ダタさんのレビュー一覧
投稿者:ダタ
紙の本歩道橋の魔術師
2023/12/19 21:57
ノスタルジア
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子供の頃に住んでいた
社宅の雰囲気を思い出した。
夕食時の匂い、階段を往き来する足音、
駐輪場の蛍光灯に集まる蛾。
その団地も今は無くなってしまい
朧な記憶を物語の商場と重ね合わせ
何とも言えない懐かしさに身を浸せた。
本当に素晴らしい作品です。
紙の本仮想儀礼 The Seisen‐Shinpô‐Kai Case 上巻
2023/10/21 17:02
圧倒的
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痺れるほど面白い。
間違いなく傑作。
始まりは小さな小石だったものが
様々な人々を捲き込み転がり続け
当人たちの思惑を遥かに越えた
何かに行き着く様が凄まじい。
誰か才能ある監督に映画化して欲しい。
キャストは、マキタスポーツ、要潤、
柳楽優弥あたりでお願いします。
紙の本いつか王子駅で
2023/08/17 12:15
ありそうで無いもの
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近所の定食屋か蕎麦屋に行きたくなった。
他人の生活とうっすら重なる場所。
小説の中にはよくあるけれど、
最近のチェーン店ばかりの郊外では、
そういうお店は希少になっている。
人や物の佇まいに心をとめ
ぼんやり考える時間が欲しくなった。
何度も読み返したくなる一冊です。
2023/08/07 11:51
水源
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静かで滋養に富んだ湧水の様な一冊。
アカデミズムの言葉が生活に還元される。
水が循環するように
世界中の文化や生活は
地下深い水脈で全て繋がっている。
理解や認識は難しくとも
並行して様々な世界が
存在していると考えることは、
ここにいる自分を少しだけ
自由な気持ちにしてくれる。
ゆっくりと味わいながら
読み進めたくなる作品です。
紙の本江戸川乱歩名作選
2023/05/27 16:53
東京幻灯機
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乱歩の書く東京や日本の風景は
なぜこうも魅惑的なのだろう。
戦前に作られたからくり時計が
今もまだ正確に動き
見る者をトリコにする様な魔力がある。
紙の本西瓜糖の日々
2023/04/08 18:06
眠るとき訪れる国
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何とも不思議な本。
夢の純度を一切損なうことなく、
そして何も付け足さずに
そのまま文章にしたような作品。
本を閉じると、
疑問で頭は一杯になるが、
読んでいる最中は不思議と
その世界を受け入れている。
それもまた夢を見ている時と同じ。
紙の本ボーン・トゥ・ラン ブルース・スプリングスティーン自伝 上
2023/03/30 12:20
アズベリーパークの夜
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上下巻でそれなりのボリュームですが、
二枚組のレコードを聴くように
一気読みでした。
Eストリートバンドの熱い演奏や、
ボスの弾き語りが、
行間から漂ってきます。
クラレンスの奏でる
ジャングルランドのソロを
生で聞いてみたかった。
紙の本瓶詰の地獄 改版
2024/03/01 16:56
コワレモノ
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エグいな。
どの作品も見事に後味が悪い。
主人公たちの内面は壊れているか、
壊れつつある状況にあり、
物語の最後で崩壊が完了するという感じ。
この作品を読んでいると
上品な悪趣味という
矛盾する言葉が思い浮かぶ。
紙の本やし酒飲み
2024/01/30 18:49
天衣無縫
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どこか抜けている友人の話が
妙に真理を突いている感じに似て、
何とも味わい深い物語に魅了された。
この本は、
今まで知らなかった世界と時間、
理屈を超えた法則に満ちている。
読書をしながらここまで
自由な気持ちになれたのは
初めてかもしれない。
世界は広い、つくづくそう思った。
素晴らしい一冊です。
2024/01/14 15:20
ままならない
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メイン州の美しい自然、
人々の静かで味わい深い生活、
そういうものを期待していたが、
良い意味で全然違うものだった。
もっと生々しく、ときに身につまされ
人生の心許なさ、時間の無常みたいな
ものが巧みに描かれている。
生活の色んな場面で抱く
苦味ある感情について
ここまで素直に表現されている
作品は他に中々無いと思う。
紙の本さらば長き眠り
2024/01/05 12:44
新宿の探偵
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コツコツと積み上げ、
ジリジリと核心に迫る。
新宿を舞台にしたハードボイルドは数あれど
沢崎のいる新宿こそ一番雰囲気がある。
深夜の電話、煙草の煙、ブルーバード。
どれも最高だ。
紙の本詩と散策
2023/12/26 17:12
例えば公園のベンチで
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1日に1、2章読んでは立ち止まり
考える、もしくは感じる。
社会人になってから実感することは
無目的にブラブラと散歩する時間は
とても贅沢だということ。
出掛けるときにこの本を持っていって
気に入った場所で読書する。
できれば季節は秋か冬が良い。
全体的に悲しみの気配がありつつ
所々、春の芽吹きも予感させる。
絶妙なバランスで成立している
味わい深い一冊です。
2023/10/22 15:06
琉球組曲
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読み応えがありとても面白かった。
切手という小さな紙片から
こんなにも深く広い歴史とドラマが
掘り起こされるとは思わなかった。
ページ毎に初めて知る情報が多く
ゆっくりと読み進めながら
調べものをするのも楽しかった。
こういう出会いがあるから
読書は止められない。
紙の本地下鉄道
2023/10/06 14:25
物語の強度
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奴隷制という今なお歪みを残す重い歴史と
逃避行というスリリングなドラマ。
二つの歯車が絶妙なバランスで噛み合い、
物語を最高にドライブさせている。
本書が素晴らしいので
映像化されたものは
見たいようで、見たくないような…。