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日本沈没 第2部下 (小学館文庫)
日本列島の沈没は、単なる前触れにすぎなかった—。断続的な冷害に襲われ、深刻な飢饉に見舞われていた北朝鮮に、中国が軍事侵攻した。日本列島の物理的消失により、東アジアの気象が...
日本沈没 第2部下 (小学館文庫)
日本沈没 第二部(下)
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商品説明
日本列島の沈没は、単なる前触れにすぎなかった—。断続的な冷害に襲われ、深刻な飢饉に見舞われていた北朝鮮に、中国が軍事侵攻した。日本列島の物理的消失により、東アジアの気象が大きく変動し、その影響も拡大していた。日本政府は、もうひとつのプロジェクト—日本人の技術を結集した全地球の環境予測システム・地球シミュレータの実用化に乗り出す。皮肉にもそこにシミュレーションされたのは、地球全体を「新たな異変」が呑み込もうとする悪夢のような内容だった。この地球の未来をも予測し、全人類に警鐘を打ち鳴らした世紀のSF巨編、堂々完結。【「BOOK」データベースの商品解説】
【星雲賞日本長編部門(第38回)】【「TRC MARC」の商品解説】
空前のベストセラー『日本沈没』の発表から33年、著者・小松左京氏がどうしても書きたかった「列島沈没後」の日本人の姿。国土を失った人々はパプアニューギニアや中央アジアなど世界各地に入植、それでも政府機能だけはオーストラリアで維持されていた。国家の再興をかけ政府が取り組む2つの巨大プロジェクト。日本海に人工の陸地を建設するメガフロート構想とあらゆる気象データをスーパーコンピュータで解析して未来を予測する地球シミュレータ。日本人が自らのアイデンティーを確立しようとする矢先、世界を震撼させる驚愕の事実が明らかになる。【商品解説】
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紙の本
壮大にして、示唆に富む。
2022/03/05 17:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本列島の沈没は、その後、各国に移民として散った日本人の労苦はもちろん、地政学的な変化による国際状況の変化などを呼び起こす。
しかし、本書で描かれているのは、さらに過酷な地球環境の変化だ。日本列島は沈んでいないリアルな世界では地球温暖化の問題解決をどうするかが言われているが、物語の世界では、過酷な氷期が訪れて、さらに多くの国が氷に閉ざされ国土を失うというシミュレーション。最終章では、政治的な均衡と、科学技術の発達によって、人々は、なんとか生き延びる道を得るが、そこまでの道筋はハラハラドキドキの展開であった。
私たちは、微妙で奇跡的なバランスの上で、やっと生かされているのだという読後感。本書は、逆に温暖化してゆく地球の危機までも、想像させる。
いまさらながら、第一部も読み返してみたくなった。
紙の本
飛躍しすぎかな、とも思えるが・・・
2020/08/21 10:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とも - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻の続きで一気読みをした。
日本列島が沈降し消え失せ、その後どうなっていくのか、流浪の民と化した日本人、国土を無くした日本政府の思惑。
小説といえども考えるだけで寒気がする。日本列島という一種の緩衝材を無くした世界は、アメリカ・ソビエト(現:ロシア)、そして中国の顔色を伺いつつも日本政府と日本人をどう扱うか、苦慮する様子がよく分かる。
日本列島という巨大な壁が無くなれば、北からの冷たい気団がやってくるだけではなく、偏西風の流れや高緯度帯を巡る寒気流の流すら変えてしまう。
ざっくばらんに言えば、北半球が寒冷化する。しかし、日本が誇る「地球シミュレーター」はさらにその先まで予測しているのだが、思わぬ横やりが入る。
自国第一主義を唱える今の某国が、仮にこのような状況になった場合、やはり「同じような対応」をするのではないか、そんなことすら考えた。
住めなくなる国土を目の前にした時、或いはそのような危機が迫った時、我々はどうすべきなのか、どうしたら良いのか考えてしまう。
ひとつ残念なのは、(ページの都合かもしれないが)中田元首相と邦枝との会話のあと、行きなり数百年後の世界を語られている点が残念である。どうせなら、もう一つくらいエピソードが欲しかった。
紙の本
あの衝撃の先に
2023/10/21 06:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
空前絶後のベストセラーとなった1973年作から30年あまり、現実の世界が物語に追いついてしまったような感覚です。3・11や南海トラフを反映した、続編も期待しています。