Ｂａｎａｎａ ｆｉｓｈ ａｎｏｔｈｅｒ ｓｔｏｒｙ （小学館文庫）

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投稿者：楓　　　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　タイトルどおり、『BANANA　FISH』のアナザ・ストーリー。
　（1） アッシュの少年時代。後の親友ショータに刑務所で出会い、初めて友情を体験する話。
　（2） これだけは、アナザ・ストーリーというよりも、『BANANA　FISH』の完結編といった感じ。アッシュの死後７年。N.Y.で永住権を得て、写真家として活躍する英二のもとに、伊部（英二の恩師）の姪・暁が遊びにやってくる。英二はシン（英二の友人。BANANA　FISHを参照）とほぼ同居をしながらも、アッシュの面影に囚われ続けていた。シンはそんな英二を救いたいのだがなす術がなく…。そこに暁が現れて、シンと英二の胸にわだかまっていたアッシュとの思い出が、静かに溶け出しはじめる。
　（3） これもアッシュの少年時代。彼は「先生」であるブランカ（殺し屋）と、レッスンを通して友情に似た交流を通わせる。彼の天才ぶりが描かれている。
　（4） 吉田秋生のエッセイ漫画。BANANA　FISH製作秘話。
　（5） 英二の高飛び選手時代の話。絵が古いです（『河よりも長くゆるやかに』の時とほぼ同じ作風）。
　どれも、『BANANA　FISH』を全巻読んだ後に、読んでほしいです。（2）を読んでいると、アッシュと英二の命をかけた戦いや、アッシュの孤独、そしてついに手に入れた友情…などが思い出され胸がつまります。英二の心情にシンクロしながら読むと、もう、涙を堪えられません！
　それから余談ですが、実は、（2）に出てくるシンが、現在、別冊少女コミックで連載中の『YASHA　夜叉』にキーポイント人物として再登場しているのです。そこで、シンは暁と結婚した模様です（？）…『YASHA』も、吉田氏の素晴らしい作品です。少女コミックですが、もちろん誰でも楽しめます。是非読んでみて下さい。

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投稿者：花流　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

アッシュとショーターとの出会い編。
そこでのアッシュは冷たいポーカーフェイスを保っている。
そのアッシュにドキドキしてしまう。
そんなアッシュを懐かせたショーターには驚きだ。

光の庭。
これはアッシュの死後の話。
大人っぽくなった英二。
でも心はアッシュがとらえたまま。
そんな英二より更に悲劇に見えるのがシンだ。
大人になったシンは余り私的には受け入れたくないが、アッシュに縛られたままのシンは好きだ。
アッシュの死体を見詰めているシンの回想シーンがある。
そこには一切台詞が無いのに涙が止まらなかった。
たった二コマの絵で涙が止まらないほど泣かされて、改めて吉田秋生すごさを思い知らされた。

ブランカとアッシュの話はアッシュを保護対象のように気にかけ見守るブランカが素敵だ。
そしてそこにある台詞。
それが心を打つ。
更に深く言えば、こんなに中のよい二人を見せ付けられると、アッシュの死を知ったブランカはどんな気持ちだったのだろうと想像して辛くなった。

英二と伊部の出会いの話は、絵が１巻よりもきたなく、読みにくいが、スポーツをしている物にとっては英二の辛さがなんとなく分かるだろうと思った。

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投稿者：ハヤシライス　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

BANANAFISHという作品は、全編を通してアッシュの魂の救済が主題だと感じました。あの結末に涙する読者は多いと思います。もちろん私もその一人で、彼をめぐる運命の残酷さに怒りと悲しみを覚えました。ですが、この結末だったゆえに、この物語はアッシュの魂の救済というテーマにおいて完璧でした。彼は最高の幸福を感じながら穏やかにこの世を去りました。彼は理不尽な運命から解放され、真に自由になることができたのです。その意味では、この作品は究極のハッピーエンドだったと言えます。
個人的な感情としては二人で誰も知らないどこか別の場所まで逃避行して永遠に幸せに暮らしてほしいです。でもそれは完全なる解放ではないため、ハッピーエンドではありません。それを望みつつも実現しないことはわかっているからこそ、余計に辛く感じました。
アッシュにとってはハッピーエンドでも、残された英二にとってはこの上ないバッドエンドでした。魂の底から結びついていたアッシュが逝去した上、その原因となったのが自分の手紙だったのだから、彼は自分を責め、生きることを諦めてしまうのでは、、と思っていました。
本書の「光の庭」はアッシュの死から7年後の英二とシンの物語です。唯一無二の存在を喪ったことにより英二はやはり大きく変わってしまいました。アッシュを思い出させる一切を自分から遠ざけることによって。そしてそんな英二の救済が、この「光の庭」によって描かれています。彼はアッシュという奇跡の生を生涯忘れないでしょう。そして、個人の願望としては天寿を全うした時に、向こうでアッシュと再会して欲しいです。せめてそこで私に救いをください(笑)
月並みな表現ですが、このような美しく心に残る作品を世に出してくださった吉田秋生先生に感謝します。彼らを追慕しながら彼らの魂が永遠に穏やかで、そして幸福であるよう祈るばかりです。

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投稿者：のん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

本編を読み終えたあと、結末に衝撃を受けてしばらく抜け殻のようになっていたわたしでしたが、この本を読んで救われた気持ちになったというか、あのラストシーンがアッシュと英二にふさわしいものだということを受け入れられるようになりました。ショーターが登場したのも嬉しかった。裏バナナも好きですね。

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投稿者：わっ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

キャラクターたちのその後や以前の話がぎゅっとまとめられていて、より一層本編への理解が深まりました。本編読了後から結構経ってから購入しましたが、これを読んでからまた一から読むのもよかったです。最高でした。

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投稿者：ねこにゃんこ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

いくつか話が収録されていますが、「光の庭」は、本編を読み終わった後、絶対に読むべきです。何度読んでもウルウルしてしまいました。

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投稿者：ミィ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

このお話で私自身も救われました。どの作品も素敵でしたが、特に裏バナナ！笑 とっても面白かったなぁ。 バナナフィッシュ読破した方は絶対読むべき！

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投稿者：七無齋　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

完結の空虚感からもう一つの物語で作風にまた触れる事が出来る。この手の作品は先見的であったように思う。

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投稿者：ないものねだり　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

人気作品によくみられる企画。「あの時ああしていたら今・・・」がメッセージになる事もある。しかし他のどれでもなくそれを選んだ１作目にはそれなりの理由がある。２作目以降はきりがない。