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紙の本
トルーマン・レター (集英社文庫)
著者 高嶋 哲夫 (著)
なぜ原爆投下はなされたのか―――!?元新聞記者の峰先は33代米大統領トルーマンの私信を入手、それは広島・長崎の原爆投下に関する内容だった。手紙を巡り、峰先は国際諜報戦に巻...
トルーマン・レター (集英社文庫)
トルーマン・レター
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商品説明
なぜ原爆投下はなされたのか―――!?
元新聞記者の峰先は33代米大統領トルーマンの私信を入手、それは広島・長崎の原爆投下に関する内容だった。手紙を巡り、峰先は国際諜報戦に巻き込まれる。歴史の闇に迫るサスペンス。(解説・黒古一夫)
【商品解説】
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政治的背景や国際情勢がしっかりしており、それに人間関係を巧みに配した構成に魅かれます。
2017/07/27 10:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
政治的背景や国際情勢がしっかりしており、それに人間関係を巧みに配した構成に魅かれます。トルーマンの直筆らしい手紙を入手した途端に、怪しげな男たちにあからさまな攻撃を受ける早い展開。手紙の真贋を追求する「私」と、襲いかかる謎のグループとの戦い。様々な人間が手紙を何らかの目的のために奪い合う展開は、その素顔や目的がはっきりrしないため緊迫感を増してくる。そしてその手段も徐々にエスカレートしてと迫真の展開である。ただ、重要な役割を果たしている人物が中盤前で判ってしまうのだが、何故、どういう立場で関与しているのかが判らないため、興味が半減することは無い。緻密な構成の美味しい一品でした。
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原爆の真相を暴く?
2016/09/12 11:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しゅうろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
カバーのあらすじを読んで、読みたいと思った。原爆の真相がさらけ出されると期待しながら読んでいった。。。しかし。。。
この本を読み、戦争に対しての世論について、どこまでが、本質を見極めて語っているのかを少し考えさせられた。
p35「貪欲なマスコミとバカな大衆。そのあいだで踊らされているのが当事者だ。不幸は大きければ大きいほどいい、幸福はなんとかそのほころびを見つけ、破局の糸口にしたい。病人の患部をさらけだし、えぐり取って大衆にさらすのがマスコミの役割だ。それを見て自分の不幸を忘れ、狂喜するのが大衆だ」
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歴史ミステリーに固執してほしかった
2018/10/29 13:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史ミステリーとしては、とても興味をひくテーマとプロットなので期待したのだけど、なんだか国際情勢をめぐる大国間(日・米・中)の物語となって後半は私の興味も失速した。
まあ考えてみれば、作者は、そのテーマについてたくさん小説を書いているので本来のペースに戻ったと言えるが、それと共に話しが色々とややこしくなりすぎて読むのが大変だった。
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あってもおかしくない
2017/10/14 09:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たか - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーとはわかっていても、現実に存在してもおかしくないであろうトルーマンの手紙。被爆国の国民として、避けては通れない歴史の現実。
紙の本
日本人があの戦争で同胞に対して、或いは当時の植民地の人々に対して何をしたかに目を瞑り、ただただ原爆の被害者として話を作った、その愚かさが出た作品でしょう
2005/12/21 20:37
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
《アメリカ大統領の初の広島記念式典参加を前に、沖縄で起きた米兵の暴行事件に沸く日本。そんな時、元記者が巻き込まれた暴力騒ぎ、彼の手元に残された手紙》
私などは、サントリーミステリー大賞と見ただけで、読む気をなくしてしまうのですが、毎年着実に受賞者を出していたのだから、違う考えの人もいたのでしょう。ただ、歴代の受賞者のなかでは、高嶋哲夫が最も力のある作家の一人であることは認めざるをえません。ただ、最近は、どうも元気がないようですが、この本の単行本が出た当時は、単なる情報小説を脱して、個性を見せ始めた時期にあたります。そんな記憶もあって今回は期待をして読み始めました。
J大学経済学部の河田雄一郎教授を訪ねた帰り道、公園で見かけた集団暴行騒ぎ。新聞社を辞め離婚までした峰先は、助けに入ったものの逆に痛めつけられてしまいます。何とか家に帰りつき、思わず手にした現場に残された雑誌を見ると、そこには古い手紙が。それが持つ歴史的な意味に気付いた峰先は、大学時代に付き合っていた園田美弥子に手紙の翻訳を依頼するのです。
今は私立大学の助教授となった美弥子も、その価値に気付き、二人はそれが本当のものであることの証明をしようと努力します。一方、ジャーナリストとしての使命に燃えた峰先は、辞めた新聞社の仲間と連絡を取りながら、発表の機会を窺います。手紙を奪い返そうとする、見知らぬ組織。沖縄での暴行事件の被害者である金城由香里の裁判。大統領訪日を控え、彼女にも政治的な圧力がかかりはじめます。原爆投下の背景にあったものを問う小説です。
『イントゥルーダー』『スピカ』などで日本人の危機意識の欠如と政治意識の低さを、最新の情報を駆使したサスペンス小説と言う形で指摘してきた高嶋ですが、原爆=アメリカは悪という図式は、日本人である私にしても同意できません。民族意識を扱う難しさが、ここにあるのですが、いかに日本人があの戦争を単なる勝ち負けでしかとらえていないかの証左でもあります。沖縄の抱える問題にも、もっといい切り口があるでしょう。少なくとも金城由香里の巻き込まれた事件が、刺身のつまになってしまった印象を与えるのは失敗としかいいようがありません。
空虚な歴史を扱うよりは、沖縄の現在にこそ焦点を絞るべきではないでしょうか。真実に、わざわざ遠回りする話の展開も、物語の持つ必然ではなく、作者の都合でしかありません。これでは作家としての可能性が見えてきません。残念な一冊です。