、ワクワクしながら読み進めることができました。
技術や概念の理解が進んでいるであろう1000年後の人がこの物語を読んだ時に、どんなことを思うのかがとても気になります。
もちろん、現代を生きる人たちの感想も気になるので、後でゆっくり読みたいなと思います。
この作品は友人に勧められて読みました。
自分ではおそらく読むことがなかったであろう作品でしたが、とても面白かったです。
勧めてくれた友人に感謝したいと思います。
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ダイナミックな展開、思いもよらない発想、たとえ「物語として破綻している」と言われようと、小松左京はやっぱり小松左京。
「永遠に止まらない砂時計」「白亜紀に鳴り響く電話の呼び出音」などなど、出だしから全開。
『日本沈没』も『復活の日』も『首都消滅』も、「なぜそうなるのか?」なんて大した問題では無い。
その時、あなたはどうするのか?
「愛」「希望」「勇気」など、今更口にするのも照れてしまうが、「運命」に立ち向かう原動力として、人を動かす。
訳がわからないのに、やめられない、とまらない。
アニメでもイイから誰か映像化してほしい…。
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いつもと違うジャンルを…と思い手にした一冊。
SFっていいなぁ
自由だなぁ
驚きなのはこの作品が1965年に書かれているということ。
実に56年前の作品。
2021年に読んでも、時代が作品に追いつけているかどうか…
叶うなら50年後ぐらいに読みたい作品です。
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”「人間の認識能力は、人間の現実的状態の幸不幸に関係なく、とてつもなく、深遠で巨大なことを認識できる。しかし、その認識し得た認識は、その時の人間の状態を、ちっとも変えやしない。かろうじて、現実自体のルールで動いている人間的現実に、一刻休戦を勧告し、その闘争の苛酷さを、いくぶんとも緩和させるように、はたらきかけるだけだ。それも、有効範囲は、人間の相互関係の中でうみ出される人間的現実にかぎられていて、人間の、存在状態の方には、指一本ふれられやしないのだ」「だがその認識によって、人類全体は理想状態に、一歩一歩、ちかづいていくのじゃないのかね?」(中略)「そして、ついに、状態は認識に追いつけない」(p.364)”
宇宙の管理者と反乱者との間の戦いを軸に、「宇宙の構造」や「知性の認識能力」といったテーマを扱った、壮大なスケールのSF。
正直、後半はそのスケールの大きさに僕には制御不能で、怒涛の勢いにただ圧倒されるばかりだった。物語として破綻しているとは思わないが、魅力的なモチーフが次から次へと登場してきて、それらを秩序立てて整理するのはかなり難しい。乱雑としている感は確かに否定できない(そもそも僕が完全に理解出来ているわけでもないし)。しかし、個々のシーンで喚起されるイメージはとても美しく、それらを味わうためだけでも本書を読む価値はある。
結論めいたものは出せなかったのだが、読んで思ったことが幾つかあるので、メモして終わりにしておく。再読した時の自分には続きを頑張って欲しい(笑)
・『日本沈没』の沈む日本、『日本アパッチ族』の燃える大阪、『復活の日』のパンデミックで死に絶える世界のように、手から零れ落ちてしまい、最早元には戻らないものに対する哀惜の念の描写が、小松左京の作品では印象に残っている。それが本書では、過去を改変することを阻止しようとする管理者(超知性)側に繋がるのだと思うが、管理者に反抗し、過去を改変することで未来を知性にとってより良いものにしようとするもう一つの勢力(反乱者)が描かれているのが、他の作品にはない傾向だと思う。しかも、ラストシーンでは反乱者Nと彼を追い詰めてきた管理者マツラが融合し、知性の高みに昇ろうとするのだが、勢いを失って「墜落」するというのも興味深い。
・「循環」というものが繰り返し描かれており、間違いなく本書のメインテーマの一つだろう。冒頭で提示される永遠に砂の落ち続ける砂時計は勿論のこと、N=野々村が墜落して元の居場所に帰ってくることが前半で既に予言されていること(p.72、75)、エピローグが二度語られること、など。ただ、これが知性の階梯構造(位階構造)という、直線的な、本書のもう一つの軸となるイメージと、どう整合できるかが分からない。