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商品説明
〈戦後民主主義〉はここから始まった――。日本ファシズム、天皇制の分析、コミュニズムのイデオロギーをめぐる問題等を論じた諸論考を所収、「抑圧の移譲」(「超国家主義の論理と心理」)、「無責任の体系」(「軍国支配者の精神形態」)などの重要概念を提出し、発表より半世紀たった現在にいたるまで繰り返し読まれ、言及され、論じられる、戦後最深・最長のロングセラー、著者の没後十年を記念して、満を持しての新組・新装カバー装で登場!【本の内容】
目次
- 第一部 現代日本政治の精神状況
- 一 超国家主義の論理と心理
- 二 日本ファシズムの思想と運動
- 三 軍国支配者の精神形態
- 四 ある自由主義者への手紙
- 五 日本におけるナショナリズム
- 六 「現実」主義の陥穽
- 七 戦前における日本の右翼運動
- 第二部 イデオロギーの政治学
著者紹介
丸山 眞男
- 略歴
- 〈丸山眞男〉1914〜96年。大阪生まれ。東京大学法学部卒業。同大学名誉教授等を務めた。著書に「日本政治思想史研究」「丸山眞男戦中備忘録」「丸山眞男書簡集」ほか。
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紙の本
丸山は読み続けられる価値がある
2024/02/24 22:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
丸山真男をどう扱うのかは難しい。狭義の専門家にとっては実証的には厳しく評価せざるをえないというのも確かであろう。しかし、それをふまえてもやはり丸山は読み続けられる価値がある。そのことがわかるのが本書である。
紙の本
本書はもっと多くの人(アカデミズムに関係のない人)に読まれるべきですし、著者もそれを望んでいるでしょう
2009/11/19 06:51
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中堅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の形式的な分類すれば政治学の論文集ということになります。ですが、著者が後記に述べているように、
「専門の研究者のための学術論文に寄稿したのものではなくて、むしろ学者以外の読者を予想して書かれたもの」であるため、
「論文のスタイルが学界的常識からあまりにジャーナリスティックに見え、ジャーナリズムの世界からはあまりに『専門的』もしくは『難解』だと非難」されることになる程、本来の論文集と呼ばれる本よりは、学界外の人間でも読み易い内容になっています。
また、論文の執筆時期が1945年~1964年となっているので、2010年になろうとしている今の「現代政治」に関心がある読者にとっては、読む価値は少ない、と思われるかもしれません。しかし、下記の理由で(うまく表現できていませんが)私は多くの人に本書を読んでもらいたいと思います。
1.対象への視点の自在さ
⇒自明とされていて、つまりエートスとなっていて逆に見えない封建主義的な思想(家族主義・農本主義)を取り出す手際の良さ…「日本ファシズムの思想と運動」
2.思想の節操の取り方
⇒著者の立場が明確に示されているゆえに、無責任なジェスチャーになっていない…「『現実』主義の陥穽」
3.「政治とは何か?」から始まる啓蒙的な語り口
⇒…「自由主義者の手紙」、「人間と政治」は特に顕著
個人的には、「日本ファシズムの思想と運動」に出てきたロジックが、最も印象に残っています。
⇒第二次世界大戦下、工業労働者の福利厚生施設が貧弱→労働者の大量不良化→蔓延する懲罰主義・観念的激励演説→(不良化させた労働者が、軍人として劣ることを理由に!)政治的無関心継続
このロジックは政治という大局的な視点を排除して個人の振る舞いに全てを帰そうとする(儒学思想?)点で、「派遣切り」に対して出てくる自己責任論と著しい類似をしていると個人的に考えています。
bk1にて旧版の書評をされた、くにたち蟄居日記さんと同じく「日本人は日本人である。良しにつけ 悪しきにつけ。」という感想を持たざるを得ませんでした。
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発行されては消えていく中身の無い新書を読むより、段違いに勉強しがいがある本書を多くの方にお勧めします。