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ともさんのレビュー一覧

投稿者:とも

61 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本復活の日 改版

2020/07/11 13:22

有り得ないと思いたいが

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小松左京ブームが再来したのか、それとも、この所の「新型コロナ」の影響なのか、この復活の日もそれらに乗るかのように再版されたのを購入。

小説誌に連載されていたのが確か1964年、前回の東京オリンピックに涌いている最中であり、大阪万博なども控えていた時だ。高度経済成長にあった日本からすれば、異様な作品だったのだと思う。

現代の世界からすれば数世代も前の社会背景ではあるが、自国第一主義を掲げるアメリカ、大国となった中国、ロシアとなった旧ソビエト、そして経済が安定せず何も決められない日本、作品の中で語られる国と現代の差異はあまり無いように思える。

『見えない敵』とそれの犠牲者、各国中枢までに及ぶ恐怖、

時代背景は違うものの、新型肺炎(新型コロナウイルス)の渦中にある現在と照らし合わし、比較しながら読んでみるとなかなか面白い。小松左京の想像は、まるで現代を見透かしていたようにも見える。
人間という動物は、武器を作り、過保護とも言える恐怖を持ってしか生きられないのではないか。この小説が暗に記していたのは、如何に人間が愚かで弱い動物ということだろう。

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紙の本

紙の本変なおじさん〈完全版〉

2020/06/21 09:33

もっと観たかった

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1998年、2000年に発売された「変なおじさん(日経BP社)」の合本である。
以前読んだ「志村流」が処世術なら、この「変なおじさん」は、生い立ちを記した本になるのか。

発刊は「令和2年5月10日」になってるから、逝去後にまとめられたものだ。

読み終えた感想を一言で言えば、志村けんとは内向的であるが、類い稀無いほどの勉強家であり、笑いを追求するだけでなくその中に見え隠れする「人間の本質」を見付けようとしたのではないだろうか。また、「脚本家でもあるし演出家でもある」とも言えよう。

「変なおじさん」とは志村けんの隠れ蓑でもあるし、一つの個性とも言えるキャラクターだ。これからも、変なおじさんで居て欲しかったが、それが願わず、とても残念である。

今頃、東八郎さんや桂枝雀さんと酒を交わしながら、芸談でも話しているのだろうか。いかりやさんに怒られつつも、オモシロイネタを書いては演じて見せたりしているのだろうか。80歳の志村けんを観たかった。

舞台から下がるのが早すぎたと、空の上にいる先輩方が蹴落としてくれなかったことを悔やむ。

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紙の本

当たり前の事ほど気付かないと実感

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

逝去されて暫く経ってから書店で平積みになっていた。しかも文庫版。
志村けんという人間の言わば「処世術」であるが、 難しいことは並べてなく、ごく当たり前の事しか書いてはいない。

しかし当たり前の事ほど出来てない、それ以前だと見透かされているような気持ちになった。

「人生は油断大敵」
ある章はこんな見出しである。
『小さいキズとナメていると、破傷風になって死んでしまう。』まさかそのキズが新型コロナであり、そしてそれが致命傷になるとは・・・。

最後に「目的を失ったらゼロに戻ればいい」と締め括ってるが、ゼロに戻ってしまった志村けんは、今どこで何をしているのだろうか。
きっとどこかで、たくさんの人を笑わせているのだろうか。

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紙の本

紙の本全裸監督 村西とおる伝

2021/10/31 15:21

読みごたえ十分

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

平成28年10月に、太田出版から刊行された文庫版である。
文庫版とはいえ900ページ近い文量は、「村西とおる」という男を語る上で必要最小限なページ数なのかもしれない。それだけでは恐らく、語り尽くせない何かを秘めているように感じる。

私の世代(1970年代前半/昭和40年代後半)でいえば、丁度アダルトビデオ(AV)の世界が、アンダーグラウンドからサブカルチャーへと変わる流れをを肌で感じた世代でもあろうか。本著の主人公"村西とおる"だけに非ず、代々木忠だとか加藤鷹などの存在もあった。

その中でも村西とおるの存在は大きく、独特の口調(口上とも言える)は是非はともかく、人を惹き付ける要素でもあった。同時に、映像でしか観れない娘達をテレビに出演させたりもしていた。

彼がいなければ、今のAV界は存在し得なかったのではないか。
ソフトオンデマンド(SOD)が好例だろうか。

「アダルトメディア時代年表」なるものが仮に出来たとして、間違いなく時代区分に「村西とおる時代」が表記されるだろう。
70を過ぎたとはいえ、若さと惹き付ける何かが今でも持ち続けているのは不思議である。

物語はまだまだ続きそうだ。

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紙の本

紙の本日本沈没 下

2020/07/30 06:53

龍の死

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小松左京の小説、ここ数ヵ月ほど一種のブーム(リバイバルブーム)となっているようで、いくつかの書籍が復刊・再版されてますね。

先日読み終えた「復活の日」だけでなく、日本沈没(第一部)が出ていたので購入。第二部は再映画化(草剪君が主演した映画)に伴い購入していたけど、第一部は借りて読んだだけでした。

文庫版(2020ではない)を購入し何とか読み終えました。
以前にも読んだことがあるとはいえ、改めて凄い内容でした。ここまでズタズタにされるのも、SFという土台があっただけでなく、きちんとした「要素」があったからなのでしょう。
日本列島は「隆起した島」なので、このように「沈没」することは無いとはいえ、東日本大震災を含めたそれ以降の地震・火山噴火を経験した(経験している)者からすれば、眉唾な話とも言い切れないのではないかと不安になります。

最終章「龍の死」とは、日本列島を龍と見立てた発想だとして、死んでいく様は悲しいものがあります。頭では「そんなこては起き得ない」としても、列島を一つの命だとすれば、いつかは死を迎える。

これが第二部にどう繋がれていったか、後日改めて「第二部」を読み返してみたいと思うのです。

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紙の本

紙の本日本沈没 上

2020/07/30 06:43

すべてはここから始まる

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小松左京の小説、ここ数ヵ月ほど一種のブーム(リバイバルブーム)となっているようで、いくつかの書籍が復刊・再版されてますね。

先日読み終えた「復活の日」だけでなく、日本沈没(第一部)が出ていたので購入。第二部は再映画化(草剪君が主演した映画)に伴い購入していたけど、第一部は借りて読んだだけでした。

文庫版(2020ではない)を購入し何とか読み終えました。
以前にも読んだことがあるとはいえ、改めて凄い内容でした。ここまでズタズタにされるのも、SFという土台があっただけでなく、きちんとした「要素」があったからなのでしょう。
日本列島は「隆起した島」なので、このように「沈没」することは無いとはいえ、東日本大震災を含めたそれ以降の地震・火山噴火を経験した(経験している)者からすれば、眉唾な話とも言い切れないのではないかと不安になります。

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紙の本

紙の本ナイルに死す

2020/05/12 14:06

いやはや難しいわ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「オリエント急行殺人事件」に続き、ケネス・ブラナー主演・監督で映画化されるとのことで、厚い文庫版を購入。

初めて読んだ感想は、冒頭の文にもあるが「登場人物一覧と地図を見ながら読む」事を怠らないようにすること、そして、物語の最後にポアロが述べたように「恋愛小説は悲劇である」。

暫く間を置いて、読み直さないとしっくりとこない。読み終えたという安堵感もあるが、それ以上に難解な面も多く、どこか胸のうちがもやもやしている。

映画を観る前に、最低でもあと二回は読みなおしたい。

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紙の本

紙の本全国マン・チン分布考

2019/07/06 18:23

意外といえば意外

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイトルに猥語が躍るか、実はこの本、れっきとした「日本語探求書」であり、いわば学術書なのだ。
筆者はあの「探偵ナイトスクープ」のプロデューサーでもあった松本修。

猥語の探究というよりも寧ろ、猥語を入口に方言の成り立ちにスポットをあて、日本語のルーツを探求する点がとても面白く画期的である。
テレビ番組が切っ掛けではあるが、猥語はテレビでは扱えない。だからと言って切り捨てる事もなく調べていくのだが・・・。
一通り出来上がった資料をもとに、相談を持ち掛けた相談者を訪ねる。相談を請け、20数年の時が経っていた。
言葉のルーツを辿ると、日本の民俗を倣っているような感じもする。

資料、引用した冊数だけでも下手な学術論文よりは多いのではないか。辞書辞典の類いだけでも30数冊、論文や書籍は100冊ほどである。ここまでくると「学術書」として扱っても間違いではなかろう。

同氏が書かれた「全国アホ・バカ分布孝」も読んでみたい。

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紙の本

紙の本大誘拐

2019/05/28 06:27

アッパレおばあちゃん

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

誘拐・身代金と犯人が要求するのは普通の小説にはよくある。しかし「大」誘拐はそんな常識(?)には囚われない。
何故なら、誘拐された柳川とし子が犯人の一味と結託し、身代金要求するのだ。
被害者ではなくむしろ加害者でもある。
おまけに此の方、身代金の金額も半端ではない。100億円という途方もない額を打ち出す。

奇想天外な誘拐、身代金受け渡しと誘拐された柳川とし子の解放、これで事件は
解決・・・・?
何かがおかしい、何かが引っ掛かると捜査本部長井狩は、柳川とし子に直接聴取する。

この作品は、何度も映像化されている。非常に良くできた小説でもある。
警察の裏をかくような行動、山と海に挟まれた地形、何よりも柳川とし子の優れた才能と身軽さにあっぱれである。

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紙の本

なんとも不思議なタイトルだ。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイトルもだけでも面白いが、この著者「落語家立川こしら」もまた面白い。
いや、面白いというよりも変なのか。
師匠である立川志らくもそう帯に書いている。『変な弟子だがやろうとしていることはまさに現代である』と。

それにしてもだ。現代社会において必須とも言える「衣食住」のうち、衣住を棄てフットワークが軽い著者が生き生きと見えてしまうのが不思議である。私など臆病な人間は、どれかひとつでも満たされないとなると、人として生きていくのが困難になりそうだ。著者の牧歌的とでも、遊牧民のような生き方には脱帽するばかりである。今の時代の言葉を用いれば「ノマドワーカー」とでも評すべきか。

持ち前の器用さがあるからこそ、そんな事が出来るのだとは言えず、落語というしっかりとした土台があり、現代(日本)だからこそ出来る荒業とも言える。

そりゃそうだ。日本は何処に行っても電気が使え、飲める水が豊富にある。ネットワークだって(制限はあるけど)どこでも繋がる。ということは、必要なものを必要な時に調達さえ出来ればそれでいいのではないか。これを生産現場に当てはめると、ジャストインタイム(トヨタかんばん方式)とでもなるのだろうか。

幸せの形はいくらでもあってもいい。
尺度も人それぞれだ。
他人から指を指されようと、文句をつけられようと、当人が満足しているならそれでいいじゃないか。
そんなことを教えられた一冊である。

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紙の本

紙の本私が見た未来 完全版

2021/10/16 15:23

画風は古いが、内容はなかなか

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

フリマではかなり高額取引されているという、たつき諒「私が見た未来」が"完全版"として、10月に飛鳥新社から復刊されました。
当初は7月刊行予定だったのですが、さまざまな事情で10月に延期されました。

誰でも見ているであろう"夢"は、目覚めると忘れてしまうのが大半です。しかし、筆者は"夢日記"として記録し、それらが"いつか起きる事象"(=予知夢)として捉え、それをマンガとして残しました。

"夢"には、それを見た方の精神状態が投影されるともいいます。作者自信も"夢日記"の殆んどは、他愛もない事だと語っています。
しかし、"夢日記"の現物(カラーコピーにて掲載)を見ると、驚きと共に恐ろしさも感じます。
中でも"2025年に起きること"を記した夢日記は・・・(ネタバレに繋がるので書きません。)

オカルト好きだけでなく、夢に悩む方や夢を観たい方にも、更にはホラー好きな方々にも十分に楽しめる作品かと思います。

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紙の本

たくさんの人に、立場や職業関係なく読んでほしい

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

彼女は立ち向かうこと、逃げる場所とそれを受け止める環境があったから良かった。
しかし現実問題、そんな環境を構築できる事は簡単だろうか?

運が良かったと言うのは簡単であるが、やはり環境があったことが助けになったように思う。

便利な世の中、その便利さを誰もが享受出来る時代ではあるが、助けようと手を伸ばしてもその手が届かない事はよくある。

この本を読んでいて一つ疑問に感じたのは、助け舟を出すつもりであれば、サポートセンター等の連絡先を列挙していない点である。

いずれにせよ、この本は「いじめに遇ってる人」だけでなく、保護者の方や学校の先生方にも読んでもらいたい一冊である。また、いじめは決して他人事でもないし、気がつかないかもしれないが、すぐ隣で起こっている「身近な」問題なのである。

いじめはどこにでも起きること、それを前提にした上で如何に対処できるようにするか、学校だけでなく、大人が逃げることなく向き合う必要があると考えさせられた。

いじめられた経験がある人、それを見て見ぬふりをしていた人にも、また多感な子供を持つ親御さんにも読んでいただきたい。

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紙の本

紙の本一九八四年 新訳版

2020/09/28 10:10

反共の教科書

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

初版(原書)は1948年か9年の出版と聞く。70年も前の作品であるが、いまだに読み継がれるのには、魅力が存分にあるからだろう。

反共主義者のバイブル・教科書的な書籍として扱われてきたこともあったというが、なるほど、それも良くわかる。

誰もがモバイル端末を持ち、それをいつでも何処でも利用できる現代は、この「一九八四年」に書かれた社会そのものではないか。誰もが監視員となり、なにか問題を起こせば、SNSに拡散させる。それも画像や動画付きで。
帰宅すればディスプレイが備え付けられ、街中には防犯カメラ、更には「スマートスピーカー」がテレスクリーンの代わりとなっている。違うのは、カメラがないだけである。
「ビッグブラザーがあなたを観ている」とは作中の言葉であるが、現代なら「ネットがあなたを観ている」とでも言い換えられようか。

発刊された70年前には想像でしかなかった超監視社会が、現代社会そのものを現しているのは不気味である。

余談ではあるが、解説がかなり長いのは、本編の背景にあるものを見せるためには必要なんだろう。かなり長いので、本編よりもある意味疲れた。

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紙の本

再版・増刷おめでとうございます

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

初刷は2017年4月であるが、私が手に入れたのは第4刷、2019年4月・・・・そう、ブラックホールの画像が撮影されてまもなくのことだ。
画像撮影に成功し急遽増刷されたようで、帯にはブラックホールねあの画像が載っている。

ブラックホールを宇宙物理の観点で取り上げる書籍はいくつもあるが、実際に観た(執筆時はその前段階)人間が簡潔にまとめあげるのは、この書籍が初めてであろう。
如何にしてブラックホールが作られるのか、またそれは一体どのようなものなのか、またそれから得られる姿はどのような形なのか・・・理論提唱から発見、エディントンやチャンドラセカールといった名前も出てくる。
数学的素養が無くても解りやすく、少々難しくとも噛み砕いて書かれているので非常に読み易かった。

これから数年~10年間は、ブラックホール研究にとって楽しみかつexcitingな時代になる、そう筆者は結ぶ。

大須賀健・著『ゼロからわかるブラックホール』(同社刊)も併せて読んでいただきたい。

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紙の本

自業自得、因果応報なのか?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

NHKで放送された「ドラマ詐欺の子」の基となり、著者が取材協力した番組である。

「老人喰い」・・・なんと衝撃的なタイトルだろう。とはいえ、食い物としている輩が居ることは確かである。
騙す方が悪いのか・・・詐欺である以上、騙す方が悪い・・・全くではある。
しかしそこに至るまでの周到な準備は、まるで企業の様にも窺える。
電話を掛ける「かけ子」、現金を受けとる「うけ子」などなど、チームワークと役割分担は単に捕まらないためだけでない。寧ろ、作業効率や同僚との競争のため、搾取という目的のためにはノルマを課し、収益力を向上させるためにあるように思った。今でも同じような事がされているのかどうかは不明だが、保険の営業や銀行の融資の競争と似ている。
違うのは「犯罪」であることと、分業故に本体(文中に出てくるオーナー)まで捕まるような事は難しい。

個人情報が人から人へというのは今は昔である。情報はネットワークを介し人の手へと渡る。悪意のあるなしに関わらず、個人情報が漏れたとき「悪用された形跡はない」と他人事のようにいう。
しかしこれらの情報が集約され、紐付けされているとしたらどうだろうか?

話は戻るが、これを生業としている人達は、身内が同じように搾取されたらどう思うのだろう?搾取される方が悪い?信じた方が悪い?
因果応報という言葉がある。いつかは自分に還る。他人を騙し搾取した金など身に付くはずもない。必ずいつかは報いをうけるのだ。

如何に犯罪者が犯罪という意識を棄て、洗脳されて行くのか。何故その様な事になるのか?答えは至って簡単で、報酬(金だけに非ず)があるからである。即ち「歓び」でもある。目の前に成功者(いわばチームリーダー)が居れば、それに対しての憧れが芽吹くのも無理はない。
それを見た搾取者たちは「カッコイイ」と思うのだ。

用意周到された問答集(スクリプト)と、名簿という情報源。これらはまるで訪問販売や電話勧誘のやり方を模倣する。
挙げ句、参加するものたちに「如何に高齢者から金を巻き上げるか?」を自然と考えさせ、タンス預金を奪う方法を模索する。最近この手の事件がマスコミを賑わせているが、書いてあることと近いやり方なのはただの偶然であろうか?

最近では拠点を海外に移し、日本に向けての同様の犯罪が増えているようだ。今はインターネットさえ繋がれば、どこでも可能なビジネスだとも言える。しかし一方で同業者が増え、優秀な人材の引抜き合いもあるようで、実際のところ「人を育てる難しさ」も窺える。
いわゆる反社会の人間がプレイヤーを派遣し、金を稼がせる。資金繰りには困らないという。

如何にして『老人喰い』を無くせるか。
最後に著者は、若い人に「与え育てること」と締めくくる。

本著が刊行された2015年から数年が経ち、働き方改革や総活躍社会といわれ、年号も平成から令和へと変わった。この新しい時代に、金のある人々が将来を未来を背負う若い人に投資をし、育てることに真剣に向き合うべきではないかと思うのだ。

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