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- カテゴリ:幼児 小学生
- 発売日:2006/07/01
- 出版社: 福音館書店
- サイズ:20×27cm/27p
- 利用対象:幼児 小学生
- ISBN:978-4-8340-2213-1
紙の本
トマトさん (こどものとも絵本)
著者 田中 清代 (さく)
【書店員が選ぶ絵本大賞(第1回)】ある暑い夏の日。真っ赤なトマトさんは小川に泳ぎに行きたくなった。でも、体が重たいので転がることができない。みんなで転がしてあげようと、虫...
トマトさん (こどものとも絵本)
紙の本 |
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商品説明
【書店員が選ぶ絵本大賞(第1回)】ある暑い夏の日。真っ赤なトマトさんは小川に泳ぎに行きたくなった。でも、体が重たいので転がることができない。みんなで転がしてあげようと、虫たちやとかげたちが「えい、えい、えーい!」とふんばると…。〔初版:2006年7月,第15刷よりシリーズ名を「こどものとも傑作集」から「こどものとも絵本」に変更〕【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
熟し切って、畑の地面にどったと落ちてしまったトマトさん。かたわらの涼しい小川に自力では転がっていけない図体の大きさに、さまざまな姿を重ねてみる、逝く夏の「大人読み」遊び。夏の新しい定番絵本。
2009/08/29 14:14
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「デルモンテ」ではなく、ピエモンテというイタリアの州で「スローフード」運動が始まった。それに代表される先進国的な食の見直しの流れの中で、私たちも随分と食育に感化され、楽しみながら栄養のことを考えたり、食材やその産地・調理法のことまで知ったりする機会が増えた。
トマトは、イタリアでは、どうも日本の「大豆」的な食材に当たるらしい。確かにトマトソースやピューレは味噌のようなものだろう。ピッツアソースやパスタソースとなって、料理の主役たちを盛り上げる。主役としての登板は少ないが、サラダや煮物、炒め物など様々な調理法に力を貸し、栄養価高く体を支えてくれている感じがする。大豆とは異なり、「真っ赤」という色が「使える」存在でもある。その色は、太陽から受けたエネルギーを素直に表現しているので、余計に体への恵みが多い印象を強める。
トマトと大豆は体に良いという頭があるものだから、私は朝食にトマト、夕食に大豆の消費をなるべく心掛ける。大豆の件は置いておくが、秋口から初夏あたりまでは、トマト入りの野菜スープ、夏場はトマト入りのサラダがここ1年ほどの朝の食卓の定番で、毎朝作る。「トマトに含まれるリコピン酸は成長期の子どもにとても良い」という情報をどこかで見かけたものだから、最近は1日2食ないしは3食、トマトがお目見えするということもなくはない。
トマトという野菜は、見た目の色と形の愛らしさから、子どもにとっても近しい存在で、ナスやセロリ、ニンジンなどのように嫌われやすいものではない。
絵本の世界でも、リンゴほどのスター性はないけれども、科学絵本『トマトのひみつ』あかちゃん絵本『きゅうりさんととまとさんとたまごさん』、月刊絵本で出た『とまとがごろごろ』など、あちらこちらの読みきかせで使ってみて楽しんだ覚えのある作品が浮かぶ。
上の3冊に関しては、表現方法にそれぞれ違いはあるけれども、いずれもトマトは、お日さまの光をさんさんと浴びた健康優良児というイメージを崩していない。
しかし、この『トマトさん』の面白いポイントの1つは、その健康優良児的イメージがちょっぴりの毒気でもって後ろの方に追いやられ、ちょうど良く色づいた美しい状態で提示されるのではなく、熟して腐っていく自然の存在として捉えられていることだ。
こういう切り口の独自性に触れると、ついつい「大人読み」をしてみたくなるものである。
子どもの本で植物の「実」や「花」などを扱うのであれば、普通の発想なら、種や幼葉の状態から徐々に育っていくものを取り上げるものだ。なぜなら、それを小さな子どもたちのこれから大きくなっていく姿に重ねられるから……。
ところが、『トマトさん』は、うれたトマトが「どった、と おちた」という前扉から物語が始まる。大人である人なら、すでにこの段階から、何やら切ないものを感じ取る。「そうか。うれたのか。うれてしまって、どったとカッコ悪い音を立てながら地面に落ちてしまったのか」と。
表紙の大写しでは、トマトさんの体のラインが断ち切りになっている。そのため、どういう図体をしているのかということがよく分からない。しかし、前扉をめくると、そこにトマト畑の地面にしっかりと重量を預けているトマトさんの全身が捉えられる。俊敏さや肌の張りは、もう失った、もっさりとした様子の姿である。
トマトさんは、かたわらの小川の水の音に耳を澄ます。そこでも、「どった」と同じ、擬音が効果的に用いられていて、「ころころ ぽっちゃん!」という好ましい音が聞こえてくる。何が立てている音なのかというと、自分よりはるかに身軽なミニトマト軍団が、木から落ちてはリズミカルに転がって、小川に次々飛び込んで行くのだ。
ここで大いに読者の感情移入が始まるのであるが、トマトさんの心理描写は控えられている。すると、そこへ浮輪を腰に当てたトカゲが2匹通りかかるのである。カラフルでリゾート気分を漂わせている。
「トマトさんも およいだら」と誘われるのであるが、「ふふん、けっこう。ぷかぷか およぐのなんか、みっともないでしょ」というのがトマトさんの精一杯の受け答えである。
それから、トカゲたちが去って行った場所で、暑さにさらされ、ほっぺたがひりひりし出したトマトさんは、泳ぎに行きたいのに、体が重くて自分では動けない我が身が悲しくなり、遂には涙を流し始めるのである。
頭の中に余分な知識や情報を詰め込んでしまった人であるならば、この場面で思わず目尻をぬぐい始める。そして、贅肉がついてぶよぶよしたような熟し切ったトマトさんの図体、自分ではもはや身動きができなくなった図体に、自分の姿を重ねてみたり、日本の姿を重ねてみたりという無駄なことをし始めるのである。
「ああ、一体、トマトさんをどうしてくれるのだ」と同情が最高潮に達するのであるが――やはり物語はいいものなのである。
何となれば、トマトさんの窮状を知ったアリンコたちが仲間の虫たちを読んできてくれるのだ。それで救出作戦が始まる。小さな虫たちが力を合わせて、何とかトマトさんを小川まで送り出してやろうとするのである。だがしかし、そうは簡単にメタボ化したトマトさんが転がるわけがない。
「ああ、だめか」と心を痛めていると、さっきのトカゲたちもどこからともなく仲間を大勢連れて現れ、おまけに同じ爬虫類だからなのか、カメまで現れて、虫たちと共にトマトさんを押してくれるのであった。
「ごろん ごろん ごろ ごろ ごろ」
「じゃっぷーん!」
そしてそして、それに続く「ぶくぶく ぷっくり」という音の心地よさ。
泡に洗われるトマトさんの姿は再び大写し。見開き画面に収まらずに断ち切りとなっていて、恍惚の表情をしているのである。これは大型絵本で出す価値がある場面だ。
「む・く・わ・れた~」と全身を通り過ぎて行く爽快感に浸るのであるが、そこに至っても「よかったね」で終わらせず、「いや、待てよ」と深慮に立ち返るのが「大人読み」の鉄則正道なのである。
報われたと言っても、トマトさんがしたことは「泣く」という感情吐露だけで、「助けてほしい」と乞うことも、自ら転がろうという試みもしなかったではないかなどと考え直してみるのである。
さあて、さて。ファンタジー世界でどっぷり遊ばせてもらったから、気分を入れ替え、残り少ない夏休み、昼のまかないにでもかかるかねー。
紙の本
真夏日に涼しくなれるお奨めの一冊
2008/07/06 07:03
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉手箱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
田中清代さんの絵のセンスが素晴らしいです。色使いも鮮やかで、おしゃれです。夏の暑い雰囲気もトマトさんの体の重さも十分に伝わってきます。トマトさんが転がる場面の迫力がまたすごいです。ページの使い方が大胆で、こういう絵本って、今までなかったと思いました。最後は、涼しくなれるので、なんだかホッとします。
紙の本
暑い夏もトマトさんと一緒に乗り越えられそう
2011/07/18 23:25
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mieko - この投稿者のレビュー一覧を見る
この絵、とっても昭和の香りがだだよっていて、絵を見ているだけで心が凪いでくる感じです。なんだか子どものころの素朴な感じが読者を包んでいくというか、幸せな子ども時代に引き戻されるというか。
太陽がギラギラ照りつける真夏のトマト畑で、真っ赤に熟した大きなトマトさんがトマトの木からドタッと落ちました。畑のそばの小川から水の音が聞こえてきて、もう暑さに耐えられないくらいになっています。浮き輪を持ったとかげたちがトマトさんの横を通りながら、トマトさんも泳いだら?と誘うけれど、気位の高いトマトさんは、ぷかぷかおよぐのなんかみっともだいでしょ、とやせ我慢をしているのです。けれどもいよいよ太陽が高く昇り、一段と暑さが厳しくなる中、トマトさんのほっぺは痛いくらいに真っ赤になりました。とうとうトマトさんは、わたしも泳ぎに行きたいよう、でも体が重くてころがっていけない、と泣き出してしまいました。
それを聞いた虫たちは、「なんだ、そうだったのか」とテコの原理を利用してトマトさん転がそうとしましたが、小さな虫たちにはトマトさんを動かすことができません。そこへとかげたちがやってきて「ぼくたちにまかせてよ」と力を出しました。するとトマトさんがごろんと転がりました。勢いが付いたトマトさんはごろんごろんと転がって、ついには川へ「じゃっぷーん!」と飛び込むことができました。
なんとまあ、大胆な水しぶきでしょう。見開きいっぱいに満足そうに水の中を漂うトマトさんがクローズアップして描かれていて迫力満点です。
もうもう、この絵を見たら、冷水で冷やしたトマトをガブリと丸かじりしたくなります。空調の利いたスーパーできれいに並べられているべっぴんさんのトマトではなく、露地物のあの青臭いトマトの味を思い出して生唾が出ます。
暑い夏は、アイスクリームよりも冷たいトマトですね!
ちなみにこのトマトさん、同じ作家の作品で『みつこととかげ』という絵本にも出てきます。『トマトさん』で活躍するとかげたちは『みつこととかげ』のとかげたちです。この二冊をセットで読むと、二倍楽しめると思います。
紙の本
夏のおはなし会の定番
2011/02/04 16:32
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:菜摘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏の定番絵本。トマトさんが川へ行きたいのだけれど自分では動けない、と言って大粒の涙を流すようすがたまらなく、いいです。この表紙のビッグな表情もいい!
最近の絵本はストーリー性を重視したものや、細かい描写にこだわったものが多く見られます。もちろん子どもと大人が1対1で読んでやる時や、絵本好きの大人の方には適しているものも多いけれど、そういった絵本は複数人に向けて行うおはなし会では向かないのは事実です。おはなし会に向いている絵本を的確に判断し、それを子ども達に提供していく、おはなし会を運営する私達大人の大切な使命です。
…という小難しい理屈は抜きにして楽しめる絵本。それが実はおはなし会に一番適した本でもあった、ということではないでしょうか。
田中清代さんの絵本に今度とも期待です。
紙の本
表紙のインパクト!
2017/01/23 10:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たま - この投稿者のレビュー一覧を見る
トマトさん!表紙のインパクトに、読んでみたいと思いました。自宅の畑でトマトを育て、子供が今年食べれるようになって以来、トマトに興味をもっていたので、読んであげようとおもいました。
紙の本
重さを感じる絵本
2018/12/09 20:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ウッドチャック - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏に読みたくなるような作品でした。
ミニトマトの軽快さと、トマトさんのずっしりとした重さがよく伝わってきました。
すいすいとみずあびをして涼しそうなトマトさんの表情、とても良かったです。
紙の本
インパクト大
2016/01/30 22:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙が何といってもインパクト大!だなと思います。
こどもうけはけっこう良かったです。
夏に読みたい絵本です。
紙の本
子供に大人気トマトさん。
2008/11/23 18:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニッキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵本作家様?絵描き様?とにかくどっちかというと絵の方が専門かしら。
これについてはお話もこの方が書いておられるので、ストーリーはライトです。
大人には物足りないかもだけど子供には大人気。このトマトさんの顔(-o-;)。
「よもや描かれているお方の御顔ではあるまいな」と一瞬思ったけど、全然違うみたい。
うわーいごろんごろんプチとまとー!
とかげー!
そこらへんの虫いっぱーい!
トマトの表情もいっぱいいっぱいです。
紙の本
トマトさん
2020/05/03 15:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵がシュールというか、昭和な感じがして、おもしろくて好きです。子供も怖がるかと思ったら、気に入ってました。
紙の本
表情の変化
2017/04/11 19:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:がんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大きく育ったトマトさん。暑さに段々まいってしまい、水浴びがしたくなったのだけれど・・・。川に行く前と行った後との表情をみればどんなに気持ち良かったかわかります。読んでる方もスッキリ。